木工芸・漆・道具        

 木肌の美しさに惹かれ、指物の伝統技術と道具に魅せられて・・・・・ 木工芸 市川 (宇治市炭山)

小室等 昼下がりコンサート

2011-09-11 23:43:50 | その他
いーポート世屋で行われた、e-port音楽会に行って来ました。


久しぶりに訪れた上世屋は、秋の気配が漂いつつありました。


今回のコンサートの出演者は、小室等、こむろゆい、そして谷川賢作

いーポート音楽会の会員である我々は、最前列、まさにかぶりつきで聞くことができました。



小室等さんと娘さんのゆいさんの、美しく心に響く歌と演奏に感動。



そして、谷川賢作さんのピアノがまたすばらしかったです。



ご指名で、音楽会の会員であるKさんがトランペットで特別出演し共演。
本人もびっくりしていましたが、こんなサプライズがあるのも、アットホームなこの音楽会ならでは。
ちなみにKさんは、このいーポート世屋に来てはトランペットの練習をされていたそうです。
Kさんのトランペットもなかなかもものでした。



小室さんは今年演奏活動50周年を迎えられました。
1960年代から変わらぬ姿勢で音楽に取り組まれ、淡淡と歌い続けられてこられました。
懐かしい、というよりあの60年代、70年代に、私達も求めたものを今も持ち続け、歌い続けられているのを身近で感じ、何とも言えない感動に浸ることができました。
すばらしい演奏をありがとうございました。



いーポート世屋では、
9月24日 に「Jazz Night in Shiogiri 2011」が、


そして、11月には

「バロック音楽とワインと料理がつむぐ月夜」と題して 井幡万友美チェンバロリサイタルが開かれます。
おいしい里山ビュッフェの夕食とともにいまからとても楽しみにしています。
詳しくはこちらをどうぞ。


※写真は、演奏者および主催者の許可を得て撮影・掲載させていただきました。

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研ぎと摺りの日々

2011-09-09 21:40:38 | 
研ぎと摺の日々が続きます。

エアーサンダーが動かなくなってしまい、分解して修理。

中のベアリングが錆び付いていましたので交換。


広い面積を研ぐ場合は大変重宝します。


脚の研ぎにも使いますが、


細かい部分の研ぎや、ムラをとるための研ぎはやはり手がたよりです。


研いだら生漆を塗り、乾かします。


椅子の研ぎは最終段階。


これからは塗った漆を拭き取ります。
今までは、はじめは綿布で拭いていましたが、今回はケーク紙を使うことにしました。


やや小ぶりの羽反り椀の捨て摺り。
生漆を塗り、しばらくすると木地が漆を吸って表面の漆がなくなります。
吸い具合を見ながら繰り返し塗り、吸いが止まるまで繰り返します。


こうして木地の導管の中にしっかり漆を吸わせてから風呂で乾かします。
中まで完全に乾くには1週間くらいかかるでしょう。
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曲げ輪っぱ弁当箱 地付け

2011-09-06 21:27:56 | 

朝から久しぶりの気持ちの良い晴天。9月に入って初めての青空。
どことなく秋の気配も漂ってきます。このまま秋には成らないでしょうが・・・。


久しぶりに(春以来?)、妻も工房へ来て、裏の畑で土いじり。

私は、木地固めまで済んでいた曲げ輪っぱの弁当箱の隅に地付けをしました。
この隅に地を付けるのは、丈夫にするためと、洗い安くするため。

地を隅に置いていくのがなかなか厄介なのですが、良い方法を思い付きました。


地を厚めのビニール袋に入れ、隅を少し切ってそこから絞り出すのです。


まず、隅に少しだけ地を絞り出して付けます。


付けた地を細いへらで隅にしっかり摺り込みます。


更に、少したっぷりめの地を絞り出して付けます。


そして先を丸く削った隅用のヘラで押さえながら余分の地を取り、整えます。
はみ出した地は篦で取ります。


4種類の弁当箱の身と蓋すべての隅に地を付けました。

この弁当箱は、「一木一優」の作品展で展示をする予定です。


大根の種も蒔き終えました。
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拭漆

2011-09-05 21:28:42 | 
木工の仕事が一段落すると、しばらく漆の仕事に専念します。
まずは、囲炉裏風テーブルの捨て摺り。仕口には紙テープを巻き養生を済ませています。


妻手の幕板。たっぷり漆を吸わせてから篦で余分な漆をしごき取ります。
湿度が高いので、漆がすぐに乾きはじめます。
厚めに残るので、導管を漆で埋めるには良いのですが、研ぎが大変です。





天板。まず裏を塗り、少し乾いてからひっくり返して表に漆を塗ります。
幕板や脚は漆風呂で乾かしますが、天板は風呂に入らないので、このまま乾かします。


続いてやりかけの椅子。


320番の耐水ペーパーで水研ぎ、乾いたら漆を塗ります。


導管の埋まり具合を見ると、次の研ぎで研ぎは終われそうです。


風呂の中がいっぱいになりました。
これから暫くは研ぎと摺りの日々が続きます。
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囲炉裏風テーブル 木地完成

2011-09-03 21:56:06 | 木工
炉縁の組み立てに、当初は麦漆を使う予定でしたが、エポキシ系接着剤を使うことに変更。
理由は、ほぞ穴の幅がやや広い部分があり、その部分へ接着剤を充填したいため。
麦漆ではおそらく中まで乾くのに時間がかかり、最悪の場合乾き切らないで変質する可能性もあるからです。


はみ出たエポキシが導管の中に入ってしまうとその部分に漆がのらずムラができるおそれがあります。
それを防ぐため、念のために、留めの近くに漆を塗ってしみ込ませておきました。


漆が乾いてから組立。
ほぞの中までしっかり接着剤を塗り、組み立てるのは部材が大きいだけになかなか大変。
はみ出した接着剤は、他に付かないよう、灯油をしみ込ませた布で即拭き取らないと後が厄介です。
硬化時間の長い接着剤を用いて正解でした。


全体を組み立てた後、鯱栓をしっかり叩き込みます。胴付きもぴったりついてくれました。


一晩おいて接着剤が固まったところで仕上げ削り。
まず裏面から。
一度目違いは払っているのですが、しっかり組むとまた少し目違いができました。


鯱道は斜めの溝を段と並行に掘り直し、別の木で埋めました。


こちらは表。
全面削り直しました。その後縁も削って仕上げ削りが完了。


脚部組み立て、鉄炉を入れ、炉縁を乗せてみました。
これで木地が完成。明日から拭漆にかかります。
あ、・・・炉の蓋を忘れていました・・・。

今回、はじめて鯱留に挑戦してみました。
一応完成させることはできましたが、課題も多く、技術的にはまだまだです。

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炉縁 鯱留

2011-09-01 21:21:45 | 木工
炉縁の鯱留の作業が続きます。
4カ所、8本の鯱道を掘ります。繰り返す中で、入り隅に斜めに入る鯱道を3時限的に把握することができるようになってきました。
それにより掘り方も変わってきました。


まず、口の部分を鯱道にそって掘り広げておきます。
これが鯱道の傾きの基準になり、またこうしておかないと鑿が入りません。


粗掘りは、4分の追入鑿で掘るのが一番速いようです。
ほぞ穴の中の部分は鏝鑿で整えます。


仕上げはこの鑿。左久作さんにもうかれこれ20年以上前に作っていただいた3分の薄鑿。
今回の鯱留の穴掘りでは、この鑿だけが唯一深いほぞ穴の底まで届き、一番活躍してくれたのです。
良く切れ、しかも欅の木口をガリガリ削ってもなかな切れ止みませんでした。


鯱栓を当てて栓のとおり具合を見ます。


鯱栓は、軽く叩いて入れ、効き具合をみながら少しずつ削って仕上げます。
叩き込んだ時、元から先まで全体がしっかり利くように削ります。


すべてできたところで、一度鯱栓を軽く嵌めて納まり具合をみます。
良いようです。


もう一度バラして、幕板に嵌める部分を段欠きをして、鉋で仕上げます。豆際鉋も活躍。


脚部にうまく納まってくれるでしょうか。
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