Chun日記~両足脛骨欠損症の娘をもった父親の育児&子育て奮闘日記

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この世界の片隅に

2013-06-24 00:35:26 | お気に入りの本
この世界の片隅に (こうの史代)
を読んで…



第二次世界大戦中、広島の漁師町に育ち絵を描くことが好きな少女・浦野すずは軍港・呉の高台の町に住み海軍で働く北條周作に嫁ぎ夫婦生活を送っていく……。


なんだろう。
いままで読んだどんな戦争を伝える読み物よりも、読みやすくて
それでいてリアルで、いろんなことが伝わる。


なんというか、ものすごく緻密にその時代のことを研究して描かれているような箇所が随所にあり、気にし始めると止まらない(^^;;


今の当たり前とは違う、戦時の当たり前や感じ方。
その心の動きを、すずさんの気持ちの描写で表す描き方が新鮮。


実際に体験したわけでもない作者が描いているとは 到底思えない
しかも、なんだか私たちにもすんなりわかるような翻訳がなされているような。


戦争を伝える読み物というと、どうしても悲惨さが全面にですぎてしまい、それしか残りにくいけれど、この本は違う。
素晴らしいと思った。


小説や映画もみてみたいなと 思ってしまったなぁ。
探してみようかしら。


親戚の子が死んでしまい、右手をなくしてしまうことにまつわるさまざまな気持ちの動き。
玉音放送を聞いたすずがおこってしまうシーン。

なんだか、いろんなことを考えさせられてしまった。
娘たちにもいつか読ませてあげたい一冊である。




参考までに…

以下、こうの史代さんのコメントより 抜粋したものを…
わたしの説明よりも数倍わかりやすい(^^;;


〈この作品では戦時中の生活を描くということと、戦前の女性の人生も同時に絡めて描きたいと思っています。主人公のすずという女性が、突然顔も知らない相手と結婚したり、闇市での物価の高さに驚いたり、スケッチをしていたら憲兵にスパイと思われたり…。すずの日常を描くことで、戦後に生まれた私たちが“戦争がある暮らし”というのはどんなものなのかを、ちょっとでも身近に感じられればと思うんです〉(新婦人しんぶん08年10月30日付)


〈すずの日常を通して“戦争のある暮らし”はどんなものか、私たちのお父さん、お母さん、おじいさんやおばあさんがどんなふうにこの時代を過ごしたのかを少しでも想像してもらえれば…〉〈これを読みながら体験者にも話をしてもらえたら、心の中にあるものを私たちと共有できれば、との願いを込めました〉(しんぶん赤旗日曜版09年2月15日号)





コメント (2)
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