5月8日付でYoutubeのCBCニュースで公開された次の動画を見ていて、話しの中で「ん?」と感じた部分がいくつかありました。
■「新型コロナの第9波は“最大”の可能性も…すでに始まっている」5類移行で今後気を付けたいこと ワクチンは打つべき?後遺症は?【解説全文】名古屋大学病院 山本尚範医師
ひとつめは「日本はやっぱりまだ感染した人が人口の4割弱なんですね。」という部分で、この数字がどこから出ているのかがわからない点と、この数字には無症状などの不顕性感染や、症状が非常に軽かったため検査を行わなかったなどの事例も含めたものなのかということです。そのことがはっきりしないままで、「欧米は8割方感染して“ハイブリッド免疫”を持ってます」と話すのはいかがでしょうか。
次に“ハイブリッド免疫”に関して、説明を聞くと“ワクチン接種と感染”で形成されるもののようですが、「日本は約7割の人が3回ワクチン接種をしている」状況で、その中でそれなりの人数の方が感染していると思われるのですが、“ハイブリッド免疫”がどれだけ欧米と違うのかの説明が足りないように思いました。
三つめに新型コロナワクチンの春開始接種に関連してオミクロン株のことが取り上げられているのですが、ワクチンの感染予防効果は少なくとも2~3か月あるだろう、オミクロンは免疫をすり抜ける力が強いといわれたりしています。ただ、画像にある厚生労働省が公開している資料を見ると、感染力は上がっている一方で、重篤性は下がっていると読み取れるのですが、オミクロン株の評価が行われているように思えませんでした。
そして重症化予防効果についての部分では「はい。(重症化予防効果は)非常に多くありまして、全くワクチンを打っていない人は日本ではほとんどいませんが、全く打っていない人と、ワクチンを、いわゆるブースターというか、追加接種まで4回5回打った人を比べると、10倍から20倍ぐらい、亡くなる確率を減らせるというデータがあります。半年ぐらいは少なくとも効果が続くであろうと」と話されていました。
まずもって、人口の約2割強が接種していない状況を「全くワクチンを打っていない人は日本ではほとんどいません」と表現することに違和感があります。またワクチンの効果を喧伝している部分について、短い時間での説明とは言え、かなり乱暴に結論として話しているように感じました。
“全くワクチンを打っていない人”はご高齢の方や基礎疾患をお持ちの方を指しているのでしょうか、それとも全年齢での話でしょうか?“10倍から20倍ぐらい減らせるデータがあります”というデータの出典はどこなのでしょうか?それに、そもそもオミクロン株が当初より変異していわゆる“弱毒化”しているとすれば、ワクチンの重症化予防効果は差し引いて考えるべきと考えます。
ちなみにCBCニュースの中では、大石キャスターが接種後の副反応の状況やインフルエンザとの比較なども提示していて、考えるきっかけとして参考になると感じました。
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