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ローラの奴隷契約に象徴される、一方的な契約がはびこる日本社会

2017-08-28 10:20:02 | 日本社会
ローラが芸能事務所と交わした奴隷契約がニュースになっている。事務が同意しない限り20年間も拘束するという内容が紹介され、驚きをもって受け止められている。

日本の契約書については、不利な内容が読めないような小さい字で細かく書き込まれていたり、一方的に強者に有利な内容が組み込まれていたりと問題があるものが多いが、芸能界の契約においては特に問題が多い。

路上でスカウトされた女性が、その時結んだ契約内容に基づき、意思に反してAV出演を強制され、それを拒めば多額の違約金を請求されたという事件も記憶に新しい。

また、契約に恋愛禁止というような、個人の人権を侵害するような内容が平気で記載されていたりする。

特に、タレントと事務所の契約においては、力関係の強い事務所に有利な内容が盛り込まれることが多い。

そもそも、契約と法律の関係については強行規定に反しない限りは契約内容が優先される。その意味では優位な立場にある契約当事者に有利な内容の契約を結んでも有効であることは間違いない。

一方で民法90条は、「公の秩序又は善良の風俗に反する」内容の法律行為は無効であると定めており、これは契約内容にも及ぶ。

しかし、具体的にどのような行為が公序良俗違反に該当するのかは解釈に任されている為、実際に裁判で争われない限りその契約内容が無効か否かがわからない。

日本で一方的な契約がはびこるのはそれが原因である。

一般的に公序良俗に反する行為としては、1.家族秩序・性道徳に反する行為、2.自由を極度に制限する行為 、3.犯罪にかかわる行為、4.暴利行為 、5.不公正な取引方法 、6.公正な競争を阻害する行為 、7.憲法的価値に反する行為、8.取締規定に反する行為 、9.不当な内容の契約条項(約款における個別の条項が一方的に事業者側に有利であるような場合)、が挙げられている。

芸能界における不当な拘束を含む契約や、不当に事務所の取り分が多い契約などは裁判すれば勝てる可能性は少なくない。8対とも言われる吉本の取り分などは公序良俗違反の可能性が高い。

日本から一方的で不当な内容の契約を失くすには、より多くの契約当事者が不当な契約に対し声を上げ裁判に訴えることが必要である。

高利の借金に対し、過去に遡って金利変換を請求できるようになったように、芸能事務所に対し過去に遡って返還請求ができるようになる可能性も皆無ではない。
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