来週末からのインドGP、本当に開催されるのかコースの安全性の問題云々で直前にキャンセルなんてならないだろうなぁ~・・・
な~んて心配はさておき。。。
つい最近のマルケスのインタビューで、相変わらず不調のマルケスが中団グループでレースをする意味や姿勢について語っている。
30歳にもなってやっと悟った感もある、自身の置かれた立場に依っては走り方を変え、リスクを避けななければいけない
ということ。ここで言う「自身の置かれた立場」ってのが、例の2015年マレーシアGPでのロッシとの事件時に悟っていれば
あんな嫌な後味の悪いレース、チャンピオンシップにはなっていなかったと思う。
よく、F1なんかで周回遅れの車は先頭グループがラップする場合、リスクを避けコースを空け道を譲る場面がある。
モトGPの場合、そんな場面は滅多にないにしろ、もしチャンピオンシップを争う二人が(それもシーズン終盤)先頭グループで
争ってる場面で、既にチャンピオンにはもうなれないライダーがそこに割って入る意味、リスクが何処にあるのか・・・。
前戦、サンマリノ・ミザノでのワールドカード参戦ペドロサの、正に「自身の置かれた立場」に依るレース運びを観れば、この二人の
レーサーとして、いやっ人間性の差がよく分かる。
スプリントレースにおいて前を走るバニャイアに0.19秒まで迫るペドロサ。
翌日の決勝レースでもバニャイアに迫るペドロサ。
もしここがサンマリノ・ミザノでなければ彼はバニャイアを抜いて3位表彰台を獲得していたかも知れない。
ここでペドロサの頭の中には、何度もここを走り優勝経験まである熟知したミザノは抜きところが無いということ。
ストレートで前を行くドゥカティ機を抜くことは至難の業で、抜けるとしたらタイトなコーナーでブレーキングで横並びになり
お互い、折り重なるような抜き方しかないというリスク。増してやここはサンマリノ・イタリア。
相手はドゥカティで、イタリア人であるバニャイア。それも手負いの只今、チャンピオンシップの先頭を走るライダー。
ここで無理をして接触、転倒でもしたらとんでもないことになるとペドロサは思った筈。自身はレギュラーライダーではなく
テストライダーであること。今回のレースもあくまでも新型フレームの実走テストを兼ねたものであること。色々と頭の中を過り
3位表彰台より、標的でもあるドゥカティ機の挙動を観察しながらの完走を目指すことを選ぶ。
因みに、ペドロサの後ろを走っていたKTMレギュラーライダーのビンダーは「後ろから観ていると彼は80%ぐらいの走りに観えた」
とレース後に語っている。
しかし、ペドロサにも苦い経験がある。125ccでチャンピオンを獲り続く250ccでも2年連続チャンピオンを獲りGPで3年連続のチャンピオン。
最高峰クラスに上がった年の2006年も数戦で優勝を飾るもロッシとチャンピオン争いをしていたチームメイトのヘイデンと、最終戦前の
ポルトガルGPにおいてチームメート同士で接触してしまう。その後は運よく最終戦でロッシがリタイアし、ヘイデンがチャンピオンを
獲得しているが、そのことが彼にとってはその後のレース人生において少なからず影響を及ぼしていると言われる。
以前、レプソル・ホンダ時代にチームメイトであったペドロサとマルケス。ペドロサは自身のデーターをチームのためにマルケスと共有していたにも
関わらず、マルケスは嘘のデーターをペドロサに伝えていた話は今でも有名である。
今後のマルケスに「希望」はあるのか将又、「災い」が又、訪れるのか・・・。
では最後に古代ギリシャ神話で、様々な災厄が飛び出したとされるパンドラの箱に残された「希望」あるいは「災い」の
兆候を意味する「エルピス」を題材としたTVドラマのメインテーマをお送りしてお別れです。