カメラとともに自然を友に

多摩丘陵の自然を写し撮った写真を中心にしつつ、日々の暮らしのなかで目に触れたものを記録してゆきます。

神奈川県立音楽堂

2023-10-27 | 音楽
先日、神奈川県立音楽堂にコンサートを聴きに出かけた。この音楽堂は1954年竣工の建築で、公立の本格的な音楽専用ホールとしては、日本最古なのだという。私と同じくらいの年齢になるので、なんとなく親近感を覚える。前川國男氏による設計で日本建築学会賞を受賞している。そして2021年には県指定重要文化財に指定された。このホールには40年以上も前に一度行ったことがあるが、それ以来出かけたのは初めて。なにしろ、昔の話なのでそのときの記憶はほとんどなく、覚えているのは座席が窮屈だったことくらいだ。
県立音楽堂。


少し早めに着いたので、周りを少し歩くと横浜能楽堂があった。


そして、その周辺は掃部山公園になっていて、井伊直弼の銅像が立っていた。


音楽堂の中はすべて木材でできているようで、音響がよいことで知られている。座席の窮屈さは昔のままで190cmクラスの長身の人だと前の座席に膝が当たってしまいそうなほど。最近のホールと比べるとなんとも地味で素っ気ないと感じるのは私だけだろうか。


帰りに紅葉坂から。そびえるランドマークタワー。


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上野・奏楽堂

2023-08-28 | 音楽
旧東京音楽学校奏楽堂では、時々コンサートが行われているとは知っていましたが、先日初めて聴きに出かけました。
この奏楽堂の外観は以前にこのブログでも掲載していますが、内部を見るのは初めて。1890年の建造ということで、内部も実に趣があります。


天井のシャンデリア。


天井を支える木組みもいい味を出しています。


座席数は300余りと広すぎず、落ち着いた雰囲気でした。
当日のプログラムはすべてピアノ曲で芸大の院生7名による演奏。バッハから現代音楽(尾高尚忠)まで。尾高尚忠の曲を聴くのは初めてでしたが、ドヴュッシーとラヴェルが混ざったような感じで、現代音楽と言っても聴きやすいものでした。
ただし、やむを得ないことですが、ホールの音響はあまりよくないようで、ピアノ本来の音色は難しい感じ。
チェンバロのコンサートもあり、こちらの方が音響の悪さが目立たないかもしれません。

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新しいアンプ

2017-04-01 | 音楽
 昨日は新しいアンプが我が家にやってきた。型名はアキュフェーズE-360というもので現行品のひとつ前のモデル。これまで使っていたのはラックスマンのもので20年以上も使っていた。このアンプの音が気に入らなかったわけではなく、壊れてしまったのでもないが、唯一困っていたのは音量の調整が段階的にしか変わらなくて、その段差が大きいのでちょうどよい音量で聴けないことが多いことが悩みの種だった。
 アキュフェーズとラックスマンといえば日本を代表するオーディオ専門メーカーだが、アキュフェーズのアンプはまだもったことがなく、一度は聴いてみたいものだという気持ちが強くなり、上に挙げた不満も解消できるというわけで購入に踏み切った次第。当初はラックスマンを下取りにだすつもりだったが、長年使っていたので愛着もあり、手元に残しておくことにした。
 早速ケーブルを接続して聴いた印象は店で試聴させてもらった現行モデルのE-370の印象とあまり変わらず、好印象で安心した。ラックスマンの音が楷書だとするとアキュフェーズの方は草書という印象。アキュフェーズの方が明るく伸びやか、柔軟な感じである。音楽のニュアンスを伝える表現力も高いと感じる。クラスでいうと実はラックスマンの方がひとつ上のクラスのモデルだが、遜色ないどころかアキュフェーズの方が上回っていると感じられるのは、この20数年間の技術の進歩によるものなのだろうか。技術的なことはさっぱりわからないが・・・。
 昨夜聴いたのはバッハのヴァイオリンとチェンバロのためのソナタの第1番を寺神戸亮のヴァイオリンで、モーツァルトの最後のピアノ協奏曲をピレシュのピアノで、最後はシューベルトのピアノ・ソナタD958をブレンデルの演奏のもので。特にバッハとシューベルトのCDで好印象をもったが、まだ短時間聴いたにすぎないから、今後ラックスマンの優れた部分も再発見できるかもしれない。
 写真は先月28日に多摩川台公園から撮影したもので前日は雨だったが、丹沢山塊は雪で白くなっていた。
 

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東京芸術劇場

2015-12-26 | 音楽
 東京芸術劇場に入るのも中央大学管弦楽団の演奏を聴くのも初めてで、それにこの日のメインの曲目となるベルリオーズの「幻想交響曲」を生で聴くのも初めてと初めてづくし。
 この劇場ができたのは1990年とのことで今年は調度25年目。
 
 コンサートホールは5階部分にあって長いエスカレーターかエレベーターで上がってゆきます。5階から1階部分を見下ろしたところ。
 
 コンサートホール前のホワイエ。天井には3つのドームがあって、鮮やかな色彩の絹谷幸二氏の絵が描かれています。
 
 創部60年になるのだそうですが、中央大学管弦楽団の演奏は学生のオーケストラとしてレヴェルが高いと感じました。CDで聴いていると楽器編成のことはあまり考えずに聴いていますが、生だと「幻想交響曲」の場合、ハープも大太鼓も2つずつ、コントラバスが10本と大編成で舞台を埋めています。ティンパニは奏者が4人いて4つの太鼓をそれぞれ打つなど奏法も特殊。特にこの曲では大音量で聴かないと真価がわからない部類の音楽なのでオーケストラの華やかな響きを堪能しました。
 ベルリオーズは1803年生まれとシューベルトとは6歳しか違いませんが、管弦楽法は大きく異なっていてまるで違う響きが生まれており、ほぼ同時代ながらこうまで違うのかと感じます。

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ポリーニ、ティーレマンでブラームスを聴く

2015-09-23 | 音楽
 ポリーニのピアノ、指揮がティーレマン、オーケストラはシュターツカペレ・ドレスデンという組み合わせで2011年6月に行われた演奏会のDVDを視聴。曲目はブラームスのピアノ協奏曲第1番、会場はドレスデンのゼンパーオーパー。同じ組み合わせによる同第2番のCDは持っていますが、第1番の方はアバドと協演したものしか持っていません。このDVDは2,3年前にNHK・BSで放映された際に録画したものですが、当時はブルーレイを持っていなかったのでDVDに録画した次第。今回聴いてみると先日聴いたブルーレイに録画したブレンデルのピアノによるベートーヴェンのピアノ協奏曲第3番より音質が落ちる感じです。そういえばブルーレイはDVDより画質がよいだけでなく音質もよいのだったかと思い、ネットで調べたところやはり画質のみならず音質もよいとの説明がありました。
 演奏はブラームスらしく重厚な響きのオーケストラとポリーニの熱気あふれるピアノが渾然一体となった感動的なもの。終演後の聴衆の拍手喝采もうなずけます。それに会場の彫刻や天井画などの内装も雰囲気を盛り上げてくれます。ドレスデンには一度行ったことがありますが、ゼンパーオーパーはその重厚な外観を少し見ただけ。映像からは内部は風格とともに少し華やかさも感じられるもので、やはり一度この会場で聴いてみたいものだという思いを禁じえません。
 写真は日没迫るゼンパーオーパー。
 
 

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AVアンプで視聴する

2015-09-18 | 音楽
 ブラウン管TVの頃はオーディオ用のアンプ、スピーカーと接続し、音楽番組を視聴する際はこれで聴いていましたが、2年前に液晶TVに換えてからはオーディオ用のアンプに接続できないので、液晶TVの音声で視聴するしかありませんでした。最近はクラシック音楽をTVで放映することが少なくなってきたので仕方がないと諦めていましたが、それでもたまには名演奏家のコンサートの模様が放映されることもあり、録画はしていたのでした。しかし、再生してみるとあまりの音の貧弱さに途中で止めてしまうことがしばしば。
 そこで今般デジタル音声出力のAVアンプを接続して楽しむことにしました。スピーカーは以前オーディオ用に使っていたもので、今はサブシステムとして使っているものを流用。AVアンプはピンからキリまでありますが、物は試しということで入門クラスのものとしました。
 接続して最初に聴いたのは広島響の「平和の夕べ」と題されたサントリー・ホールでのコンサートの録画で、まずは秋山和慶指揮の「エグモント序曲」、続いてアルゲリッチのピアノでベートーヴェンのピアノ協奏曲第1番。音質は当然と言えば当然ですが、入門クラスのAVアンプとは言え液晶TVの音とは次元の違う音で、オーケストラの厚みのある響きとピアノの高音域の輝きや低音域の力強い音を伝えてくれて音楽の視聴に十分なものでした。もちろん、CDの音質と比べると響きの繊細さや柔軟さは不足していますが、映像とともに音楽を楽しむという目的からするとそうしたことはそれほど気になりません。その後、2005年のルツェルン音楽祭でのコンサートからブレンデルのピアノ、アバドの指揮によるベートーヴェンのピアノ協奏曲第3番(今年1月にNHK・BSで放映されたものを録画)を視聴しましたが、アバドはすでに亡くなり、ブレンデルは引退してしまって、今では演奏する姿を見ることができない二人の協演を迫力ある音とともに堪能しました。
 今回の経験からすると入門クラスのものでもそれなりに楽しめるようですから、音楽好きで液晶TVの音声で視聴されていて音質に不満を感じている方は、一度検討されてはいかがでしょうか。
 写真は鶴見駅近くの神社で、おそらく神輿が保管されていると思われる蔵。扉に描かれた鶴の紋がかわいい。
 

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バッハ/ブランデンブルク協奏曲

2015-09-08 | 音楽
 ここ数日間の間にブランデンブルク協奏曲全6曲をムジカ・アンティカ・ケルン盤で聴きましたが、実に生き生きとした演奏である上に音質もよいのでバッハの音楽を気持ちよく楽しめました。今日は朝からずっと雨で出かけられないので、他の演奏でも聴いてみようと思いグスタフ・レオンハルト盤で第5番をかけてみると1976年録音のわりには音質がよくない上に音楽にあまり躍動感が感じられず、期待外れ。そういえばこのCDは買ってからあまりかけることがありませんでしたが、久しぶりに今回聴いてみて納得というところ。この演奏は古楽器によるものですが、演奏の大きなスタイルとしてはカール・リヒターの流れという感じです。普段はこうした聴き方はしませんが、レコードの時代からずっと聴いてきたリヒター盤も続けて聴いてみました(レコードもまだ持っていますが、かけたのはCDの方)。リヒターのみ現代楽器による演奏です。やはり、かつてこの曲の名盤の名を欲しいままにした演奏だけに緊張感に満ちた峻厳なバッハ像を描き出しています。この3つの中では録音が最も古い(1967年)にも関わらずレオンハルト盤との差はあまり感じません。ちなみにムジカ・アンティカ・ケルン盤は1986年録音とほぼ10年ずつの隔たりがあります。ムジカ・アンティカ・ケルンの演奏は当時として、最新のバッハ研究に基づく演奏だったものでバッハから多彩な表情を引き出したものと評価されたと記憶していますが、当のバッハ本人がこの3つの演奏を聴いたらどう思うでしょうか。
 作曲家自身がどう聴くかということでは、先日聴いたクレメル、アルゲリッチによるベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ「春」で、アルゲリッチのピアノが素晴らしくダイナミックで表現力が豊かだったのにはもちろん感心したのですが、ベートーヴェンの時代にはまだこんなに高性能のピアノはなかったので、ベートーヴェン本人が聴いたら飛び上がってびっくりするだろうと思ったものでした。音楽では作曲家が書いた楽譜は建築でいえば設計図のようなものなので、誰かが演奏して初めて完成するという芸術で、他の芸術と比較してみると独特のものですね。
 写真は野毛山動物園でのもの。ペンタックスK-5に18~135㎜で撮影。これもズーム比7,5倍の高倍率ズームレンズで、写真のように望遠側の描写は良いのですが広角側で周辺部の像が流れるのが欠点。
 

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成城大学で演奏会を聴く

2013-12-23 | 音楽
  昨日は成城大学レストロアルモニコ管弦楽団の定期演奏会を聴いてきた。プログラムのメインはフランクの交響曲ニ短調でこの曲のCDは持っていないので随分久しぶりに聴いたが、演奏が始まるとフレーズが思い出されてきた。フランクはベルギー生まれということだが、その音楽はというとドイツ風の味わいになっていたと記憶していたが、今回改めて聴いてこれはシューマンにメンデルゾーンを少し足したような音楽だなと思った。
 演奏会が終わって外に出ると夕闇が迫っていて、イルミネーションが美しかった。
 
 このところ何枚か買ったCDではウィリアム・クリスティが指揮したモーツァルトのレクィエムが想像以上によかった。このCDにはアヴェ・ヴェルム・コルプスも入っていて実はこの曲が聴きたくて買ったのだが、オリジナル楽器による演奏ということもこのCDを選んだ理由のひとつだった。これまでレクィエムはベーム盤で聴いていてこれもよい演奏なのだが、クリスティの演奏は早めのテンポをとっていて、ダイナミックで緊張感に溢れた表現になっている。1994年の録音なので音質も大変良い。
 同じ日にフリードリッヒ・グルダが演奏したシューベルトの即興曲と楽興の時などが収められたCDも買ったが、これもシューベルトのデモーニッシュな部分が深淵からえぐり取るように捉えられていて感動的な演奏になっていた。1999年の録音でグルダが亡くなる前年の録音だが、それにしてはペダルを踏む音だろうか、ドスドスという音が聞こえてくるのが気になるのだが、ライナーノートによると自宅のスタジオでの録音ということなのでそのためなのかもしれない。

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ピアノ・リサイタル

2013-09-25 | 音楽
 21日、蒲田のアプリコホールに仲道郁代さんのリサイタルを聴きに行ってきた。会場はほとんど満席の状態だった。オール・ベートーベン・プログラムで青年期から晩年までの作品が選ばれている。「悲愴」、「月光」が青年期、「告別」が中期、最後に演奏された作品111が晩年の作品で作曲された順に演奏された。こうして作曲年代順に聴いてみると改めて後期にゆくに従って内容に深みが加わってゆくのが如実にわかる。作品111はベートーベン最後のピアノ・ソナタになるが、中期の「告別」と比べても飛躍的に内容の深化を見せているように思う。バッハの平均律と並んで鍵盤音楽の頂点を成すものと言えるのではないか。
 演奏も作品の真価を伝える充実したものだったが、演奏があと数秒で終わろうとするときにホール中に響きわたる大きなくしゃみがあって、びっくりして心臓が止まる思い。それが唯一残念だった。生演奏ではつきもののことで、生理現象だから仕方がないのだが・・・。
 
 

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モノクロームでハンゲショウ

2013-07-15 | 音楽
 川崎も1週間以上猛暑が続いていて撮影に出かけるにも二の足を踏んでしまう。一向に雨も降らなかったが、昨日はやっと地面が濡れる程度ではあったが降って、これでいくらかは気温が下がった。
こう暑いと音楽とも距離ができてしまって聴くことが少なくなったが、昨晩はあまり暑苦しくない音楽を聴こうと思い、モーツァルトのヴァイオリン・ソナタから2曲、KV304と376それにクラリネット五重奏曲を聴いた。流れてくるメロディーが夏の蒸し暑い夜の一服の清涼剤となって、我ながらよい選曲をしたと思ったことだった。ヴァイオリン・ソナタはハスキルのピアノとグリュミオーのヴァイオリンというコンビによる演奏で、もう録音されてから半世紀以上もたっている歴史的名盤で聴いたが、21世紀の現代ではもう聴けないような気品が感じられる。1950年代の録音にしては音もきれい。
 写真は東高根森林公園でのもの。モノクロームだとカラーにはない艶めかしさが現れたように思う。

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