私は家ではテレビをみない生活をしていますが、仕事上必要なので、主に非常災害のときの情報収集用に1台もっています。普段は納戸にしまってありますが、たまに引っ張り出してみることがあります。
9日から11日にかけて連続放送されたNHKスペシャル「日本海軍400時間の証言」の初日。実は他の番組とまちがえて、みはじめました。最初は、あれ、おかしいなと思いながら、やがてまちがえたことに気づき、だんだん引き込まれていきました。
ひじょうに興味深かったので、結局3晩ともみてしまいました。
ご覧になったかたも多いと思いますが、念のために各回のタイトルを記すと――
(1)開戦 海軍あって国家なし
(2)特攻 やましき沈黙
(3)戦犯裁判 第二の戦争
戦時下、天皇の統帥権の補助機関としてつくられた「軍令部」に所属したエリート軍人たちが、昭和55年から11年間にわたって会合を重ね、当時を検証した「海軍反省会」。その膨大な録音テープの解析がこの番組の骨子です。
おそらくジグザグコースをたどったであろう400時間の議論から、番組制作スタッフがなにを見出して、視聴者に伝えようとしたのか。それは「当時の問題は今も変わっていない」ということのようです。
開戦を目指す「小僧」たち(証言者の言葉。少佐、中佐あたりを指しています)が、決裁印を押さない上司をとびこえて、総長(軍令部トップ)の決裁をとる姿。
また、戦況悪化で手詰まり状態に陥った軍令部が、禁じ手の特攻になだれ込み、それにたいして疑問をもちながらも、流れには逆らえなかった「やましき沈黙」。
戦後、戦犯裁判がはじまったときに、捕虜虐待の戦争責任からトップ(海軍大将)を守るために、現場の指揮官に全責任をおしつけた組織の論理。
証言者の一人はいいます、「海軍にも悪い奴がいてね」。悪い奴ってなんだろうと思ったら、戦後のある日、その証言者が、戦犯として処刑された戦友の遺族を訪ねたところ、弔いを拒否されたとのこと。「『あんたの旦那さんは組織を守るために責任をとらされた』といった奴がいたんだ」。それが「悪い奴」――。
この放送をうけて、世間ではまたまた大声で「偏向番組」という人が出てくるかもしれません。憂鬱なことです。
9日から11日にかけて連続放送されたNHKスペシャル「日本海軍400時間の証言」の初日。実は他の番組とまちがえて、みはじめました。最初は、あれ、おかしいなと思いながら、やがてまちがえたことに気づき、だんだん引き込まれていきました。
ひじょうに興味深かったので、結局3晩ともみてしまいました。
ご覧になったかたも多いと思いますが、念のために各回のタイトルを記すと――
(1)開戦 海軍あって国家なし
(2)特攻 やましき沈黙
(3)戦犯裁判 第二の戦争
戦時下、天皇の統帥権の補助機関としてつくられた「軍令部」に所属したエリート軍人たちが、昭和55年から11年間にわたって会合を重ね、当時を検証した「海軍反省会」。その膨大な録音テープの解析がこの番組の骨子です。
おそらくジグザグコースをたどったであろう400時間の議論から、番組制作スタッフがなにを見出して、視聴者に伝えようとしたのか。それは「当時の問題は今も変わっていない」ということのようです。
開戦を目指す「小僧」たち(証言者の言葉。少佐、中佐あたりを指しています)が、決裁印を押さない上司をとびこえて、総長(軍令部トップ)の決裁をとる姿。
また、戦況悪化で手詰まり状態に陥った軍令部が、禁じ手の特攻になだれ込み、それにたいして疑問をもちながらも、流れには逆らえなかった「やましき沈黙」。
戦後、戦犯裁判がはじまったときに、捕虜虐待の戦争責任からトップ(海軍大将)を守るために、現場の指揮官に全責任をおしつけた組織の論理。
証言者の一人はいいます、「海軍にも悪い奴がいてね」。悪い奴ってなんだろうと思ったら、戦後のある日、その証言者が、戦犯として処刑された戦友の遺族を訪ねたところ、弔いを拒否されたとのこと。「『あんたの旦那さんは組織を守るために責任をとらされた』といった奴がいたんだ」。それが「悪い奴」――。
この放送をうけて、世間ではまたまた大声で「偏向番組」という人が出てくるかもしれません。憂鬱なことです。