わたしは東京シティ・フィルの定期会員なので、そのためだろう、同フィルから暑中お見舞いの葉書が来た。そこに楽員から「今度マルタンの珍しい曲をやります」と書き添えられていた。他愛ないもので、行ってみる気になった。
プログラムはマルタンの「7つの管楽器とティンパニ、打楽器と弦楽のための協奏曲」とマーラーの交響曲第4番。指揮は高関健。シティ・フィルは、高関体制になってから、プログラムが多彩になった。これもその一環。
マルタンの「7つの管楽器と‥」の管楽器は、フルート、オーボエ、クラリネット、ファゴット、ホルン、トランペット、トロンボーン。それにティンパニが独奏楽器として加わる。木管、金管、打楽器の各セクションが独奏楽器として扱われるわけで、複数の独奏楽器を持つ協奏曲と、オーケストラのための協奏曲との中間を行くような曲だ。
独奏者はシティ・フィルの首席奏者たち。皆さん闊達でうまい。同フィルはこの数年間で世代交代が進み、優秀な若手奏者が入ってきた。その人たちの妙技を楽しめた。曲も各独奏楽器にそれぞれソロを用意している(サービス精神満点の曲だ)。それを聴きながら、今シティ・フィルは、黄金期とまではいわないが、充実期に入っていると感じた。
同フィルのツィッターを読んでみたら、2004年6月の定期でも演奏したことがあり、今回はそれ以来、と書いてあった。えっと思って日記をひっくり返したら、たしかに聴いていた。矢崎彦太郎の指揮で、前半がマルタン2曲、後半が新実徳英2曲。新実作品は鮮明に覚えているが、マルタンのほうは忘れていた。
今回は当時とは独奏者が一新しているはずだ。今回は忘れないだろうと、自分にいってみるが、さて、どうだろう。
マーラーの交響曲第4番も名演だった。意外なくらいにテンポを動かして、あっさりした演奏とは対照的な、部分々々を噛みしめるような、要所々々に情熱を込めるような演奏だった。高関健はプレトークで、メンゲルベルクが「マーラーはこういった」と書き込みをしたスコアを読んだといっていたが、その余韻があったのかと、素人考えながら思った。その演奏が新鮮だった。
管は基本的に3管編成だが、弦は12-10-8-8-6の編成だった。このバランスが絶妙だった。管は2番奏者、3番奏者の音まで聴こえ、また弦もよく鳴って、物足りなさがなかった。
(2018.7.28.ティアラこうとう)
(追記)ソプラノ独唱は幸田浩子。昔のような声の伸びがなかった。
プログラムはマルタンの「7つの管楽器とティンパニ、打楽器と弦楽のための協奏曲」とマーラーの交響曲第4番。指揮は高関健。シティ・フィルは、高関体制になってから、プログラムが多彩になった。これもその一環。
マルタンの「7つの管楽器と‥」の管楽器は、フルート、オーボエ、クラリネット、ファゴット、ホルン、トランペット、トロンボーン。それにティンパニが独奏楽器として加わる。木管、金管、打楽器の各セクションが独奏楽器として扱われるわけで、複数の独奏楽器を持つ協奏曲と、オーケストラのための協奏曲との中間を行くような曲だ。
独奏者はシティ・フィルの首席奏者たち。皆さん闊達でうまい。同フィルはこの数年間で世代交代が進み、優秀な若手奏者が入ってきた。その人たちの妙技を楽しめた。曲も各独奏楽器にそれぞれソロを用意している(サービス精神満点の曲だ)。それを聴きながら、今シティ・フィルは、黄金期とまではいわないが、充実期に入っていると感じた。
同フィルのツィッターを読んでみたら、2004年6月の定期でも演奏したことがあり、今回はそれ以来、と書いてあった。えっと思って日記をひっくり返したら、たしかに聴いていた。矢崎彦太郎の指揮で、前半がマルタン2曲、後半が新実徳英2曲。新実作品は鮮明に覚えているが、マルタンのほうは忘れていた。
今回は当時とは独奏者が一新しているはずだ。今回は忘れないだろうと、自分にいってみるが、さて、どうだろう。
マーラーの交響曲第4番も名演だった。意外なくらいにテンポを動かして、あっさりした演奏とは対照的な、部分々々を噛みしめるような、要所々々に情熱を込めるような演奏だった。高関健はプレトークで、メンゲルベルクが「マーラーはこういった」と書き込みをしたスコアを読んだといっていたが、その余韻があったのかと、素人考えながら思った。その演奏が新鮮だった。
管は基本的に3管編成だが、弦は12-10-8-8-6の編成だった。このバランスが絶妙だった。管は2番奏者、3番奏者の音まで聴こえ、また弦もよく鳴って、物足りなさがなかった。
(2018.7.28.ティアラこうとう)
(追記)ソプラノ独唱は幸田浩子。昔のような声の伸びがなかった。