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平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

名探偵コナン コナン対怪盗キッド

2006年05月01日 | コミック・アニメ・特撮
 名探偵コナン「コナンVS怪盗キッド」

 事件は船上での黒真珠の強奪。
 怪盗キッドは犯罪の芸術家。
 探偵を後から理屈をこね回して犯罪を批評する「批評家」と揶揄する。

 さてこの怪盗キッドの予告に対して、警察は船上のパーティ招待客に本物とそっくりの黒真珠を着けさせる。
 キッドはどうやって真珠を強奪するか?
 キッドはパーティ招待客を混乱させ、混乱に乗じて真珠を盗もうとする。

 混乱の第一は予告状。
 余興の手品のカードの裏に「キッド参上」の予告状を忍ばせる。
 カードを引く毛利蘭。
 そのカードには予告状。
 ざわつく会場。

 次に蘭が胸に着けた黒真珠が落ち、それが小さな爆発をする。
 客たちは恐怖で黒真珠を外し、小爆発。
 会場は混乱。
 その間にキッドは本物の黒真珠を着けた夫人を解放するふりをして黒真珠を盗み出す。

 さて、これをコナンくんはどう解決するか?(以下、ネタバレ)

 まず、予告状のカードをすり替えたのは誰か?
 カードに触れたのは手品師。
 鳩を見せて、客の目が鳩に行った隙を見て、カードをすり替えるのが手品師の手品のネタだが、混乱が起こった時、手品師は夫人に近づいていない。
 そうすると……。

 次に夫人が黒真珠を持っていることを知っていた人物は誰か?
 黒真珠は酸に弱い。
 だから手袋をはめて扱うのが普通だ。
 そんなデリケートな物を他人に預けるわけがない。
 つまり黒真珠は持ち主である鈴木夫人が持っていた。
 現に鈴木夫人の黒真珠の光沢は他の物より鈍かったし。(真珠は年月が経つと光沢が鈍くなる)
 そうすると爆弾事件の時に夫人に近づいた人物がキッドになる。
 それは……。

 キッドは蘭に変装していた。
 
 コナンは犯人を追いかけようと言って蘭を誘い出し、船底で目の前の蘭がキッドであることを告げる。
 追いつめられるキッド。

 ここでキッドがどう逃げるかが面白い。
 キッドは言う。
 今、自分が蘭のドレスを着ているため、蘭は風邪を引いてしまうだろう。
 ということは、今、蘭はハダカ?
 コナンの蘭への気持ちを利用した揺さぶりだ。
 コナンの動揺を見て、逃亡するキッド。

 コナンの魅力のひとつは、毛利蘭との関係にある。
 コナンは蘭が好き。(否定はしているが)
 蘭が危機に陥ると平静を失う。
 この弱点がコナンの魅力である。
 人を好きだという恋愛感情が弱点になるなんてキャラはすごく素敵だ。
 普段、蘭に対して悪態をついているだけ、蘭への思いが行動で垣間見られるとグッと来る。

★研究ポイント
 時折垣間見せる恋愛感情。

★キャラクター研究:コナン
 頭脳明晰、でも恋愛感情が弱点。
 
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功名が辻 新しきいのち

2006年05月01日 | 大河ドラマ・時代劇
 「功名が辻」第17回では女性のエピソード、男性のエピソードの2本立てで描かかれた。

 まず女性のエピソード。
 もちろん千代(仲間由紀恵)の出産だ。
 ここでは「喜び」と「不安」のふたつの感情が描かれる。
 子供が出来て千代が嬉しいのは当然として、法秀尼(佐久間良子)や市之丞の妻きぬ(多岐川裕美)も嬉しい。
 幼い頃から我が子同然で千代を見てきたふたり、その喜びはひとしおであろう。
 きぬには子供が出来なかったから尚更だ。
 だが、同時に「不安」描かれる。
 乱世。
 子供が男であればいくさに行って命を落とすこともあり、女であれば調略に使われるかもしれない。
 通常なら喜びだけを描く所を不安まで描き、ドラマに深味が出た。

 生まれた子が「男」か「女」かでは、一豊(上川隆也)、六平太(香川照之)の反応が違った。
 一豊は男の子を欲しがっている(というより男の子だと思っている)。
 名前も男の子の名(秀豊丸)だけ考えている。
 一方、六平太は女の子がいいと思っている。
 女の子ならいくさに行かなくていいから。それで千代が苦しまなくていいから。
 背負っているものが違うとはいえ、一豊は「自分の立場」、六平太は「千代の立場」で物を言っている。
 愛情の深さで言えば、六平太の勝ち。
 六平太と話をしている時に千代は産気づいたし。(千代にとって六平太は安心できる男?)
 この三角関係、どうなるのか?

 そして出産。
 子供が生まれた千代は、母の視点で物が言えるようになった。
 副田甚兵衛(野口五郎)と祝言をあげた旭(松本明子)。
 旭は運命に翻弄され、自分を失っている。
 抜け殻のように空を見つめる毎日。
 千代は「泣きたい時に泣き、笑いたい時に笑う」わがままな子供を例に出して旭に言う。
 「乱世に生きている者は誰でもつらい。だから泣けばいい。怒ればいい。赤子の様に。そうすれば、きっと楽になる」
 旭には感情の発露が必要だった。
 感情の発露は自分自身であるために必要であること。
 旭は間接的に前夫を死に至らしめた千代の頬を叩き、礼儀にこだわる寧々(浅野ゆう子)への不満を漏らし、堰を切ったように泣く。

 そして男性のエピソード。
 ここでは極めて政治的戦略的なことが描かれる。
 
 まずは上杉の上洛。
 竹中半兵衛(筒井道隆)は状況をこう読む。
 「毛利攻略には10年かかる。武田の力が弱まって上杉が北陸に兵を進める」
 迎え撃つのは柴田勝家(勝野洋)。
 「しかし、殿は柴田様に加勢してはなりません」
 上杉を北陸ではなく近江に引きずり込んで迎え撃つというのが、半兵衛の策だ。

 そして男性エピソードの2番目として、信長についての君主論が描かれる。
 明智光秀(坂東三津五郎)は言う。
 「殿には迷いがない。人の上に立つ者は迷いがあってはならない」
 足利幕府の崩壊、比叡山焼き討ちなどは、信長に迷いがなかったからできたと光秀は言うのだ。
 それに対して千代。
 「迷いがあるから人ではありませんか?迷いがあるから人の情があるのではありませんか?」
 また、濃(和久井映見)は信長(舘ひろし)に言う。
 「人の心をお忘れになってはいけません。人の心を失えば敵は湧いて参ります」
 しかし、信長は人の忠告をきかないようになっていた。
 今川、武田に怯えていた信長の姿はすでになく、「わしは不死身だ」と言う。

 「上杉の上洛」「信長」。
 このふたつのエピソードがぶつかり合って、次回の「秀吉謀反」のエピソードにつながる。
 信長は上杉上洛に関して、秀吉の策を聞きいれなかったのだ。

 ある出来事を様々な角度から描く。
 これでドラマに深味が出て来る。

 出産に関する「喜び」と「不安」しかり。
 生まれた子に関する「一豊」と「六平太」のリアクションしかり。
 信長に対する「光秀」「濃」しかり。

 そして「男性」「女性」、それぞれの視点。
 この作品は物事を「男性」「女性」の視点で描いた作品である。
 今後は「男性」「女性」の対立がより濃厚になってくるだろう。

★研究ポイント
 ドラマの作り方:出来事を様々な角度から描く。これでドラマに深味が出て来る。 

★キャラクター研究:羽柴秀吉
 副田を旭の婿にする時、秀吉は飴とムチで説得する。
 「旭との婚礼は上意じゃ!上意を聞けないのなら腹を切れ!」
 しかし、次にこう言って涙を流す。
 「と言いたいところじゃが、旭は不幸なおなごなんじゃ幸せにしてやってくれ」
 飴とムチを使い分ける。寧々は「人たらし」と言うが。
 これが上に立つ者。
 一方、旭の気持ちなどには無頓着。
 それはおなごのお前がやれと言って、寧々にふる。千代にふる。
 肝心なことは自分でしようとしない。
 これも上に立つ者。
 また、秀吉の大きな特徴は「演技力」。
 今回は副田と勝家に演技力で対応した。
 秀吉はわざと勝家を怒らせ、喧嘩を仕掛けて北陸を去る。
 (来週は「阿呆のふり」。秀吉はもっとそれが展開されるだろう。楽しみだ)

★名セリフ
 千代に子供が生まれて法秀尼
 「ご苦労でした。ようやりました」
 千代、小りんについて
 「拠って立つ所がなくても生きていけるおなごがいるのですね。私は信じる夫やいとしい子がいて、雨がしのげる屋根がなくては生きていけません」

★名シーン
 秀吉と勝家のやりとりも名シーンだが、その後の六平太も。
 近江に引き上げる準備をする秀吉軍。
 六平太は荷車に寝そべって今後どんなことが起こるかを考えている。
 千代を救うためには何をすればいいか考えている。
 六平太も拠って立つ所がなくても生きていける者。
 荷車の上で寝そべるという行為がその自由さを表現していた。

★ディティル
 千代の子の名は「よね」。
 一豊は「平凡な名」だと言うが、千代は「平凡であることが素晴らしい」と言う、

★追記
 この物語の対立軸はこう。
 「男性」と「女性」
 「組織人」と「自由人」
コメント (5)
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