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平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

富豪刑事DX 第4話

2006年05月16日 | 推理・サスペンスドラマ
 またまた刑事ドラマ論を。

 美和子(深田恭子)には「心の葛藤」がないんですね。
 それがいい所。
 例えば、「アンフェア」の雪平。彼女は自分に降りかかる状況にメチャクチャ悩んでいる。
 でも、美和子は「犯人を捕まえること」に一直線。自分は悩むことなく、何の葛藤もない。
 これは古畑任三郎や右京さんも同じ。
 彼ら犯人のトリックを見破り、犯人を追いつめることを楽しんでいる。
 彼らにある障害は自分の心ではなく、犯人の仕掛けたトリック。
 美和子の障害も今回の場合、「重田(秋本奈緒美)よりも当たる占い師になること」。
 この障害をクリアするために、宝くじを買い占め、あらゆる番号の要請に応えるため札束を部屋いっぱいに集める。売れない眼鏡デザイナーを有名デザイナーにする。
 視聴者はその突飛なアイデアを楽しむというのが、このドラマの仕掛けだ。
 この作品は「ドラマ」でなく「アイデア」を描く。
 これに豪華絢爛な料理やギャグの小ネタを織り交ぜて、人を楽しませている。
 実にドライな作品だ。

 この作品を見ている視聴者は恐らく美和子に感情移入しないだろう。
 いっしょに泣いたりドキドキしたりせずに、次にこの子はどんなことをしてくれるんだろうという目で見ている。

 これを良しとするか、物足りないとするかは見る者次第。
 個人的には僕は大好き。
「七人の女弁護士」のような主人公の中途半端な犯人への思い入れはいらないと思う。

 今後、刑事ドラマはどこに向かうのだろうか?

★研究ポイント
 ドラマの作り方:刑事ドラマ

★名セリフ
美和子
「どうしてこんなことを? 占いは迷っている人達に勇気を与えるもののはずでしょう。好きな人に愛を告白したり、諦めないで何かを頑張ろうと思ったり。それをお金儲けの道具に使うなんて、あなたは間違っています」
重田「あんたみたいなお人よしがいるから、私の商売安泰なの」
 ※テーマを語るラストの犯人とのやりとり。これがあるから作品が締まる。
 美和子はいつも疑問を発するのみで、その後、言われたことはスルー。
 言われて悩むことはない。
 これがこの作品のいいところ。

★名シーン
 今回は事件解決までのエピソードの持って生き方が見事。
 1.占い師・神戸美和子登場/宝くじが当たる。
   ここの占い師はすごいんですよ、と大騒ぎをする1億円が当たった人。
 2.美和子の占いに長蛇の列/お札の番号が一致する。
 3.テレビ取材/競馬の予想が当たる。
   サイン会で重田ではなく美和子に長蛇の列。美和子のグッズも大ヒット。
 4.重田とテレビで対決!
   美和子が勝利。
 5.重田が反撃。
  「全国の皆様、騙されてはいけません。彼女はVery no good! 私は彼女にのろいをかけました」
   美和子はバスで溺れ死ぬと予告。
 エピソードがどんどん大きくなって盛り上がっている。
 まさに「起承転結」の「承」のお手本。
 BUSとBATHのひねりも面白かった。

★追記
 美和子の捜査手法は「目には目を」方式が多くなってきた。
 第3話では「振り込め詐欺」を相手に仕掛けて、相手に痛みをわかってもらう。
 今回は自分が重田以上の人気占い師になって、重田の下で占いの実現を手伝っていた人間に告発させる。

★追記
 婦警コンビのサービスシーンはついにハダカ!?
 温泉で囚われた婦警はむしろにくるまれて発見された。
 今後が楽しみ。
温泉に入りたくて美和子の無料温泉チケットを盗み、巻き込まれてしまう所もいい。
コメント (2)
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