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平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

医龍 カルテ6

2006年05月19日 | 職業ドラマ
 ついに始まったバチスタ手術。
 ドラマは2転3転。
 心の葛藤もあって実に面白い。

「オンビートで行くぞ」
 人口心肺を装着しているにも関わらず、心臓を動かしたまま、手術を行おうとする朝田龍太郎(坂口憲二)。
 オペを受ける患者の体には優しい手術だが、手術は「100倍難しくなる」。
 野口(岸部一徳)いわく。
「どうして止めないの? 加藤ちゃん」
 しかし、朝田の手際はよく、他のチームスタッフもついてくる。
「速い」「予想以上の速さだ」
 鬼頭笙子(夏木マリ)は言う。
「あの僕ちゃんも何とか踏みこらえている」

 しかし、朝田がオンビートの手術を行ったのには、体に優しい以外に別の理由があった。
 変性部位を見つけ出すためだ。
 心臓の動きで問題の部位を判別する朝田ならではの方法。
 ここでまたまた鬼頭の解説。※実においしい役だ。
「医者には2種類の医者いる。教科書的に体を単体としてとらえる者、総合的にとらえる者」「関連している人体」「生々しい人体」
「心臓専門の加藤先生にはわからないことね」
 ※意味はよくわからないが、何となくスゴイというのはわかる。

 しかし、このまま手術がうまく行くわけではない。
 麻酔医、臨床工学士の技量が朝田の技量に追いつかないのだ。
 トイレに行く臨床工学士。
 助手が代わりを務めるが、ここで人口心肺にトラブル。
 助手は混乱。
 朝田は伊集院登(小池徹平)にフォローするように指示を出す。
 第2助手の伊集院がいなくなった穴は加藤晶(稲森いずみ)が務めることになる。
 伊集院は臨床工学士のフォローにまわるが、工学士はさらに混乱。
 伊集院が工学士の頬を叩いた。
「しっかりしろ! 君しかいないんだ」
 ※成長したね!伊集院君!

 これで何とか人口心肺も直って手術は成功。
 あとは閉胸のみとなるが、ここで新たな問題が発生。
 右冠動脈の閉塞が発見されたのだ。
 これは事前の検査では見つからなかった項目。
 このまま閉胸すれば、バチスタ手術は成功するが、患者はいずれ死んでしまう。
 ※これを見抜いた朝田先生エラい!

 朝田は引き続き、バイパス手術に取りかかる。
 しかし、バイパス手術には「グラフト採取」という作業が必要。
 伊集院は人口心肺に関わったため、再度手を洗浄しなければならない。
 それに要する時間は5分。
 このままでは患者が死んでしまうと考えた朝田は里原ミキ(水川あさみ)に「グラフト採取」を命じる。
 しかし、ミキは優秀だが看護士。
 「グラフト採取」は越権行為。
 行えば倫理委員会にかけられる。※ナースあおい!

 朝田にはそんなことは関係ない。
 「何があっても前に進む」
 ここで加藤の葛藤。
 命か?立場か?
 結局、加藤もミキの「グラフト採取」を認め、患者は助かる。

 しかし、問題は残った。
 ミキの越権行為だ。
 沈没する船から逃げていくようにスタッフは去っていくが、朝田は加藤を見て言う。
「まだ、諦めていない。あの女は。論文も患者も」
 加藤の打開案は、日本で初めてのバチスタ手術の栄誉だった。
 看護士の越権行為は緊急事態での正しい判断とし、野口教授は「バチスタ手術を成功させた担当教授」として栄誉を得る。
 マスコミが大騒ぎする中で大量の処分者を出すことはかえって問題。
 利を説く加藤に野口は言う。
「ネクタイは水玉でいいかな?」

 しかし、ドラマはさらに3転する。
 日本で初めてのバチスタ手術の栄誉が北日本大学の霧島軍司(北村一輝)によってなされるのだ。

★研究ポイント
 ドラマの作り方:2転3転するドラマ。

 主人公を次々と襲う困難を分析するとこうなる。
  1.まわりの人間が足を引っ張る。(力量不足、保身など)
  2.新たな事件・問題。(ひとつが解決しても次の事件・問題が起こる)
  3.葛藤・AかBかの選択。

 手術シーンは緊迫のドラマ。
 凝縮された時間の中に人の弱さ、生き様、生死が描かれる。
 これは他の職業でもあり得るはず。
 この様な緊迫したドラマを他の職業物でも見てみたい。

★名セリフ
 朝田が加藤、伊集院に
「この感覚を覚えておけ。これが変性部位だ」

 鬼頭がうろたえる教授陣に
「解説が欲しければ野球中継でも見てなさい」

 加藤、チームの動きを見て
「この男のリズムにみんなが飲み込まれている」

 看護師長がミキに
「これは個人的意見だけど、あなたがそこいらの医者よりずっとうまくグラフト採取をやってのけた時、少しすっとしたわ」
コメント (2)
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