遥生(中島裕翔)が求めているのは、母親だ。
しかし、嵐子(中森明菜)はバレエの指導者の顔しか見せない。
だから、いいお母さん・佳奈(黒木瞳)に心を開く。
遥生(中島裕翔)が求めているのは、父親だ。
だから、高太郎(古田新太)に心を開く。
バレエの指導で失われてしまった家族のふれあい。
遥生はそれを求めている。
土井バレエ教室を母親が潰そうという噂をきく遥生。
そんなことをする嵐子は母親でなく、経営者だ。
そんな嵐子の顔は見たくない。
遥生は自分のために戦ってくれる母親や父親を求めている。
銭湯に行ってラーメンを食べてきたことを非難する秘書の畠山(内藤剛志)。
高太郎は畠山に言う。
「銭湯に行ってラーメン食うのは悪いことか?!」
遥生は高太郎にこんなことも言われていた。
「母親を大事にしない男はダメだ」
母親を嫌い避けるばかりで、自分は母親に何も与えて来なかったことに気づく遥生。
今度の日曜日は母の日。
病院での慰問バレエに嵐子を招待しようと思う。
しかし、嵐子は母親でなく、バレエ指導者の顔を見せた。
「遊び半分のバレエ、お母さんは認めません」
遥生は落ち込む。
公演当日。
子供たちは公演を前にした母親にカーネーションを渡してる。
自分も用意しているものがある。
しかし、嵐子がいないから渡せない。
だが、今度は佳奈が戦ってくれた。
嵐子の所に行って慰問に来るように説得する。
「仕事忘れてお母さんやろうよ」
母親に戻った嵐子は仕事をキャンセルして遥生のもとに行く。
そして遥生から手渡される一輪のカーネーション(これは佳奈の娘から分けてもらったもの)と手紙。
手紙にはこう書かれている。
「いつまでも元気で長生きして下さい」
人には様々な顔がある。
「母親の顔」「職業人の顔」。
嵐子はバレエにひたむきであるが故に「母親の顔」を忘れ、遥生とどう接していいかわからないでいた。
遥生もまた、「バレエ指導者の顔」しか見せない嵐子にどう接していいかわからずにいた。
せつない親子関係。
だが、佳奈や高太郎に触れてふたりは少しずつ変わっていったようだ。
嵐子の死を前に今後どんなドラマが浮かれてくるか楽しみだ。
★研究ポイント
テーマ:現代の親子関係
母親・父親であるとはどういうことかがわからない親。
それに戸惑う子供。
★キャラクター研究:万田高太郎
口は悪くわがままだが、どこか憎めないお父さん。
娘たちは電話で平身低頭する父親を見て「営業マンってかっこ悪い」と感想を言うが、そんなことを言えるほど、どこかで通じ合っているのだろう。
佳奈も「お父さんはこういう人だから」と娘たちに説明している感じがうかがえる。
高太郎はともかくストレートで単純。
後先考えずに言いたいことを言う。
嵐子の秘書の畠山に嵐子に取り入るために遥生に近づいているんだろうと言われると「病院の慰問はこちらからお断りする!」ときっぱり言う。
実にかっこいい。
だが、後で後悔する。
「男の夢は銭湯の番台」
こうストレートに言える高太郎は裏表のない人。
バレエが楽しそうだと思えば、自分も始める。
以前は否定していたのに言ってることもくるくる変わる。
「本人は慰問のためにやっているだけだ」と言い訳しているが。
こういう人と暮らせたら楽しいだろう。
★名セリフ
匠先生
「スタジオで楽しく踊ることと人前で踊ることは違うんです」
★名シーン
1
佳奈のバレエに感化されてバレエを始める万田一家。
まず、娘がステップを真似して面白いと感じ、次に寝そべりながら見ていた高太郎が始める。
もうひとりの娘だけが「うちの家族いかれてる」とクールな所が楽しい。
人のリアクションは様々。
ここは家族全員が同じリアクションをしたら面白くない。
いずれにしても「いい家族」だと感じさせる名シーンだ。
2
夫婦喧嘩のシーンというのは面白い。
嵐子にバレエの慰問を頼んだ高太郎を佳奈は責める。
それに対して
高太郎「俺の仕事とおまえのバレエ、どっちが大切なんだ!」
佳奈「ノルマぐらい自分の力で達成して下さい」
娘「ママ、バレエ始めたら変わったね?」
高太郎も佳奈の迫力に圧倒されて
高太郎「普通のおばさんから怖いおばさんになったしね」
佳奈「今まで言えなかったことが言えるようになっただけよ!」
※がんばれ、高太郎!
3
秘書の畑山を追い返した高太郎に佳奈が前日ひどいことを言ったことを詫びる。
そして「お詫びにビール、もう1本!」と缶ビールを取りに行く。
この一家では夕食のビールは1本だと決められているのだろう。
そんなことが想像できるやりとり。
缶ビールで夫婦のきずなを描いた名シーン。
4
嵐子は土井 匠(小林十市)に遥生の指導方法について聞きに来る。
匠先生は言う。
「バレエは生きることそのものです」
人の心を打つバレエにはやはり人生がある。
人の心を打つバレエをするために演者は、人生の喜びや哀しみ、嫉妬、憎しみといった感情を知っていなければならない。
また、こうも言う。
「バレエはひとりでやるものではありません。様々な個性のダンサーがいて、嫉妬し合い、心をぶつけ合って、そこから友情や恋愛が生まれる」
個性的なダンサーの中で生きていくためには、人の間で揉まれて培われた人間力が必要。人としてのたくましさが必要。
バレリーナとして頂点を極めた嵐子、遥生の弱さを感じていた嵐子はそれら言葉を受け入れる。
「先生を信じて遥生を預けます」と言う。
しかし、嵐子(中森明菜)はバレエの指導者の顔しか見せない。
だから、いいお母さん・佳奈(黒木瞳)に心を開く。
遥生(中島裕翔)が求めているのは、父親だ。
だから、高太郎(古田新太)に心を開く。
バレエの指導で失われてしまった家族のふれあい。
遥生はそれを求めている。
土井バレエ教室を母親が潰そうという噂をきく遥生。
そんなことをする嵐子は母親でなく、経営者だ。
そんな嵐子の顔は見たくない。
遥生は自分のために戦ってくれる母親や父親を求めている。
銭湯に行ってラーメンを食べてきたことを非難する秘書の畠山(内藤剛志)。
高太郎は畠山に言う。
「銭湯に行ってラーメン食うのは悪いことか?!」
遥生は高太郎にこんなことも言われていた。
「母親を大事にしない男はダメだ」
母親を嫌い避けるばかりで、自分は母親に何も与えて来なかったことに気づく遥生。
今度の日曜日は母の日。
病院での慰問バレエに嵐子を招待しようと思う。
しかし、嵐子は母親でなく、バレエ指導者の顔を見せた。
「遊び半分のバレエ、お母さんは認めません」
遥生は落ち込む。
公演当日。
子供たちは公演を前にした母親にカーネーションを渡してる。
自分も用意しているものがある。
しかし、嵐子がいないから渡せない。
だが、今度は佳奈が戦ってくれた。
嵐子の所に行って慰問に来るように説得する。
「仕事忘れてお母さんやろうよ」
母親に戻った嵐子は仕事をキャンセルして遥生のもとに行く。
そして遥生から手渡される一輪のカーネーション(これは佳奈の娘から分けてもらったもの)と手紙。
手紙にはこう書かれている。
「いつまでも元気で長生きして下さい」
人には様々な顔がある。
「母親の顔」「職業人の顔」。
嵐子はバレエにひたむきであるが故に「母親の顔」を忘れ、遥生とどう接していいかわからないでいた。
遥生もまた、「バレエ指導者の顔」しか見せない嵐子にどう接していいかわからずにいた。
せつない親子関係。
だが、佳奈や高太郎に触れてふたりは少しずつ変わっていったようだ。
嵐子の死を前に今後どんなドラマが浮かれてくるか楽しみだ。
★研究ポイント
テーマ:現代の親子関係
母親・父親であるとはどういうことかがわからない親。
それに戸惑う子供。
★キャラクター研究:万田高太郎
口は悪くわがままだが、どこか憎めないお父さん。
娘たちは電話で平身低頭する父親を見て「営業マンってかっこ悪い」と感想を言うが、そんなことを言えるほど、どこかで通じ合っているのだろう。
佳奈も「お父さんはこういう人だから」と娘たちに説明している感じがうかがえる。
高太郎はともかくストレートで単純。
後先考えずに言いたいことを言う。
嵐子の秘書の畠山に嵐子に取り入るために遥生に近づいているんだろうと言われると「病院の慰問はこちらからお断りする!」ときっぱり言う。
実にかっこいい。
だが、後で後悔する。
「男の夢は銭湯の番台」
こうストレートに言える高太郎は裏表のない人。
バレエが楽しそうだと思えば、自分も始める。
以前は否定していたのに言ってることもくるくる変わる。
「本人は慰問のためにやっているだけだ」と言い訳しているが。
こういう人と暮らせたら楽しいだろう。
★名セリフ
匠先生
「スタジオで楽しく踊ることと人前で踊ることは違うんです」
★名シーン
1
佳奈のバレエに感化されてバレエを始める万田一家。
まず、娘がステップを真似して面白いと感じ、次に寝そべりながら見ていた高太郎が始める。
もうひとりの娘だけが「うちの家族いかれてる」とクールな所が楽しい。
人のリアクションは様々。
ここは家族全員が同じリアクションをしたら面白くない。
いずれにしても「いい家族」だと感じさせる名シーンだ。
2
夫婦喧嘩のシーンというのは面白い。
嵐子にバレエの慰問を頼んだ高太郎を佳奈は責める。
それに対して
高太郎「俺の仕事とおまえのバレエ、どっちが大切なんだ!」
佳奈「ノルマぐらい自分の力で達成して下さい」
娘「ママ、バレエ始めたら変わったね?」
高太郎も佳奈の迫力に圧倒されて
高太郎「普通のおばさんから怖いおばさんになったしね」
佳奈「今まで言えなかったことが言えるようになっただけよ!」
※がんばれ、高太郎!
3
秘書の畑山を追い返した高太郎に佳奈が前日ひどいことを言ったことを詫びる。
そして「お詫びにビール、もう1本!」と缶ビールを取りに行く。
この一家では夕食のビールは1本だと決められているのだろう。
そんなことが想像できるやりとり。
缶ビールで夫婦のきずなを描いた名シーン。
4
嵐子は土井 匠(小林十市)に遥生の指導方法について聞きに来る。
匠先生は言う。
「バレエは生きることそのものです」
人の心を打つバレエにはやはり人生がある。
人の心を打つバレエをするために演者は、人生の喜びや哀しみ、嫉妬、憎しみといった感情を知っていなければならない。
また、こうも言う。
「バレエはひとりでやるものではありません。様々な個性のダンサーがいて、嫉妬し合い、心をぶつけ合って、そこから友情や恋愛が生まれる」
個性的なダンサーの中で生きていくためには、人の間で揉まれて培われた人間力が必要。人としてのたくましさが必要。
バレリーナとして頂点を極めた嵐子、遥生の弱さを感じていた嵐子はそれら言葉を受け入れる。
「先生を信じて遥生を預けます」と言う。