「医龍」はキャラクターの見せ方が見事。
カルテ5では伊集院登(小池徹平)。
バチスタ手術のテストとして、冠動脈バイパス手術の第1助手となった伊集院。
最初は緊張しておぼつかないが、朝田龍太郎(坂口憲二)が抜擢しただけあって、やっと本来の力を発揮していく。
執刀医が作業しやすい様な心配り・気配り。
最後、患者の容態が悪くなった時には判断ミスをしてあわてたが、それは経験不足から来たもの。助手としては合格点だった。
この伊集院を様々な人間がコメントする。
鬼頭笙子(夏木マリ)は伊集院のことを使えると言い、逆に臨床工学士のことを「周りが見えていない」、麻酔医のことを「半拍ずつ遅れる」と評した。
また、執刀医だった加藤晶(稲森いずみ)は伊集院のことを「気が利く」「細かい仕事に向いている」と評した。
実際の行動を出来る人間・優れた医者が評価をする。
これにより伊集院のキャラクターが立った。
例えば、「あの人って仕事ができるんですよ」と言ったところで視聴者は納得しない。
肩書きも通用しない。
木原毅彦(池田鉄洋)は加藤に続くナンバー2の様だが、医者としての凄さは視聴者に伝わって来ない。
視聴者が気がつかないような何気ない行動(伊集院の場合はネットを添えたこと)を出来る人間がコメント・評価することで、キャラクターが立った。
それが加藤だけでなく鬼頭までもがコメントしたからキャラクターが立った。
キャラクターの魅力を表現するのに第3者を使って成功した例だ。
★研究ポイント
キャラクターの立て方:第3者に行動をコメントさせる。
第3者にコメントさせると言う点では、奈良橋文代(江波杏子)もそう。
このシナリオライターは、加藤の過去を語るのに文代を使った。
文代は加藤の過去を回想して言う。
「多くの医者は悲しくならないように患者に思い入れをするのをやめる。それが心を守るすべ。でもあなたはいつも真正面から向き合っていた」
また、自分は泣くことをやめたという加藤に言う。
「あなたは泣き方を変えたのね」
これは単に加藤が過去を回想して、かつての自分はこうだったのにと語るより説得力がある。
★名せりふ
泣いている加藤の所に入ってくる朝田に
加藤「あかりをつけたら殺すわよ」
鬼頭が加藤に
「手術のチームはかけ算。ゼロが入れば失敗する」
伊集院が助けを求めて
朝田「みんなで甘えあうのがチームじゃない、死に物狂いで仲間のために力を尽くす。それがチームだ」
朝田が迷う内科医・藤吉(佐々木蔵之介)に
「今日がベストの日かどうかはわからない。だけどベストにするのは俺たちだ」
★名シーン
1
冠動脈バイパス手術のシーン
今回の手術シーンは、実は朝田のバチスタチームを立てるのにも寄与した。
見事な技術と判断力で冠動脈手術の執刀をした加藤。
彼女はラスト、バチスタ手術の第1助手として朝田と共に登場する。
加藤が第1助手を務める朝田のバチスタチーム。
「これはすごい」という印象を視聴者に持たせることが出来た。
同時に臨床工学士と麻酔医が弱点であることも描いた。
1シーンで様々なことを語った見事なシーンだ。
2
今回朝田のバチスタチームが人物とテロップで紹介された。
それまでは部屋に書かれた一覧表の表示のみ。
表が具体的な映像で表現されたのだ。
見事な見せ方。演出。
★ディティル
バチスタ手術は、執刀医・第1助手・第2助手・麻酔医・臨床工学士・看護士(器械出し)・看護士(外回り)といったチームで行う。
★ちょっと一言
今回は加藤の葛藤がテーマ。
「医者が患者を待っているんじゃない。患者が医者を待っているんだ」という朝田の言葉に加藤がどう応えるかがテーマ。
結局は、失敗すれば教授の道がなくなる成功率の低い文代の手術を行う判断をするのだが、加藤がそう判断した心情描写が少ない。
加藤が「患者は決まりました」と言ってカットが変わり、文代の手術が決まっている。
また、加藤が医局の中でどんな経験をして、当初の理想をなくしていったかの説明が足りない。
カルテ5では伊集院登(小池徹平)。
バチスタ手術のテストとして、冠動脈バイパス手術の第1助手となった伊集院。
最初は緊張しておぼつかないが、朝田龍太郎(坂口憲二)が抜擢しただけあって、やっと本来の力を発揮していく。
執刀医が作業しやすい様な心配り・気配り。
最後、患者の容態が悪くなった時には判断ミスをしてあわてたが、それは経験不足から来たもの。助手としては合格点だった。
この伊集院を様々な人間がコメントする。
鬼頭笙子(夏木マリ)は伊集院のことを使えると言い、逆に臨床工学士のことを「周りが見えていない」、麻酔医のことを「半拍ずつ遅れる」と評した。
また、執刀医だった加藤晶(稲森いずみ)は伊集院のことを「気が利く」「細かい仕事に向いている」と評した。
実際の行動を出来る人間・優れた医者が評価をする。
これにより伊集院のキャラクターが立った。
例えば、「あの人って仕事ができるんですよ」と言ったところで視聴者は納得しない。
肩書きも通用しない。
木原毅彦(池田鉄洋)は加藤に続くナンバー2の様だが、医者としての凄さは視聴者に伝わって来ない。
視聴者が気がつかないような何気ない行動(伊集院の場合はネットを添えたこと)を出来る人間がコメント・評価することで、キャラクターが立った。
それが加藤だけでなく鬼頭までもがコメントしたからキャラクターが立った。
キャラクターの魅力を表現するのに第3者を使って成功した例だ。
★研究ポイント
キャラクターの立て方:第3者に行動をコメントさせる。
第3者にコメントさせると言う点では、奈良橋文代(江波杏子)もそう。
このシナリオライターは、加藤の過去を語るのに文代を使った。
文代は加藤の過去を回想して言う。
「多くの医者は悲しくならないように患者に思い入れをするのをやめる。それが心を守るすべ。でもあなたはいつも真正面から向き合っていた」
また、自分は泣くことをやめたという加藤に言う。
「あなたは泣き方を変えたのね」
これは単に加藤が過去を回想して、かつての自分はこうだったのにと語るより説得力がある。
★名せりふ
泣いている加藤の所に入ってくる朝田に
加藤「あかりをつけたら殺すわよ」
鬼頭が加藤に
「手術のチームはかけ算。ゼロが入れば失敗する」
伊集院が助けを求めて
朝田「みんなで甘えあうのがチームじゃない、死に物狂いで仲間のために力を尽くす。それがチームだ」
朝田が迷う内科医・藤吉(佐々木蔵之介)に
「今日がベストの日かどうかはわからない。だけどベストにするのは俺たちだ」
★名シーン
1
冠動脈バイパス手術のシーン
今回の手術シーンは、実は朝田のバチスタチームを立てるのにも寄与した。
見事な技術と判断力で冠動脈手術の執刀をした加藤。
彼女はラスト、バチスタ手術の第1助手として朝田と共に登場する。
加藤が第1助手を務める朝田のバチスタチーム。
「これはすごい」という印象を視聴者に持たせることが出来た。
同時に臨床工学士と麻酔医が弱点であることも描いた。
1シーンで様々なことを語った見事なシーンだ。
2
今回朝田のバチスタチームが人物とテロップで紹介された。
それまでは部屋に書かれた一覧表の表示のみ。
表が具体的な映像で表現されたのだ。
見事な見せ方。演出。
★ディティル
バチスタ手術は、執刀医・第1助手・第2助手・麻酔医・臨床工学士・看護士(器械出し)・看護士(外回り)といったチームで行う。
★ちょっと一言
今回は加藤の葛藤がテーマ。
「医者が患者を待っているんじゃない。患者が医者を待っているんだ」という朝田の言葉に加藤がどう応えるかがテーマ。
結局は、失敗すれば教授の道がなくなる成功率の低い文代の手術を行う判断をするのだが、加藤がそう判断した心情描写が少ない。
加藤が「患者は決まりました」と言ってカットが変わり、文代の手術が決まっている。
また、加藤が医局の中でどんな経験をして、当初の理想をなくしていったかの説明が足りない。