平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

Vフォー・ヴェンデッタ

2008年09月07日 | 洋画
 仮面のテロリスト“V”
 独裁国家と化した近未来の英国と闘う。

★人が仮面を被るとはどういうことだろう?
 醜い姿を見せたくない。
 正体を見せたくない。
 過去を消したい。

 様々な理由があるだろうが、もうひとつの理由は『別の人格』になるということ。
 “V”の場合はテロリストという人格。
 日常生活で個々人が抱えている弱さ、他の人とのしがらみ。
 仮面を被ることでこれを断ち切ることが出来る。

 ヒロインのイヴィー(ナタリー・ポートマン)は社会の矛盾を感じながらもテロリストとして闘うことに踏み切れない。
 “V”はイヴィを仲間に引き入れたいと思うが、彼女はそれをなかなか受け入れない。
 それが日常に生きる人間だ。

 別の作品になるが、「バットマン」や「スパイダーマン」
 彼らも仮面を被り正体を隠す。
 「バットマン」の場合は悪党達に威圧・恐怖を与える、「スパイダーマン」の場合はスパイダーパワーの象徴としてそれらの格好をしているが、仮面を被ることはやはり社会的な自分を断ち切って戦う人間にあるための儀式。

 “V”は11月5日の“ガイ・フォークス・デー”に国会議事堂前に集結するよう市民に呼びかける。
 市民が闘うように呼びかけるのだ。
 結果11月5日に市民はやってくるが、その時の市民の格好は……。

 以下ネタバレ


 
 “V”と同じ仮面を被ってやってくるのだ。
 これにより
・市民は正体を隠すことが出来、会社などの社会のしがらみから解放される。
・“V”と同じ仮面を被ることで“V”と同じ人格になれる。
・みんなが同じ仮面を被ることで一体感を持てる。
・結果、市民は闘う存在となる。

 この仮面効果はサッカーでサポーターが同じユニフォームを着たり、兵隊が軍服を着るのと同じものだろう。


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課長 島耕作 弘兼憲史

2008年09月05日 | コミック・アニメ・特撮
 「課長 島耕作」
 中川翔子さんが理想の男性だと言うので改めて読んでみる。←バカですねぇ

 簡単なプロフィールを言うと
 大手家電メーカー・初芝電器産業株式会社 販売助成部課長
 ひとり娘・奈美がいるが妻とは離婚。原因は仕事。

 さてそのキャラクターの特徴は

★派閥に属さない団塊の世代
 島耕作は出世よりは自分の好きな仕事を自由にやりたいタイプ。
 現場の仕事も好きだ。
 能力を認められて派閥に入らないかと誘われるが、独立独歩でいることが自分の立ち位置だと考えている。
 そして有能。
 ハリウッド・コスモス映画の買収など数々の困難な仕事もこなして来た。
 派閥争いに巻き込まれてクビになりそうになると、必死に戦ったりもする。

★ともかく女性にもてる。
 そんな出世にこだわらない島の人柄ゆえかともかくモテる。
 彼の部下は必ず島のことを好きになるし、ラスベガスの女性ディーラーなどはおまけをして勝たせてくれる。
 島耕作最大の恋人と言えば、初芝創業者の隠し孫・大町久美子だが、久美子に言い寄られた時に思ったことが「この誘惑にあらがうほど俺は人間ができていない」←何とも都合のいい自己正当化!
 おまけに島は同期のエリート・樫村←オトコにもせつない胸の内を告白されてしまう。
 島耕作が行く所、必ずロマンスがある。
 しかも自分から行動に出なくても相手が寄って来るのだから、ともかくうらやましい。

★正義派
 島が女性の部下に慕われる理由は彼が正義派だからだ。
 ショウルーム課の課長・今野のセクハラ。
 島は今野を糾弾する。
 結果、今野派閥のボス福田に睨まれて飛ばされそうになるが、そんなことは構わない。
 その他、初芝レーシングチームのレーサーに部下が体を求められた時にもやめろと言う。
 それでレーサーが降りてレースに負けても構わない。
 こんな所が島が人気のある秘密だろう。

★子供にとっては良き父親
 子供の奈美は妻に引き取られているが、妻は別の男と情交をかわし、奈美は時々さびしくなる。
 そんな時、奈美をあたたかく受け入れるのが島だ。
 奈美が遊びに来る時、恋人から電話がかかってきたり仕事が入ったりすることもあるが、奈美への愛情は揺るがない。
 こんな所も島に共感を呼ぶ部分だろう。

★女性にもお薦め!
 さてこの様なキャラクターの島耕作。
 僕は初めて読んだ時、これは男性サラリーマンのファンタジーだなと思った。
 派閥争いから離れて自分の仕事を行い、長い物には巻かれない。
 たくさんの女性が寄ってきて、おまけに出世してしまう。(現在では「社長 島耕作」になっている)
 世の男性サラリーマンからしたら、うらやましい生き方だろう。

 しかし今回読み直して島耕作は女性にも共感されるのではないかと思った。
 OLの方は「こんな上司がいたらいい」と思うだろうし、主婦の方は自分の夫と比べて「何と島さんはかっこいいんだろう」と思うに違いない。
 何と言ってもショコタンの理想の男性だし。
 弘兼憲史さんの絵に抵抗のある方もいらっしゃるだろうが、『リーマンもの』として滅茶苦茶面白い。
 ぜひご一読を!


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正義の味方 第9話

2008年09月04日 | ホームドラマ
★サスペンス
 今回の見所は
・槙子(山田優)の正体がいつ良川(向井理)にバレるか?
・我慢に我慢を重ねた槙子がいつ爆発するか?
 それを容子(志田未来)目線で見せてくれる。
 視聴者は容子といっしょになってハラハラドキドキする。
 ホームドラマにおけるサスペンスシーンだ。

 我慢については槙子はかなりがんばった。
・パリの新婚旅行の中止
・豪華な部屋の交換(思い出の部屋ということで交換はなされなかったが)
・OB連発のゴルフ
・チーズケーキの店まで徒歩、おまけに1時間待たされ子供に譲ってしまう。
・休暇に来ていた次官の接待
・食べられなかったすっぽん料理
・少ないチャーシュー
 少ないチャーシューを除いて、その他の状況はいずれも槙子が良川にキレてもおかしくない状況。
 これで視聴者はハラハラする。
 ホームドラマでもサスペンスシーンが作れるといういい例だ。

★さてどう解決するか?
 今後の興味はラスト1回の最終回でどう解決するかだ。

 もともと槙子と良川は共感や共通点のない無理な結婚。
 フツーのドラマなら決裂して当然の所だが、このドラマはコメディ。
 決裂したら笑えない。
 作者の腕の見せ所だ。
 ポイントはビル・ゲイツかな?
・槙子に関わった男は皆出世している
・「この私が頭を下げるのはビル・ゲイツだけよ」と言ったこと
 これらのフリから予想されることは
 『良川は槙子といったん距離をおいてビル・ゲイツみたいな金持ちになって帰ってくる?』
 まあ、この作品ですからかなりの大花火をあげてくれるでしょう。

 容子と陸(本郷奏多)の関係も気になる。
 容子はその名のとおり容(うつわ)の大きい子だが、今回の姉のことは大きすぎて陸のことまで入らなかったらしい。
 槙子のことばかりでなく、もう少し自分のことを見つめればよかったのにね。
 この恋話に槙子が絡むなど、もう少し突っ込んで描いてほしかった。
 このままだと主人公・容子は姉に振りまわされただけのキャラで終わってしまう。

 さてどうまとめるか?
 展開の予想がつかないというのはいいドラマの証拠。
 あっと驚く最終回を見せてほしい。

※追記
 容子の『妹ブログ』。
 これが『鬼嫁日記』の様に大ヒットして本になりテレビドラマ化される。
 そんな展開もあるかもしれない。


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キサラギ

2008年09月03日 | 邦画
★キャストが小栗旬、ユースケ・サンタマリア、小出恵介、塚地武雅、香川照之。
 ワクワクしてくる。このメンバーで何をやってくれるのか?

 やるのは何と『自殺したアイドル如月ミキの一周忌追悼会』。
 ファンサイトで知り合った5人が一同に会する。
 彼らのハンドルネームは、家元、オダユージ、スネーク、安男、イチゴ娘。
 いよいよ何をやってくれるのか楽しみになってくる。
 あのイケメン・小栗さんが家元?
 ユースケさんがオダユージ?「踊る」のパロディか?
 あの名優・香川さんがイチゴ娘って?

★物語はアイドルのオフ会から推理ドラマに発展していく。
 すなわち如月ミキは自殺したのではなく殺された。犯人はこの5人の中にいる。

 物語の舞台はオフ会の会場であるペントハウスの中だけで、カメラが外に出ることはない。
 舞台劇を見ている様。
 派手な映像もなく役者さんの演技とせりふの面白さだけで引っ張っていかなくてはならない。
 そしてその試みが成功している。
 見事なシナリオだ。

★ネタバレになるので書かないが、以下の断片を組み立てていくとある真相が浮かび上がってくる。
 それはジグソーパズルで一枚の絵が出てくるのと同じ。
 真相の断片とは
・ゴキブリ
・アロマキャンドル
・ヘアヌード写真集
・200通のファンレター
・ママレモン
・地震
・人気キャラクター・ラッキーチャッピーの容器
 これらが原因で如月ミキは死んだ。
 さあ、この断片を組み合わせて皆さんはどの様な真相を想像されるだろうか?
 実に驚くべき事実が浮かび上がる。

 驚くべきと言えば、家元、オダユージ、スネーク、安男、イチゴ娘それぞれにも秘密がある。
 彼らは如月ミキの単なる1ファンではない。
 人間という者は表面だけでは分からない。
 それぞれに裏の顔があり、さらにもう一皮剥くと別の顔がある。

★エンディングはある意味、如月ミキの死の真相より衝撃・笑撃!
 何しろあのイケメン小栗さんが、歌う如月ミキの映像に合わせてアキバ系のフリで踊るのだから。
 ユースケさんも、真澄ちゃんの小出さんも、名優・香川さんも踊る。
 5人の中でアキバ系のフリが似合うのは塚地さんぐらい。
 この意外性!!

 ともかく意外性に溢れたこの作品。
 絶妙のせりふのやりとりによる笑いと意外性を満喫したい方はこの作品をぜひ見ましょう。


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福田首相辞任を考える

2008年09月02日 | 事件・出来事
ねじれの重圧 孤立の首相、力尽きた(朝日新聞) - goo ニュース

★辞任の理由
 今回の辞任劇。
 感情レベルでは『ブチ切れ』なんでしょうね。
 臨時国会の開催日を含めて自分の意が通らないイライラ。これでキレた。

 でも戦略レベルでは大したもの。
 これから行われる自民党総裁選。
 麻生太郎か小池百合子か。はたまた予想もしなかった第三の人物?
 絶対盛り上がる。民主党はかすむ。
 昨年の福田内閣発足時の支持率は50%余だったから、麻生さん、小池さんであればそれ以上。
 これで解散総選挙をやれば、自民党に勝ち目は出てくる。
 麻生太郎、小池百合子、小沢一郎
 この三人で誰が首相にふさわしいかと問われれば迷いますからね。

 個人的には一回民主党に政権をとってもらって、政と官の癒着の膿を全部出してもらいたいと思うけれど。
・自民党は財源がないと言っているが、本当にそうなのか?その検証。
・癒着のない所での生活者重視の予算配分。
 これからのことは民主党の政権下なら出来る。
 官僚の抵抗があって中途半端な結果に終わるかもしれないが問題提起はなされる。
 自民党政権下では自浄は望めない。
 なぜなら年金問題、道路の無駄使い問題など自民党から提起された問題はひとつもなかったから。

 一方、民主党も小沢さん以外に人材がいないのが情けない。
 総理候補と言えば、次々と名前が出て来るのが自民党。
 でも民主党は小沢さんしかいない。菅さん、鳩山さんでは???
 いっそのこと長妻さんあたりが登場してくれると期待が持てるのだが。

★福田内閣とは何だったのか?
 いいことの種まきはやったと思いますよ。
 道路特定財源の一般財源化、消費者庁、渡辺行革大臣の公務員制度改革。
 しかし育てていくことが出来なかった。
 官僚の抵抗に遭い、どんどん骨抜きにされそう。

 これは何かと言われれば、福田さんの政治力のなさ。
 野党や官僚、自民党の反対勢力……これらを政治力で調整して、撒いた種を実りあるものにしていくことが出来なかった。
 福田さんは有能な政策通であったが、政治力を駆使して政策を実現していくタイプではなかった。

 この政治力という点で麻生さん、小池さん、小沢さんを見ると、剛腕・小沢さんが一歩抜きんでているが、小沢さんの政治力は旧来型のもの。
 小泉さんの時の様に国民の人気を背景にして、麻生さん、小池さんが案外やってくれるかもしれない。
 その他のことは別として『道路を作る予算を太陽光発電など環境にやさしいインフラに使う』という小池百合子さんの主張は僕は支持します。
 環境問題もそうですが、日本は石油エネルギーに頼らないでエネルギーを自給できる国を目指すべきだと思います。


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篤姫 第35回「疑惑の懐剣」

2008年09月01日 | 大河ドラマ・時代劇
★どっちもどっち
 武家と公家の争い。
 天璋院(宮崎あおい)の立場は「どっちもどっちじゃなぁ」。

 通常の大奥物だと天璋院と和宮(堀北真希)で嫁姑のドロドロの争いが起きるのだが、そこは大河ドラマ。
 主人公を悪くは描かずに公正中立の立場で描いた。
 しかし姑の立場の人間は作劇上必要。
 そこで登場してきたのが本寿院(高畑敦子)。
 うまい人物配置だ。
 これで公家方と「姑としての教育が出来ていない」という本寿院との板挟みになるという天璋院を描くことが出来た。

★疑惑の懐剣
 これは見事な小道具でしたね。
 和宮の心を描き出す見事な小道具。
 天璋院が和宮の懐の物を取り出そうとして出て来たのが『鏡』。
 このシーンでは具体的な説明はなされなかったが、『和宮は家茂(松田翔太)に好意を寄せていて自分の姿を気にしていた』ということを視聴者に想像させる。
 後説明で天璋院が「何とも可愛らしい」と滝山(稲森いずみ)に言うことで、視聴者は自分の想像が正しかったことが分かる。
 和宮のせりふは少ないが、この小道具効果でその気持ちが見事に伝わった。

★夫婦になる
 天璋院は家定との関わりで学んだことを家茂と和宮、若い夫婦に伝えようとしている。
 家茂には『公武合体』という政治とは離れた所で『夫婦』になりなさいと伝える。
 それは政治目的で家定と夫婦になり最初心通わせることが出来なかった自分の反省から出たこと。
 夫婦に政治は関係ないのだ。武家も公家もないのだ。
 家茂は腹を割って「攘夷は難しいこと」を話す。

 そして……
 家茂は聡明で和宮を愛している。
 攘夷が難しいことを聞いて納得する和宮。
 だが彼女はまだ自分を『日本国の平和のための道具』だと思っている。
 それに対して家茂は反論。
 『政治の道具の道』とは別の道があることを説く。
 すなわち『妻としての道』。

 これでふたりは夫婦になった。
 かつての天璋院と家定の様に。

 またこれで武家と公家、嫁姑の争いは終了した様です。

※追記
 今回は滝山と天璋院のエピソードも。
 懐剣のことでふたりに信頼が生まれる。
 「天璋院様のお側で、この大奥で骨を埋めたい」
 「そなたがいれば安心して羽目を外すことが出来る」
 滝山はかつての幾島の立場に。
 天璋院は滝山と酒を飲もうと言うが、生真面目な滝山と飲んでもあまりおいしくないでしょうね。

※追記
 裏の24時間テレビ。
 最高瞬間視聴率は8時46分で41.1%だったらしい。
 絶対「篤姫」が終わった後、流れた視聴者ですね。
 僕もそうでした。
 一年に一度は「サライ」を聞きたいし。 


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