2010年のJRの動向を西日本を中心に振り返ります。まずは今年上半期には500系のぞみの引退が大きなトピックとしてありました。2月末のことで、1日1往復しかない500系のぞみを追いかけて東奔西走された方も多かったかと思います。ちょうど同時期に大和路線であすか事件が起こっていたため、500系のぞみのラストランもファンの暴走が心配され厳戒態勢が敷かれていました。幸にして500系ファンはあすかのような玄人肌の暴走ファンは少なく、一般人も多かったので各駅では撮影のマナーについて色々はあったかと思いますが、大きな混乱はなかったようです。500系はのぞみ引退後もこだまとして残っており、フル編成ではないものの優美な姿はまだまだ見られます。
3月の改正では北陸夜行が廃止となりました。寝台特急北陸、急行能登と同時に上野~金沢間の2列車が消えることになりました。こちらの方は500系のぞみと違い、国鉄型バリバリの14系ブルートレインと489系ボンネット型と言うファンの言わば標的とも言える存在で、あすか事件のような混乱も考えられました。ホームには溢れんばかりの人が集まったようですが、あすかのような線路立ち入りと言う最悪の事態には至らなかったようです。北陸夜行が新幹線開業前に姿を消すというのは意外な結末でしたが、車両の経年疲労がそろそろ抜き差しならぬところまで来ているようで、他の生き残っているブルトレも利用率云々よりもそちらの理由で廃止になるという可能性も秘めているところがありそうです。日本海、あけぼのは12月改正、来春の3月改正も生き抜いていくようですが、今後も動向は注目されるところでしょう。
3月改正では雷鳥の減便が目立ちました。最後の1往復を残して全てサンダーバードに置き換えられ、この時点で来春改正での雷鳥引退は確定していました。最後の1往復も9両編成から6両編成へと短縮され、往年の485系長大編成による雷鳥もいよいよ終焉を迎えることになります。また、西日本ではデータイムのはるか6往復の臨時格下げも大きなトピックでした。この6往復はしばらく毎日運転の臨時列車となっていましたが、来春の改正で正式に廃止となります。関空の不振もさることながらJR、南海ともに関空特急の不振はそれ以上と言えます。JRのはるかは減便と引き換えに関空快速の増発で利便性を確保しました。南海は格安航空の就航に合わせてラピートαの復活を検討しています。明暗が分かれた両社ですが、果たしてどちらの策がうまくいくのでしょうか。