新潟駅で出発を待つキハ110系快速べにばな
2011年12月29日木曜日。急行きたぐにで新潟到着後、10分の乗り継ぎで快速べにばなに乗り込みます。8年前にも米坂線には乗車していますが、その時の快速べにばなはキハ52やキハ58系列の気動車で運転されていました。09年3月改正よりキハ110系列とE120系に置き換えられて全てJR型の気動車で運転されています。今回は置き換え後初の乗車となります。昔の旅は経験しているので、現代の旅を楽しむと言ったところでしょうか。2両ワンマン運転で、席は程良く埋まっており立ち客もいる乗り具合です。帰省と思われる人が多い印象。新潟から白新線沿線への利用が多いのか、米坂線へ抜ける人が多いのかは今一つ判別はつきません。走ってみればわかると言ったところでしょうか。もっとも米沢方面へは山形新幹線が走っているので、新潟で新幹線連絡の利用は大半が白新線や羽越線沿線への利用になるんでしょう。列車は新潟を出ると白新線内を快調に飛ばしていきます。快速運転をするのは坂町までで米坂線内は各駅に停まる言わば区間快速のような列車です。かつては急行べにばな、さらに遡れば急行あさひとして運転されていた伝統を引き継ぐ快速べにばなですが、新幹線開業などでその地位はどんどん落ちて行き現在の区間快速のような姿になっています。以前乗った時も区間快速状態でしたから、車両が替わった以外は特に変わっ
ていませんが、さらに遡って行けば没落の歴史を見ることができます。白新線を北上していき、新発田から羽越線に入ると雪がちらほら舞い降りるようになりました。坂町に着く頃には結構な降りようになっていき、米坂線に入ると吹雪くようになりました。今回はワンマン運転のため、後ろでかぶりついていましたが、見事に失敗しました。後ろにいると舞い上げた雪がガラスについて見通しが悪くなるのを忘れていました。何しろ雪国への遠征は正味の所、05年の東北遠征以来になるでしょうか。北陸などへ撮影遠征には行ってますが、乗り鉄は久しぶりです。道中は雪との闘いで、恐ろしいぐらい雪が積もっています。雪で運休と言うのでは只見線が有名ですが、米坂線沿線も雪深いところを走っています。しかし、雪景色は非常にきれいで、もう少し見通しが良ければもっといい画が撮れたのに…残念です。米坂線に入る前にかなり降車があったものの、小国あたりから結構乗車があり、車内は賑やかになってきました。もっとも沿線での利用の動きは非常に少なく、小国、今泉あたりでわずかに流動があるぐらいです。以前は小国に長時間停車していましたが、今は停車時間が短くなっており、結構淡々とした道中になっています。この辺りがキハ52などの国鉄形の道中とは違っ
た現代的な平成の道中なんでしょうか。長距離利用を想定していないダイヤと言えばいいんでしょうか。最近のローカル列車は利用動向に即した時間調整以外は無駄な停車をしないので、旅人には苦労するダイヤと言えるのではないでしょうか。利用者にとっては当然のダイヤと言えます。地元優先は当たり前ですからね。長時間停まったところで見所も少ないし、駅弁を売りに来るわけでもないので、先を急いでくれる方がありがたいという面もあります。今泉で山形鉄道と合流して、この日初めての行き違いを行います。列車本数が少ないです。西日本も近年減便で本数が減りましたが、東日本はもともと本数が少ないです。ワンマン運転などは増えましたが、列車本数を増やすサービスはありません。省力化に努めているだけです。仕方ないと言えばそれまでですが、東日本大震災後のローカル線復旧に対する東日本の態度は解せない所もあります。バス化が通れば今後調子に乗ってどんどんローカル線を同じ形で粛清していく構図も十分考えられるのではないかと思います。米坂線も超~一級のローカル線だけにおちおちしていられないのではないでしょうか。列車は県境を越えて平地を走るようになり、天気も晴れに回復してきました。それでも後ろの見通しは悪く、撮り潰しマニアには厳しい状況は変わりません。平地に入ってからスピードを出すようになった点がキハ52などが走っていた時代とは違うところでしょうか。晴れてはいるものの雪は深い中を走り、終点の米沢に少し遅れて到着。構内にはキハ110系列の他に、キハE120系の姿も見られます。かつてはキハ52や58などがたむろしていた構内がウソのようです。