Zooey's Diary

何処に行っても何をしても人生は楽しんだもの勝ち。Zooeyの部屋にようこそ!

エリオ・ロカンダ

2010年01月30日 | グルメ
麹町のエリオ・ロカンダというイタリアン・レストランに行って来ました。
ここは、迎合しない本場の味ということで有名なお店らしいのです。
サッカーのトッティや、あのジョルジオ・アルマーニも来たことがあるらしい。

静かなビルの一階に、重厚な黒い木戸が素っ気なくあるだけ。
窓一つなく、中の様子はまったく窺い知れません。
ところが一歩、その中に入ると…
いきなり熱気と喧騒とイタリア料理の匂いに圧倒される。
しかも何人もの人が立って待っている。

我々は12時半に予約を入れていたのですが
受付の女性が「先のお客様が少し長引いていて…申し訳ありません」と
すなまなそうに断ってきて、結局30分以上待たされました。
ようやく通された部屋は…

窓もなく、白い漆喰の壁に囲まれた洞穴のような、
イタリアでよく行った、地下のトラットリアみたい。
お客も3~4割がイタリア人のよう。
この近くにイタリア文化会館があるのでそのせいでしょう。

前菜盛り合わせ
パスタ2品
主菜(金目鯛のソテー)
デザート盛り合わせ(パンナコッタ、ベリーのムース、チェリーのタルト)
コーヒー

スパークリング・ワインとオレンジ・ジュースで割ったカクテル、ミモザで乾杯して。
味は濃厚で、ものによっては塩辛すぎるように感じましたが
概ね、とても美味しく頂きました。
量は多すぎず、日本人向き。

普通の日本のレストランと雰囲気が何処か違う、と最初から感じましたが
それが何故なのかすぐに分かりました。
イタリア人を含め、男性客が多いのです。
私が普段、ちょっと背伸びしていくようなレストランは
週末ならとにかく、平日のランチに行くと、殆ど女性ばかりなのです。
(先月行ったリストランテ濱崎にしても、見事に女性ばかりでした)
私の夫を含め、殆どの会社員は忙しくて、こんな所でゆっくりランチを楽しむ暇なんか
ないのだろうなあと申し訳なく感じると共に、
それは日本社会に感じる、私の大きな不満でもあるのです。
例えばミュージカルや観劇にしても。
そういうところの観客は、殆どが女性ばかり。
それがロンドンやニューヨークだと、男性の方が多いくらい。
こういうところに、まだまだこちらは文化が成熟していないなあと
つくづく感じてしまうのです。

話を戻して、そういう訳で非常に非日常的な空間だったのでした。
その代わり男性客の話し声がうるさくて、落ち着いた会話ができないという
マイナスのオマケもつきましたが。
イタリア男、よく喋るし…
ついでに後から口コミを見てみたら、ここでは「先のお客様が少し長引いていて」
というのは常套句であるらしい。
予約の意味がないじゃないですか…
イタリア人、ここは日本なんだからもっと早く食べて!と
勝手なことを言いたくなります。

携帯の写真が何故かとてもボケてしまって…
ネットから拾った写真です。

「エリオ・ロカンダ」 
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本来存在しない場所

2010年01月27日 | 社会
昨日の読売夕刊。
私の好きな池田清彦氏のコラム「メスの流儀」から。
”カッコウのメスは、モズやオオヨシキリ、オナガの巣に托卵する。
巣の持ち主のホストの卵を一つ取って、かわりに自分の卵を一つ産む。
ホストの卵より、わずかに早く孵化したカッコウのヒナは、
ホストの卵やヒナを背中に乗せて次々と巣の外に落としてしまう。
なんとそのために、背中が少しくぼんでいるのだ。”

うわ…
カッコウの托卵については知っていましたが、
ヒナの背中にくぼみがあるとまでは知りませんでした。
卵から孵ったばかり、まだ目も開かないで震えている赤い裸のヒナが
(子どもの頃文鳥を飼っていたので、少し詳しいのです)
誰に教わったわけでもないのにそんなことするなんて…
今更ながら、生物の本能って凄いですねえ!

この記事から、ついでに連想したことがあります。
70年代の有名なアメリカ映画、「カッコーの巣の上で」という作品。
ジャック・ニコルソン演じる主人公が、患者の人間性まで剥奪しようとする精神病院
から自由を勝ち取ろうとする内容です。
若い頃、非常な衝撃を持ってこの作品を私は観たのですが
この不思議な題名はどういう意味なのだろう?と調べてみたことがあるのです。
原題は”One Flew Over the Cuckoo's Nest”。
直訳すると、「一人がカッコーの巣から飛び立った」か。
出典はマザーグースの詩の一説なのだそうです。

辞書によると
cuckooには「ばか者,まぬけ,気の違った者」、cuckoo's nestには「精神病院」
という意味もあるらしい。
だから、体制化の精神病院から飛び立とうとした主人公を意味するのかな、と
なんとなく思っていたのですが…

今頃になって、とんでもないことに気がつきました。
托卵するということは
つまりカッコウは、巣を持たないという訳なのですね。
ということは、「カッコーの巣」には
「本来存在しない場所」というナンセンスな意味合いもあったのですね…

写真 旭山動物園のホッキョクグマ
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ノロは突然やってくる

2010年01月26日 | 家庭
(尾籠な描写があります食事前後の方はスルーして下さい)

一昨日(日曜)の午後、私は確かに元気だったのです。
3時頃タロウの散歩に出かけ、天気がよかったので一時間ほどウロウロし、
家に帰って夕食の下ごしらえを始めて…
そうしたらいきなり気持ち悪くなってきた。
船酔いになったような気分…ムカムカムカムカ…
何だろう?と思いながらとりあえず床の上に座り込んだ途端、
激しく嘔吐。
逆流が噴射するような感じ。
しかも一度ならず二度、三度と。
床(フローリングでよかった!)の上、吐瀉物だらけ。

家族も私も、何が起こったのかよく分からず、ポカンとするばかり。
やっとの思いで床を綺麗にして、ヨロヨロとベッドに行くも吐き気納まらず、
ベッド脇のビニール袋に何度も何度も。
一晩に十回以上。
そのうち微熱が出てきて、悪寒も。
背中や腰、関節、身体中痛い。
何がなんだか分からないまま、震えながら一夜を過ごしたのでした。

翌朝、吐き気は少し納まったものの、微熱と悪寒止まらず。
出勤前の夫に近くの病院に連れて行ってもらったところ、
ノロウイルス(正確に言えば、もしくはロタウイルス)による感染性胃腸炎だとのこと。
潜伏期間二日。
ウイルスに対する薬はなし。
整腸剤だけ飲んで、とにかく安静にと。
一日何も食べないで、白湯か緑茶を噛む様にして飲みなさいと。

で、昨日一日寝ていたのでした。
夫も息子も10時過ぎまで帰らないので、ひたすら一人で。
夕方頃には大分症状も治まり、おなかも空いて来た。
医師の、何も食べちゃいけない、食べればまた吐いて元の木阿弥、という言葉が
気になっていたのですが、前日の午後から何も食べていないし。
少量の卵お粥をなんとか作って、噛みしめるように食べたのでした。
昆布とカツオ出しの卵粥に、小さな梅干を載せた一椀が
なんと美味しく感じたことか…

今日はようやく起き上がれたのですが、まだ力が入らない。
二日で2kg減。
今日の予定はすべてキャンセル。
という訳でノンビリします。
ノロウイルス、今流行っているのだそうです。
皆さんもどうぞお気をつけ下さい。

Wikiによると
”症状の始まりは突発的に起こることが多く、夜に床につくと突然腹の底からこみ上げて
くるような感触と吐き気を催し、我慢出来ずに吐いてしまうことが多い。
それも一度で終わらず何度も激しい吐き気が起こり、吐くためにトイレのそばを離れら
れないほどである。無理に横になろうとしても気持ち悪くて横になれず、
吐き気が治まった後は急激且つ激しい悪寒が続き、さらに発熱を伴うこともある。”
とありますが
本当にその通りです。

写真は旭山動物園、雪の中のキリン
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旭山動物園

2010年01月22日 | 国内旅行
今更ながら「旭山動物園物語」をDVDで観ました。
新聞やテレビのニュースで多少は知っていたつもりでしたが
色々と大変な事情があったのですね。

”1967年開園、当初40万人ほどだった年間入園者数は、旭川市の人口増とともに
右肩上がりに増加したが、1983年の約59万7千人をピークに減少に転じた。
1994年にはニシローランドゴリラ、ワオキツネザルが相次いでエキノコックス症で死亡
するという事態が発生、施設面も含めて予防策を検討するために8月27日で営業を
切り上げた。人間への感染の恐れはほとんどなかったが、市民の不安は大きく、
入園者減少に追い打ちをかける形となった。
1996年には約26万人まで入園者数は落ち込んだ。”(Wikiより)

で、この後、餌代にもこと欠き、廃園寸前まで追い込まれるのですが
園長以下の血のにじむような努力で、見事な立ち直りを見せるのです。

”2006年度には入場者数が304万人を記録した。
2004年8月には32万1500人と、上野動物園を抜いて日本一の月間入園者数を記録した。”

へええ…
あの最北の僻地にある小さな動物園が、上野動物園を抜くとは…
たいしたものです。
その方法というのは
”日本の動物園で一般的な、動物の姿形を見せることに主眼を置いた「形態展示」
ではなく、行動や生活を見せる「行動展示」を導入した”

確かに
ただ見るという感じではなく、動物の息遣いが伝わるような展示でした。
円筒形のガラスの中を、アザラシがジェット機のように飛び込んでくるし、
ガラスで覆われた通路の上を、ペンギンが飛ぶように泳いでいるし。
ペンギンだってライオンだって
私の携帯でもこんなにアップで撮れるほどに間近に見られる訳ですから。

私が行った時にガラ空きだったのは
その日の朝大雪が降って、高速道路もJRも一部ストップしてしまったからのようです。
普段はもっと混んでいるらしい。
しかし、雪の中の動物園を廻るのは
確かにペンギンや北極グマやアザラシの自然に近い姿は見られますが
体力的に中々覚悟が要ります…

それにしても
雪の中のライオンの写真というのは、中々シュールです。
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「温泉につかってカニ食べたい」

2010年01月19日 | 国内旅行
という夫の一言で
行ってきました、冬の北海道。
土~月曜の二泊三日で小樽→旭川→登別。

旭川に行く日の早朝、大雪が降ったようで
その日の最低温度は現地マイナス18℃。
最高気温でもマイナス6℃だったそうです。
外にいると知らないうちに涙は出る、鼻水は出る…
初めての経験でした。
昨夜羽田に降り立ったら
なんと暖かく感じたことか…

かの有名な旭山動物園も一面銀世界。
立ったままで眠るんですね、 ペンギンって。
映画「皇帝ペンギン」やドキュメンタリー番組などで見知っていたつもりでしたが
自分の目で見るとやはり驚いてしまう。
映画やテレビドラマになるほど評判の動物園なのに
それでも上野動物園なんかに比べたらガラ空きなのも嬉しい。
ライオンやキリンも雪の中にいましたが
平気なのかしら?
アフリカって結構寒くもなるのかな…?

確かに海の幸は美味しい。
毛蟹、花咲ガニ、タコの卵、ナマのニシン、ホッケなど
珍しい味を堪能したのでした。
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秀作か駄作か?「アバター」

2010年01月14日 | 映画
これほど評価が別れる映画というのも珍しい。
映画好きな友人の間でも、
白黒テレビからカラーに変わった時以上の衝撃という人、
『2001年宇宙の旅』以来の画期的な映像革命と評価する人、
映像は素晴らしいがストーリーはつまらないという人、
どうしようもない駄作という人…
それでは自分の目で確かめてみようと、観てきたのでした。
『タイタニック』のジェームズ・キャメロン監督、構想14年、製作4年。

結論から言うと私は楽しめました。

3D初体験だったのですが、何と言っても映像が素晴らしい。
この映像と迫力は、映画館の大画面で鑑賞する価値があります。
3Dといっても、TDLのマイケルジャクソンのアトラクションのように
映像が飛び出すのではなく、画面に奥行きが出るのです。
今まで平面だった映画館の画面に、何メートル、何百メートルの奥行きが現れる。
これは確かに衝撃です。
このおかげで、観ている側は、本当にパンドラの森の奥深くに迷い込んでいるような、
怪鳥に乗って登場人物と一緒に大空を飛び回っているような感覚が味わえます。

ストーリーは、シンプルではありますが
侵略戦争をしかける人間の愚かさと、自然破壊への警鐘という
二大テーマが盛り込まれています。
しかも、先住民を駆逐してその領土を支配していこうとする地球軍の姿に
アメリカがだぶって見えて…
中々強烈な皮肉とも受け取れるのです。

一口に3Dといっても
円偏光フィルター の『RealD』、液晶シャッター の『XpanD』、
分光フィルターの『Dolby 3D』偏光フィルターの『IMAXデジタル3D』の4種類があり、
それぞれメガネの大きさや料金も違うらしい。
私は有楽町マリオンの大画面で観たのですが、ここは『XpanD』であったらしい。
料金は、普通の映画料金プラス300円と安いのですが
眼鏡が重くて、最後の方はこめかみの辺りが痛くなりました。
料金はプラス千円と高いが一番評判のよいIMAX方式の映画館というのは、
日本で4箇所しかないらしい。
その一つが川崎ラゾーナだというのに…
しまった、そちらに行くべきでした。

☆3.5

「アバター」
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聞きたくないなら出なきゃいい

2010年01月12日 | 社会
今年は、平成生まればかりが迎える初めての成人式なのだそうです。
我家の次男も、無事迎えることができました。
あの小さくて甘えん坊でママ命だった次男が今や大学生、
ダブル・スクールで忙しい日々を送り、
自分一人で大きくなったような顔をしている…

本人、式なんか行きたくないと言っていましたが
その後行われる同窓会目当てに、友人と待ち合わせて行ったようです。
昨夜遅くに帰ってきたのをつかまえて聞いたところ、そんなに荒れもせず、
静かに式は終わったとのこと。
昨夜のテレビニュースで、全国あちこちの成人式の様子を紹介していました。

やっぱり荒れた所もあったのですねえ。
佐世保市の式の様子をテレビで写していましたが、市長が話している壇上に
袴姿の新成人たちが駆け上がって、野次を飛ばしたり、挙句に手に持った扇子で
市長の頭を叩こうとしたり。
引きずりおろされた後も、「おまえの話なんか誰も聞いとらん」「一発芸しろ」などと
ヤジを飛ばし、たまりかねた市長が
「社会というのは厳しいものだ。ルールを守れるようになりなさい!」と一喝。
救われたのは、そこで会場のほかの新成人たちから拍手が起こったということ。

疑問に思ったのは
そのおバカ新成人たちの顔に、ボカシが入れてあったこと。
立派な成人なのだから、堂々と顔も名前も出せばいいのに。
そんな破廉恥なことをする連中は、さっさと逮捕してしまえばいいのに。
学校と違って社会は厳しい。
そんなことしたら、勤め先はクビになるだろうし、就職もできないだろうし。
つまらない話を聞きたくないっていうのなら、式に出なければいいのだから。
身体ばかり大きくなっても精神年齢が限りなく低い、そんな新成人には
もっと厳しく当たるべきだと思うのです。

情報元
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「日本人の心はもっと狭い」

2010年01月10日 | Weblog
「婦人画報」という雑誌を初めて買ってみました。

この雑誌、存在は無論知っていました。
美容院でたまに読んだりしていましたが
しかし私にとっては「家庭画報」との違いがまったく分からない。
どちらも、重くて厚くて、上品で高くて…

で、自分で買ったのは初めてです。
高い!1100円もする。
「日本の温泉百選」という特集につられて隣の家庭画報を買いそうに
なりましたが。

この雑誌の名前を聞いて連想するのは
綺麗な写真、高い対象年齢、皇室、歌舞伎といったところか。
それはあながち外れてはいなかったようで
例えば今月号の特集のひとつ「奈良で仏ごころに触れてみませんか?」
あるいは「京都御所」。
旅行地としての奈良や京都を取り上げるのは
女性誌では珍しいことではないでしょうが
その副題が、「名僧のことばと旅どころ」「帝の座 帝の視線」となっている。
歌舞伎の特集もちゃんとあるし。
雑誌のコンセプトは
「年齢を重ねるほどに咲き続ける知的で美しい女性。『婦人画報』はそんな女性のために、
ファッション、美容、健康、旅などをテーマに、上質な人生のヒントをお届けします」

しかし私が何よりも驚いたのは
巻頭に寄せられていたアレックス・カーの文章。
「27年前と比べて北極海の夏の氷の面積は二分の一になりました」と題して
「日本の国土はたしかに狭いが、日本人の心はもっと狭い。(中略)
世界の森が失われていること、温暖化で北極の氷が少なくなっていることなどに
関心を持つ日本人は、世界レベルで極めて少ない。
寄付もしないし、ボランティア活動もしない。(中略)
両目両耳をふさいで、いつまでゆりかごでおねんねするつもりなのでしょうか。」
要するに、地球温暖化に対して日本人は関心を持たなすぎる、
いったいいつになったら目を覚ますのか?という非常に辛口のエッセイ。

この人一体何者?と思ったら
日本に長年住む、アメリカ出身の東洋文化研究者なのですね。
そうなのかなあ…?
この前のコペンハーゲンCOP15でも、日本は温室効果ガス25%削減という提案を
ちゃんと出したし(相手にされなかったけれども)
ゴミの分別だってかなり進んできたし、
京都議定書に加わろうともしなかったアメリカの人間に
そんなこと言われたくないと思うのですけど。

しかし、こういった硬派辛口の文章を巻頭に載せるという姿勢は
ファッションとかグルメとか、甘いイメージの内容が多い女性誌の中にあっては
中々凄いことなのかも。
淘汰が激しい雑誌業界の中で、これからも頑張って欲しいと思います。
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「ダブル・ファンタジー」

2010年01月07日 | 
村山由香といえば、『天使の卵』『天使の梯子』などの切なくみずみずしい青春小説の書き手
というイメージを、私は持っていました。
その彼女の自伝かと思わせるような、性の遍歴を大胆に書いた「ダブル・ファンタジー」は
週刊文春連載中からたまに読んで驚いていましたが…
今回、初めて単行本でまとめて読んで、尚のこと驚いたのでした。

まず、本の装丁から凄い。
全裸の女性の横たわった姿(表紙は足だけですが、裏表紙に繋がっている)。
帯には「史上最強の官能の物語」
「ほかの男と、した?俺のかたちじゃなくなっている。」

作品の内容を、作家の私生活に短絡的に結びつける気はありませんが…
しかし、輪郭はあまりにも似ている。
この人は昔、自分の担当編集者と結婚して、鴨川でのその田園生活の様子が
よく女性雑誌などに写真入で取り上げられていたのです。
陽光溢れる海辺の土地にログハウスのような家を建て、自分の一番の理解者と
畑を耕してナチュラル・ライフを送りながら執筆活動を行うという、
ある意味、女性の憧れの姿として。
ところがこの小説の中では、その元編集者である夫の抑圧に耐えられず、
散々な葛藤の末にその家を飛び出し、次から次へと男を変えていく…
そして、その様子を生々しく克明に描いている。

「女としてまだ間に合う間に、この先どれだけ身も心も燃やし尽くせる相手に
出逢えるだろう。何回、脳みそまで蕩けるセックスができるだろう。
そのためならーそのためにだけでも、誰を裏切ろうが、傷つけようがかまわない。
そのかわり、結果はすべて自分で引き受けてみせる。」
「男は性欲が強いと”絶倫”になるのに、女は”淫乱”と言われて、
恥ずかしいこととされてしまう。どうして女の性欲は罪悪なのか?」

これを、先天性色情女の性の遍歴官能小説として捉えるか、
真摯に己を見つめた文学小説と捉えるか、評価は分かれるところでしょう。
(しかし実際この作品は、2009年中央公論文芸賞、島清恋愛文学賞、柴田錬三郎賞を
トリプル受賞している)

私としては、中々面白かった。
500ページ近くがあっという間です。
「書くことによって自分が血みどろになるとわかっていても、それでもなお書かずに
いられないという呪い」によって、文字通り身を削るようにして書いた作家の業のようなものが
感じ取れると思います。
少なくとも、渡辺淳一あたりが書く男の妄想のような女の性よりは、
はるかに身近に、現実のものとして感じられるからです。

この小説、なんと「特設サイト」まで持っている。
こちらで立ち読みができます。
『ダブル・ファンタジー』特設サイト
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グラム1万5千円 VS グラム千円

2010年01月04日 | Weblog
ようやく休み明けですね。
寒波襲来の年末年始、ずっとこもっていましたが、昨日初めて外でランチしました。

マイレージもたまっていることだし、お台場のホテル日航。
行きたがらない息子たち、長男には首都高を運転させてあげるからと釣り、
次男にはお台場にできたアウトレットで何か買ってあげるからと釣り…
ホテルには地中海料理、中華など色々あるのですが
肉が食いたい!という息子たちのために、結局グリル&ワインの店「タロンガ」に。

ここの「ドライエイジドビーフコース」というのは
300gのステーキに、野菜食べ放題、スープ、デザートと飲み物。
私はステーキはそれほど好きではないので、そんなに食指も動かなかったのですが
驚いたのは、20種類以上のタレというかソースが用意してあったこと。
「ジンジャー&おろしダイコン」とか「マヨネーズとタクアンのタルタルソース」とか
「カシス&マスタード」とか「「バジルのジェノバソース」とか…
これを、写真のような小さなお皿に、好きに取って頂きます。
野菜につけてもよし、お肉につけてもよし。
これだと、単調なステーキの味に変化がついてよいかもしれない…

でも、これを家庭料理に取り入れるというのは中々難しい。
しかも結局ステーキというのは、その素材で味の良し悪しで決まるのだから
安い材料をいかに工夫して美味しく仕上げるかという、
私のポリシーとはかけ離れてしまう。
そう思う一方で頭に浮かんだのは
チラリと見たテレビのお正月番組のこと。
グラム1万5千円だかの松坂牛と、グラム600円だかの輸入肉のステーキを
グルメ自慢の何人もの有名人に目隠しをして食べさせ、当てさせるというものでしたが
見事にみんな外れてしまったのです。
正解を出したのは、一人だけじゃなかったのかな?
(お肉の値段などもウロ覚えなので、どなたか詳細をご存知だったら教えて下さい)
ステーキの味なんて物凄く分かり易いと思うのに
そんなものなのか?
じゃあ高いお肉を買う意味なんてないじゃないの…

帰りに、ヴィーナスフォートにできたアウトレットに寄りました。
ここは半月ほど前にできたばかりの、都内初のアウトレット!という触れ込み。
以前からあったショッピング・モールの三階部分がアウトレットになっていました。
都心から直近の大型アウトレットとか
羽田に近いので、アジアからの集客を見込んでいるとか
色々と喧伝されていたようですが
店揃いといい、その規模といい、それほどたいしたことはないかな…
とーっても混んでいたので、早々に退散したのでした。


追記
友人よりメールあり、番組名は 「芸能人格付けチェック」
お肉は、隠岐牛100g1万5千円とスーパーの肉100g千円だったそうです。
謹んで訂正致します。
まったく私の記憶なんてあてにならない…

「タロンガ」
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