ノイシュヴァンシュタイン城はあまりにも有名ですが
そんなに古いお城ではないのですね。
バイエルン国王ルートヴィヒ二世がこの城を作り上げたのは1913年。
歴史的価値はそれ程ないのでしょうが
ルートヴィヒ二世の悲劇の人生を考えると、非常に興味深いものがあります。
近くのホーエンシュヴァンガウ城
ものの本によると、17年の歳月をかけて建てられたこの城に王が住むことができたのは
たったの102日間だったといいます。
何故か?
有名な話なのでご存知の方も多いでしょうが
政治には無関心で、ワーグナーと築城に情熱を懸けた王は
この城と殆ど同時期に、リンダーホーフ城とヘレンキームゼー城の建設を進めたのだそうです。
1886年には負債総額は2600万マルク、王室歳入の二倍半を超える数字であったのだとか。
大臣たちがいくら苦情を言っても聞き入れず、莫大な負債が膨れ上がるばかり、
ついに王を精神病としてベルク城に拘束。
その翌日に、近くの湖畔で王とその主治医の遺体が発見されたのだそうです。
41歳の若さで。
撮影ポイントのマリエン橋は観光客でぎっしり。
謀殺か、事故死か、自殺か、
死因については諸説あるようです。
191cmの長身に美貌を誇っていた王、22歳でバイエルン公女ゾフィーと婚約するも
一方的に婚約破棄。
その理由も、王が男色であったからとか、ゾフィの姉エリザベート(シシィ)に
思いを寄せていたからとか、色々な説が。
いずれにしても、孤独な生涯を送った悲劇の王だったのですね。
そんなルートヴィヒ二世の情熱が込められた夢の城、
こんなところによくも、と感心するばかりの山の中の絶壁にあります。
日本人に特に人気と聞いていましたが、行ってみたら世界中から観光客が。
内部はバロック、ゴシック、ルネサンスなどあらゆる建築様式の豪華絢爛な空間ですが
残念ながら撮影禁止。
しかも王の突然の死によって未完のままというのが、なんとも悲しい。
当時、国中から責められた王の酔狂な無駄使いが、今ではドイツきっての観光スポットになっているというのも皮肉な話です。
バスから降りて、30分ほど山の道を上ります。こんな馬車も。