怖いもの見たさで観るのはもうやめようと思ったのに。
だって実話だっていうし。
監督は、あの「スラムドッグ$ミリオネア」を作ったダニー・ボイルだし。
そう思って行ったのが間違いだった…
ストーリーは非常にシンプルです。
ユタ州の広大なブルー・ジョン・キャ二オン。
27歳の冒険家アーロンは渓谷の間をクライミング中、
落下してきた巨大な岩に右腕を挟まれて身動きが取れない。
携帯電話もなし、誰にも行き先を言って来なかったので捜索隊が来る可能性もなし。
手元には僅かなスナックと400mlの水、SONYのビデオ・ムービーだけ。
3日目、4日目、生命のタイム・リミットが近づくにつれ、
回想や妄想、絶望、後悔、感謝の念が次々と…
「自分のことは何でも自分でできる。野心家で、少し横柄。
アーロンは米国が理想とする人物像のすべてさ」とボイル監督。(朝日新聞より)
しかし、その自信家の彼はつくづくと後悔することになる。
自然の脅威は彼の力量を遥かに上回っていたのです。
が、彼は自然に負けていなかった。
127時間後、ある決断を下すのです。
これはもうよく知られた事実だと思うので言ってしまいますが
挟まれた腕を自分で切り落とすのです。
しかし。
映画の後半、私は目を開けていられなかった。
頭に被っていた白い帽子を顔に被り、その下で目をぎゅっと閉じていました。
それでも叫び声が、苦痛の悲鳴が、耳から否応なく入ってきて…
あんな小さな、刃渡り5㎝くらいの安物の中国製のナイフで
一体どうやってそんなことができたのか?
しかも一緒に行った友人も目を瞑っていたというので
確かめることもできない。
どなたかご覧になったら教えてください。
あんな痛い映画はもう嫌だ。
最後に、本物のアーロンが出てくるのが救いか。
片手で器用に泳いで、弾けるような笑顔で。
彼はその後結婚し、子どもをもうけ、なんと今も
冒険家として活躍しているというのです。
「127時間」 http://127movie.jp/