今日の朝日新聞のティファニーの一面広告に、目を奪われました。
「ティファニーとともに幸せな週末を 女と男、二つの物語」と題して
雪景色の街と「T」を模した金と銀のブレスレットの綺麗な絵、
そして角田光代と吉田修一のショートストーリーが。
そういえば去年もこんなのがあったなあ…
男女のカップルが銀座のレストランから出て、パーティの恰好のまま、
夜の街を少し歩くシーンから、話は始まります。
恋人がいつか自分から去っていくことを恐れ、
つい男の気持ちを確かめたくなる女。
サッカー選手として、まずは自分のプロ生命について考え、
その次に、思い出したように恋人のことを考える男。
”出会ったとき、モデルとしての自分の旬は終わっていたが、壮士はまさに旬だった。
活躍しているサッカー選手との恋愛に千冬は浮かれた。浮かれて、そして思うようになった。
私「たち」の旬はいつまでか。(中略)
浮かぶどの言葉にも、壮士を含んだ光景が見える。
いつか別れるだろう人が、こんなにも自分のなかにあふれている。
ねえ、と千冬は声をかける。「Tではじまる言葉、何が思い浮かぶ?」手をのばして、
壮士の手を握る。その言葉に自分たちのこれからがかかっているかのように、
千冬は祈るような気持ちでその言葉を待つ。”(角田光代)
”もちろんプロになった時から「引退」という言葉は頭のどこかにあった。
始まったものはいつか終わるという単純な意味での「引退」だ。
しかし今シーズンに限って、別の「引退」が頭にちらつく。
始まったものが終わるのではなく、終わったものが始まるという意味での「引退」だ。
結婚か、と気づいた瞬間、さっきの「終わったものが始まる」という意味が少し違って
見えてくる。(中略)
千冬と眺めるこの「T」は、いったい何の「T」だろうかと思う。
壮士は千冬の横顔を見つめた。
浮かんできたのは「Trust」の「T」だった。”(吉田修一)
男と女は違うなあ、とつくづく思ってしまいます。
違うからこそ、面白いのでしょうけど。
次週のストーリーが楽しみです。
「ティファニーとともに幸せな週末を 女と男、二つの物語」
http://www.asahi.com/ad/tiffany2014/