メアリー(マッケンナ・グレイス)は、フロリダで叔父と暮らす7才の女の子。
モーターボートの修理をする叔父フランク(クリス・エヴァンス)と、小さな家でつつましくも
幸せに暮らしていたが、彼女は数学の超天才児(ギフテッド)であった。
地元の小学校ではとても面倒見切れない、天才児のための特別学校に入れた方がよいと。
ボストンに住むメアリーの祖母イブリンも同様のことを言って、メアリーを引き取ろうとする。
しかしフランクは頑なにそれを断り、メアリーを普通の学校に行かせようとする。
それには、フランクの姉アドラー(メアリーの母)の悲しい願いが込められていた。
アドラーもまた数学の天才であり、その母イブリンによって数学だけの英才教育を施され、
恋も友情もろくに知らないまま、メアリーを産んですぐ自殺してしまったのです。
そのアドラーの遺志、そして姉の悲劇を繰り返したくない、メアリーには
普通の子どもらしく生きて欲しいという、フランクの強い思いがあったのです。
それでも、MIT(マサチューセッツ工科大学)の教授の手に負えない数式を
オモチャのように解いてしまうメアリーにとって
「1+1=2」の小学校1年生の授業が退屈でない筈がない。
メアリーは学校で問題を起こし、フランクは追い詰めらる。
イブリンは裁判を起こして、フランクから親権を奪い取ろうとする。
形勢不利になりながら必死に法廷で闘うフランクに
あなたのしていることが正しいと確信が持てるか?と問いかけられるシーンがあります。
彼は、分からないと。
子育てに正解なんてない。
天才児であっても、そうでなくても。
我家の息子たちはなんとかグレもせず、社会的に自立するまでに成長しましたが
それは殆ど奇跡のようなものだと私は思っています。
ましてや数百万人に一人と言われる天才児を、どう育てたらよいのか?
フランクと一緒に暮らしたいと泣き叫ぶ幼いメアリーを、彼から引き離して
英才教育を施すことが、本当に彼女にとって良いことなのか?
独断的にしか見えないイブリンもまた、メアリーの幸せを祈っているのです。
話は一体どういう決着を迎えるのか、最後まで目が離せませんでした。
「(500)日のサマー」のマーク・ウェブが監督。
公式HP http://www.foxmovies-jp.com/gifted/