クルーズ船から降りて、最後にアテネを観光しました。
それまで廻った地方やエーゲ海の島々のノンビリさに比べて
確かにアテネ市内は、多少違うような雰囲気を感じました。
銀行は閉鎖され、ATMの前には人々が長い列を作っている。
シャッターが下りた店も多く、そこには酷い落書きがされている。
ほんの一泊しただけで何が分かるかとも思いますが。
アクロポリスというのは「上の都市」という意味なのだそうです。
BC12世紀頃から造られ始め、BC5世紀の頃最盛期を迎えたという、
小高い丘の上にある歴史遺産。
古代ギリシャ建築の最高峰といわれるパルテノン神殿を始め、
アテナ・ニケ神殿やディオニッソス劇場など、巨大な遺跡が広がります。
しかしまあ、人が多いこと。
私が今まで見て来た建物だけの写真はどうやって撮ったのだろう?と
不思議になるくらい、世界中からの観光客で溢れている。
その近くに「アクロポリス博物館」があり、遺跡の中の彫刻などの
本物はこちらに移してあります。
大英博物館に取られてしまった部分も多いようですが。
この博物館はまだ新しく、エントランスの辺りの地下はこんな風になっていて
驚かされます。
中野京子著「名画の謎ギリシャ神話編」の中に、こんな言葉が紹介されています。
「人間には二種類ある。ギリシャ人と、それを羨む奴ら」
古代文明を発祥させ、その哲学・芸術・科学を通してヨーロッパ文化の礎を築いた
ギリシャ人は、国の栄えたのが古代のみということもあり、いっそう気位だけ
高くなった、という皮肉たっぷりのジョークなのだそうです。
この巨大な遺跡を見て、そのジョークがほんのちょっぴり分ったような気がしました。