Zooey's Diary

何処に行っても何をしても人生は楽しんだもの勝ち。Zooeyの部屋にようこそ!

「英国総督 最後の家」

2018年08月29日 | 映画


1947年、インド返還のため最後のイギリス総督に就任したマウントバッテン卿。
500人もの使用人が使える豪壮な総督官邸を舞台に、返還後のインドをどうするべきか、連日連夜の討論が行われる。
国民会議派のネルー(ヒンズー教)、ムスリム連盟のジンナー(イスラム教)、
平和一国主義のガンジーと交渉するが、結局、統一インドをあきらめる。
英領インドを「インド」(ヒンズー教・シーク教)と「パキスタン」(イスラム教)へ
分離独立させると、いわゆるマウントバッテン裁定を発表する。
そこに官邸に仕える秘書官ジート(ヒンズー教)と令嬢の世話係のアーリア(イスラム教)の
切ない恋愛が絡まって…



一個人の家に500人の人間が仕えるということがどういうことなのか、
字面からは理解できないのですが、画面を見ると納得します。
大広間と迎賓室がそれぞれ34部屋、食堂が10部屋。
とりもなおさず、かつての大英帝国がいかにインドを搾取していたかということか。
しかも、マウントバッテン卿があれだけ苦悩して出した分離独立という結論は
あらかじめチャーチルを代表とする英国政府が決定していた方針だったのですね。
独立させた後も、何処までも自国の利益を守ろうとする大国の老獪な決断。



そして、一つの国を宗教別に二つの国に分離独立させるということの裏に
どれだけの衝突、暴動、報復、虐殺があったかということに、愕然とします。
政治家が引いた国境線の為に1400万人が移動し、死者の数は100万人に達したと。
歴史の教科書の「分離独立」の一言では分からない、こうした庶民の悲劇の一端が
映画の画面から窺い知れます。
こうした骨太の作品が、東京でたった一館で上映というのは残念。



エンドロールに一枚の白黒家族写真が。
その大移動で夫を亡くしながらも生き延びたその写真の女性の孫が
この映画の監督、インド系イギリス人のグリンダ・チャーダ。
前作「ベッカムに恋して」では、様々な民族の慣習に縛られながらもサッカーに打ち込む
インド系イギリス人の女の子を、生き生きと描いていました。

Viceroy's House http://eikokusotoku.jp/

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ビビリ犬三態

2018年08月28日 | 家庭


このところ、不安定なお天気が続いています。
いい加減蒸し暑くて我慢できないと思っていたらいきなりゲリラ雨、
そして激しい雷。
この写真は、26日日曜日の夕方撮ったものですが
後方に映っているのは「かなとこ雲」というものだそうで、
この後の夜遅く、この雲の下で激しい閃光がずっと続くのが見えました。
タロウはバルコニーに飛び込んできた蝉を食べた直後。
日頃、体に良い食べ物を与えているつもりなのに、蝉とは。
その生臭い口で、私の顔を舐め回さないでおくれ~!



昨夜はまた激しい雷雨。
我家は高台にあり、リビングは窓ばかりなので見晴らしがよく、
空を切り裂く稲妻の天体ショーが始まると、物凄い迫力なのです。
私の膝の上から離れないビビリタロウ。
新聞が読めません。



お仲間と遊んでいる時は幸せだったのにねえ。
久しぶりに来た次男のお土産、左から二番目の黒柴君が新入り。
近年タロウの破壊力が弱まったので、古いものも中々捨てられません。

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猛暑の日のカンツォーネ

2018年08月26日 | お出かけ


8月も終盤だというのに、まだまだ暑い日が続いています。
昨日も35℃の猛暑の中、築地市場でお昼を。
その辺りに詳しい友人に案内してもらって、こんな食堂に入りました。
写真は「どんどん丼」「メバチマグロとネギトロ丼」「サーモンとイクラ丼」。
この古い市場が今年の秋に終了してしまうというのは、やはりちょっと寂しい。



向いの朝日新聞社ビルに移動して、カフェ・コリントで食後のコーヒーを飲む筈が
こちらの名物という、フルーツてんこ盛りのパンケーキを頼むことに。
友人とシェアして、なんとか頂きました。
素朴なパンケーキも少々古めかしい店内も、昭和の香りが漂っていました。
(生クリームが崩れているのは、笑い過ぎて携帯を落としたからです)



午後、朝日浜離宮ホールで「夏の祭典ナポリターナ競演 Le Canzoni di Napoli」。
SNSの友人稲垣成人氏がこちらで歌うというので、共通の友人数人と押しかけたのでした。
カンツオーネって、イタリアのちょっと古い有名な歌謡曲、或いはナポリ民謡という
イメージしか私は持っていなかったのですが
その大きなコンテストが毎年、日本でも開かれていたのですね。
もう24回にもなるのだそうです。
そちらでの上位入賞者が十数人集まって色々なカンツオーネを歌い上げるという、
陽気で楽しい催しでした。
ゲスト出演のオペラ歌手、村上敏明氏が「オー・ソレ・ミオ」でトリを。
私はこの人の歌は、新国立劇場で何度もお聴きしていたのでした。
普段は冗談を言い合っている稲垣氏、タキシードのお澄まし姿で。



その後、そのメンバーの共通の友人の父君、牛玖健治氏を偲ぶという本郷の個展へ。
赤門の前の、ごく小さな画廊「愚怜」。
こちらも私は初めてだったのですが、その画廊主がSNSの別の友人と知り合いであることが判明。
友人の輪がどんどん広がるのは嬉しい限りですが…
収集がつかなくなりそうです。

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黄色の花の三段活用

2018年08月25日 | 家庭


元気なミニヒマワリと清楚なリンドウの蕾の花束。
夏らしくて素敵!と飾ったのですが…

3日も経たないうちに、ヒマワリはがっくりとうなだれてしまいました。
リンドウの花は蕾のまま、薄茶色に。
ちゃんと水切りもしたし、毎日水替えもしたのに。
根性なしのヒマワリとリンドウを捨て、小さなアレンジメントに。



葉っぱと黄色のスターチスは元気だったので
白百合と小菊を足してみました。
最初の日からもう10日以上経ちましたが、まだ楽しんでいます。



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デジタルアート・ボーダレスお台場

2018年08月23日 | お出かけ


お台場にこの夏オープンした「MORI Building DIGITAL ART MUSEUM: teamLab Borderless」に
行って来ました。
世界初というデジタルアート美術館、あらゆる点で桁外れであり、常識外の企画です。
1万平方メートルの空間に520台のコンピューター、470台のプロジェクターが
備え付けてあるのだそうです。



コンセプトは「Borderless(ボーダレス)」。
この言葉の中には「作品と作品の境界」「作品と鑑賞者の境界」「自分と他者との境界」のない世界を
自らの身体を使って体感するという意味が込められているのですって。

<

ここに関しては文章で説明する自信がまーったくありませんので
写真をお楽しみください。
写真も山ほどあるのですが、とりあえずそのごく一部の「ランプの森」を。
このランプ、人の存在を感じ取ることで光の明るさや色合いを変え、
他のランプに光りと音を伝播し、最後にそれが最初のランプに戻って来るのだそうです。



観るだけでなく、触って、蹴って、登って、滑って、叩くことができます。
一言付け加えると、私はここに4時間いましたがまるで足りませんでした。



公式HP https://borderless.teamlab.art/jp/

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マンゴー尽し

2018年08月19日 | グルメ
この夏、美味しく食べたマンゴーのランク付けを。



第一位は、リーガロイヤル・ホテル東京、ガーデンラウンジのマンゴー・ミルフィーユ。
美味しいけれど食べにくいバターたっぷりのミルフィーユとマンゴーをサクサク別盛り。
隣に添えられたソフトクリームも濃厚で夢のように美味しい。



第二位は、果実園リーベル目黒店のマンゴーパフェ。
果物を看板にしているお店だけあって、完熟マンゴーのみずみずしいこと。



第三位は、渋谷SuzuCafeのマンゴーアイスとパイのジャーパフェ。
マンゴーが冷凍物なのは残念ですが、底の方にカステラやナッツ、ベリー、シリアル等
入っていて飽きません。



オマケ。
宮古島のマンゴーと涎いっぱいタロウ。

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猫侍の謎

2018年08月17日 | 社会


以前、SNSでこんな絵を見ました。
猫耳兜を被った戦国武将が猫を繋いで散歩させている?
「着甲武人猫散歩逍遥図」なんてもっともらしい名前がついているけれど
これって本物なの?
と思ったら野口哲哉作って。
どういうこと?
よく分からないままに、妙に心に残りました。



銀座のポーラ美術館でその野口哲也氏の展覧会「From Medieval With Love~中世より愛をこめて」。
鎧をまとった侍の人形や絵が50点。
よく目にする、肖像画などに描かれた無表情の侍ではなく、
椅子に座って考え込んでいたり、頬杖をついたり、ぼーっとしている侍たち。
「武士の心を知る前に人の心を知りたい。鎧を纏う人々の中に僕達と同じ感情を探してみたいと思います」とは、パンフレットにある野口氏の言葉。



作品の横についているキャプションがまた、面白い。
この「Old Man」という題名の小さな額には
「箱の中の昆虫が小さな人に見えることがあります。
 反対に、鎧を纏った人間が大きな昆虫に見えることがあります。」



「日本の兜を被ったレンブラント」
晩年破産したレンブラントの財産目録には、日本の兜があったのだそうです。
浪費散財をし尽くした彼は異国の兜を手に入れた後、何度かそれを被ったかもしれないと。



そりゃ侍と言えども、人間だもの。
いつもいかめしい顔をしてる訳にはいかないよね。
落ち込んだり人生を儚んだり、恋に苦しんだこともあったかも。
その自由度はうんと制限されたでしょうけれど…

「着甲武人猫散歩逍遥図」http://blog.livedoor.jp/montagne104/archives/1968157.html
展覧会 http://www.po-holdings.co.jp/m-annex/exhibition/index.html

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アメリカの闇「ウィンド・リバー」

2018年08月16日 | 映画


ネィティブアメリカンの保留地が抱える、アメリカの闇を描き出したクライムサスペンス映画。
ワイオミング州にある、雪深い先住民居留地ウインド・リバー。
マイナス30度にもなる過酷な地で、レイプされ殺された先住民の若い女性の遺体が
見つかったことから話は始まります。



先住民居留地での事件は、州警察では取り扱えないとか色々な取り決めがあるようで
派遣されてきたのは、FBI捜査官の新人ジェーン(エリザベス・オルセン)一人。
極寒の地で着るべき防寒着すら用意していないという世間知らずの若い女性が
どうやってこの事件に対処するのかと不安にさせられますが
地元のハンターであり、かつて先住民の女性と結婚していたコリー(ジェレミー・レナー)の
協力を仰いで、丹念な捜査を開始します。
何といっても、同じ若い女性という立場での被害者への熱い思いが
彼女の原動力であったような気がします。
そしてコリーは、かつて自分の娘を同じような状況で無残に殺されていたのでした。



過酷な地に追いやられた先住民たちの絶望。
ろくに産業も仕事もなく、一般社会からは隔てられ、あるのは酒とドラッグ。
殺されても失跡しても、国はその数をカウントさえしない。
誰もが銃を持ち、何かと言えば撃ち合いになる。
西部劇そのままの無法地帯がそこにあるのです。
これではアメリカで銃規制なんてとんでもない夢物語だと
改めて思わせられてしまう。



ジェーンとコリーの体当たりの捜査により、犯人は突き止められますが
結末には重い絶望が横たわります。
最後のテロップに「数ある失踪者の統計にネイティブ・アメリカンの女性のデータは存在しない。
実際の失踪者の人数は不明である」と。
新人捜査官ジェーンが粘り強く頑張り、どんどん成長していくのが、唯一の救いか。
猛暑の中、悲しいまでに寒い思いにさせられた秀作でした。
監督はテイラー・シェリダン。

公式HP http://wind-river.jp/

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不名誉な日本一

2018年08月14日 | 社会


岐阜に帰省していました。
このところ、岐阜の多治見市や美濃市などが40℃を超え、
日本一暑いという不名誉な形容詞がついてしまいました。
私が帰っていた数日間も、とにかくうだるように暑かった。

故郷を離れて数十年、特に愛郷心もないのですが、
地理的には日本の真ん中辺に位置するというイメージの岐阜が、何故そんなに暑いのか?
沖縄や鹿児島よりもはるかに北なのに?

理科に弱い文系女の素朴な疑問をネットで見てみたら
どうやら、1.フェーン現象 2.ヒートアイランド現象 3.とにかく盆地で緯度も低い!というあたりが、
理由であるらしい(その詳細はリンク先に)。

私の実家も夫の実家も、多治見市でも美濃市でもないのですが、
岐阜県南部の美濃地方という大きな括りでは同じです。
ヘタレな私は呼吸するだけで精一杯。
身内がとりあえずなんとか元気でいること、
もぎたてのイチジクを嫌という程食べられたことを、ありがたいとするべきか。
にしても、暑かった…


(人が住まなくなって3年、どんどん荒れて来た実家)

岐阜県全体が暑い理由はなぜ? http://eitocu.com/archives/2170
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映画3点一口評「カメラを止めるな!」他

2018年08月10日 | 映画


「カメラを止めるな!」
東京の小さな映画館2館で始まったこの作品、あっという間に全国100館に。
東京都内の映画演劇専門学校に講師として招かれた上田監督が、講座の受講生を出演者にして撮ったのですって。
SNSで騒ぎ過ぎではないかとも思いますが、涙が出るほど笑いました。
映画に関わる人たちの、映画愛に溢れた作品です。



「ヒトラーを欺いた黄色い星」
あの戦時下、ナチスのお膝元ベルリンに7千人ものユダヤ人が隠れていたとは。
そのうち1500人が生き延びたという、驚くべき史実。
4人の生存者の証言をもとに、話は展開します。
ドキュメンタリー映画のようで、あまりにもエンタメ性に欠けるのが少々残念。



「スターリンの葬送狂騒曲」
「粛清」という名の大量虐殺をしたスターリンの死後の、
廷臣たちの卑劣で残忍な跡目争いを描いたブラック・コメディ。
倒れたスターリンに医者を呼びたくも、優秀な医者はすべて粛清されていなかったというジョークのような話は、事実であったらしい。
コメディと言っても笑える類の話ではなく、あくまでも暗く、重い。
イギリス・フランス・ベルギー合作、ロシアでは上映禁止。

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