Zooey's Diary

何処に行っても何をしても人生は楽しんだもの勝ち。Zooeyの部屋にようこそ!

メキシコ旅行⑮ラスト

2019年12月31日 | メキシコ・キューバ旅行2019
(モロ要塞から見た夕陽)

岐阜に帰省しています。
最後に一言書いておかなくちゃ日記。


ハバナ空港で行方不明になったM氏のスーツケース。
その後、添乗員のS孃が空港や航空会社に何度も何度も問い合わせたそうなのですが、杳として行方は分からず。
着の身着のままのM氏は、あちこちで衣服や生活用品を買い求め、少なくとも見た目はめげた様子もなく明るく逞しく、なんとか旅は続行しました。
そして9日間の旅の終わりがけ、最後の最後までエアロメヒコは遅れまくり、予定の15時間のフライトが17時間となって、ようやく成田空港に到着したのでした。



(ハバナ旧市街)


ツアーメンバーほぼ全員があきらめていたのですが。
成田のターンテーブルに、M氏のスーツケースが現れたのです。
そして、みんなが固唾を呑んで見守る中、M氏がそれを開けると…



(カンクンのビーチ)

底から、ビニール袋に入った5万円入りの財布、クレジットカード2枚、携帯電話がそのまま現れたのでした。
思わず拍手が起こりました。

あれは一体何だったのか?
9日間、スーツケースは一体何処に行っていたのか?


しかしまあ、何はともかく、スーツケースは無事に現れました。
ハッピーエンドをここに報告できることを、嬉しく思います。
皆さま、よいお年をお迎え下さい。

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メキシコ料理⑭食事編

2019年12月27日 | メキシコ・キューバ旅行2019
(メキシコシティのレストランの入り口にあった飾り)

今日は大掃除、そして帰省の準備に追われました。
年内に書き上げなくっちゃ、メキシコ紀行。

メキシコ料理といったらタコスです。
ご存知、トウモロコシのトルティーヤで色々な具を包んで食べるもの。
タコスは複数形であって、単数だったらタコ(taco)というのですね。
これはもう様々な形で、様々なモノを挟んで出て来ました。



メキシコの主食はトウモロコシです。
ホテルの朝食は何処もビュッフェスタイルだったのですが、
茹でたトウモロコシのカットが山盛りにあったので、小さなのを一つ齧ってみました。
パサパサでそれほど甘くもない。
日本のトウモロコシの方がよっぽどみずみずしくて甘い。

まあこれは、他に関しても言えることで、例えば果物。
ホテルでは毎朝、スイカ、マンゴー、パパイヤ、メロン、ブドウ、パイナップルなど山盛り。
最初は喜んでお皿に取ったのですが、どれもたいして甘くない。
日本の果物が甘すぎ、上等すぎて、それと比べるのが無理ということでしょう。



メキシコ料理、そして辛い。
タコスにも他の料理にも、幾種類かのソースが付いて来ることが多いのですが
その中には、ちょっと舐めると飛び上がるほど辛いものがありました。
さすがハバネロの産地です。

私は海外に行った時は基本、その国の料理を食べるようにしていますが
カンクンのホテルに幾つかあったレストランの中で最後の夜、鉄板焼きの店を選んでみました。
ちょっと怪しい和風インテリアの店内ですが、鉄板を囲む広々としたカウンターに案内され、思わず期待しました。



元気なコックさん、「I'll give you fantastic show and delicious cooking!」と叫び、
「アチョー!」という派手なかけ声と共に包丁をクルクル回したり、パフォーマンスしまくり。
最初に小さなアボガド巻きのお通しが出ましたが、お酢が効いていない。
次にmiso soupが出ましたが、味噌をお湯で溶いただけ。
そして、鉄板の上で野菜をめった切り、そこに大量のご飯を入れて炒めまくり、炒飯を。
細いパスタを入れ、かき混ぜて焼きそばもどきを。
次に牛、豚、鶏肉をやはりめった切り、炒めまくり。
更にはタマネギを三段に積み重ね、オイルを垂らし火をつけて「volcano!」と。



我々のお皿に提供された時にはもう、長時間炒めすぎて、肉はカチカチ。
牛も豚も鶏もゴチャ混ぜにされて、何を食べているんだかよく分からない。
これが和食だなんて思われたくない!という、ちょっと残念な鉄板焼きだったのでした。

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メキシコ旅行⑬殺されるのはどっちだ?

2019年12月23日 | メキシコ・キューバ旅行2019

先週の金曜日はジャズダンスの発表会、土曜日は甥の結婚式、
日曜日は義母たちを我家に招いたりしていて少々忙しく、日記のアップが遅れました。
もう少しだけ残っているメキシコ紀行、早く書き終えなくっちゃ。



ユカタン半島にあるマヤ文明の遺跡、チチェン・イツア。
ここには、マヤの最高神ククルカン(羽のあるヘビの姿の神)を祀るピラミッドがあります。
基底55.3メートル四方とやや小ぶりですが、この階段は4面の91段を合計すると364段で、最上段の神殿の1段を足すとちょうど365段なのだそうです。
北面の階段の最下段にククルカンの頭部の彫刻が。
春分・秋分の日に太陽が沈む時、階段の西側にククルカンの胴体が影となって現れるのだと。
そしてピラミッドの最上段には真四角な神殿があり、ここでもやはり生贄の儀式が行われたらしい。



これは戦士の神殿。
こちらの上部には、ククルカンの石柱と、例のチャックモールが。
ここでも沢山の心臓が捧げられたのですね。
生贄の首はその後切断され、骸骨のレリーフが施された祭壇に串刺し状に並べられたと。



ここには、古代メソアメリカ最大の規模だと言われている球戯場もあります。
長さは168m、幅は68mという巨大さ。
競技者の首が切られ、そこから7匹の蛇が飛び出し、花が咲くというレリーフも。



この球戯で、負けた方のチームが首を切られるという本を読んで驚きましたが
本によっては、名誉の生贄として、勝った方のチームが切られると言っています。
どちらであるかは今のところハッキリしていないらしいが
何しろ競技者たちの首が切られたことは事実であるらしい。
負けると殺されるというのと、勝ったら殺されるというのと
どっちが残酷なのか?
高度な天文学知識と残酷な生贄の儀式とが、私にはどうにも結びつかないのです。


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メキシコ旅行⑫セノーテの底には

2019年12月16日 | メキシコ・キューバ旅行2019

ユカタン半島の北部、ラス・コロラダスにあるピンク・ラグーンは今、
インスタ映えがするということで大人気なのだそうです。



ここは塩を取るための塩田なのですが、植物プランクトンの作用でこんな
ピンク色になるのですって。
季節、天気、塩を作る作業のタイミングによって、微妙に色が違うらしい。
この時は特に濃いピンク色ではないが、まあまあピンクであったということです。




そしてセノーテ・イキルへ。
セノーテとは、ユカタン半島の石灰岩地帯に見られる陥没穴に地下水が溜まった
天然の泉のことで、マヤ語で「聖なる泉」という意味らしい。
ユカタン半島には数千のセノーテがあるとされています。
セノーテ・イキルは水深40mあり、飛び込みもシュノーケリングもできます。
水着とライフジャケットを付けて、希望すれば飛び込むことができたのですが…
面白そうなことは大抵チャレンジする私ですが、今回は遠慮しました。



ものの本によると、セノーテはマヤの時代には地下世界への神秘的な入り口とされ、水底に雨の神チャックが棲んでいると信じられて、陶磁器や宝飾品、そして多くの人間が生贄として捧げられてきたというのです。
近くのグラン・セノーテでは、今のところ127体の遺体が見つかっていて、その79%が3~11歳の子供の遺体であったと。
セノーテによっては数年に一人、上がって来られた子どもがいたそうで、生き延びた子どもは讃えられ、その後の一生の生活を約束されたらしい。
逆に言えば、放り込まれた人の殆どが、そこで息絶えていたのですね。
ということが容易に納得できるほどに、セノーテは暗く深く、地獄の入口のようなのです。



大昔のこととはいえ、そんなにも生贄が放り込まれたセノーテに飛び込む気には、とてもなれなかったのでした。


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メキシコ旅行⑪カンクンのリゾートホテル

2019年12月15日 | メキシコ・キューバ旅行2019

ハバナから又メキシコシティに飛び、そしてカンクンへ。
カンクンの空港で驚いたことは、小型のオモチャのような飛行機が数え切れない程並んでいたこと。
アメリカの金持ちが自家用ジェット機で気軽に遊びに来るのか。
そして空港から出ると、そこはリッチな南国リゾート。
左はカリブ海、右はラグーン、その間を走るヤシの木が立ち並ぶ道に、巨大な高級リゾートホテルが乱立しています。



我々が泊まったホテルは、オール・インクルーシブ。
ホテル内に幾つかあるカフェ、バー、レストラン、何処で何を飲み食いしても、宿泊費に含まれているという、リゾートホテルによくあるシステムです。
キューバで現地の人々と観光客との生活レベルのギャップを実感させられて、少々後ろめたいような思いをしていたので、これで気兼ねなく遊べるかと。
ホテルにはプール、プライベートビーチもついている。
ホテル内のレストラン、外のナイトクラブなどで英語が通じるのも嬉しい。



しかし、そこはやはりメキシコでした。
ノンビリしているというか、ルーズなことも度々。
ホテルに夜遅く帰ってお風呂に入り、ドライヤーを使おうと思ったら壊れている。
フロントに電話して壊れていると訴えると、違うのをお持ちしますと。
30分待っても来ない。
さっきお願いしたのだけど、ともう一度かけると
あ、これから行きますと。
そして誰も来ませんでした。



結局、カンクンではドライヤーなしで過ごしました。
ショートカットでよかった。
後で添乗員のS嬢に話すと、自分は3回電話して怒鳴って、ようやく持って来たと。
そこまでしなくちゃいけなかったのか(@@)
日本の一流ホテルでそんなこと、考えられません。


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メキシコ・キューバ旅行⑩ハバナクラブ

2019年12月14日 | メキシコ・キューバ旅行2019


ハバナクラブはキューバの代表的なラム酒ブランドの名前です。
ハバナにあるその博物館では、1830年代のラム酒工場のジオラマ模型があり、当時どのようにラム酒が作られていたかを見せてくれます。
精巧に作られたジオラマ模型の周りには、蒸気機関車も実際に走るのです。



その頃のラム酒は、アフリカから連れて来られた黒人奴隷たちによって、劣悪な労働条件の下で造られていたのですね。
ハバナの郊外の広大なサトウキビ畑の周りには、奴隷たちが逃げ出さないように見張る高い監視塔があったといいます。
子どもの頃読んで涙した「アンクルトムの小屋」のような過酷な世界、人身売買や拷問やレイプが普通に行われていた世界が実際にあったのでしょうね。



2階が博物館、1階は中庭とバーになっていて、ラム酒の試飲ができます。
あまりにも強いので、下戸の私は舐めた程度。
左手前にいる女性は、チップを払えばニッコリ笑って写真を撮らせてくれます。
そうでない時は仏頂面。
そのギャップが面白い。
バーの隣では、ここでも陽気な音楽隊がキューバ音楽を奏で、それに合わせて人々が楽しそうに踊っていました。



その後訪れた、土産物屋が集まった市場。
ハバナではスーパーや食料品店などは全然目にしませんでしたが、観光客向けの土産物店はあちこちにあったのです。
一枚10ドルのTシャツを、交渉の末2枚なら18ドル、3枚なら27ドルということで、3枚を買おうとしたのですが、お金を払う段になってドルなら手数料が要る、33ドル払えと言い出したのです。
しかも店の人間3人ほどで囲んで睨みつけ、逃がそうとしない。
その時は普段温厚な夫がさすがに怒って、最初からドルでいくらと交渉していたのにそんな話は聞いていない!と怒鳴り、なんとか27ドルで購入したのでした。
大体、平均月収が50ドルという社会で、Tシャツが10ドルというのもなんだかなあとは思うのですが、ダブルスタンダードであれば仕方ない。
しかし、せっかくキューバの人々は陽気で楽し気というイメージを持っていたのに、残念なことでした。

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メキシコ・キューバ旅行⑨ヘミングウェイ尽し

2019年12月12日 | メキシコ・キューバ旅行2019
ヘミングウェイはアメリカ人でありながら22年ものを歳月をキューバで過ごし、
その作品の殆どをキューバで書き上げたのだそうです。



彼が足繁く通ったというボデギータ・デル・メディオでランチ。
ここで彼がいつも飲んだというモヒートを。
陽気な音楽隊がやって来て、キューバ音楽を奏でてくれます。



別の日には、やはりヘミングウェイのお気に入りのフロリディータで夕食を。
ここでは彼は、フローズン・ダイキリと決めていたのですって。
どちらもラム酒をベースにした、口当たりのよいカクテルでした。
白いクロスがかかった、ハバナでは多分最高級のレストランでしょうが、前菜が写真の通り。
お料理はまあ、言わずもがなと言ったところ。



カウンターの奥がヘミングウェイの定席だったそうで、今はその像が座ってました。
どちらのお店も基本、外国人しか行けないようです。



ここは郊外の彼の家で、ヘミングウェイ博物館になっています。
小さな丘が丸ごと彼の家だったようで、上って行くと木に囲まれた家が頂上に。
入館者はその外をぐるりと回って、居間、キッチン、寝室など家の中を窓から覗き込むようになっています。



南国の木が茂る森のような庭の中には、小さなプールもボートもあります。
ボートの前に墓石が4個並び、ヘミングウェイの奥方たちのお墓かと思ったら、愛犬のお墓なのですって。
こんな眺めの良い家で愛犬や愛猫に囲まれて、好きなように海に出て釣りをし、それでも文豪は心を病んで、ショットガンで自殺してしまったのですね。
「老人と海」の舞台になったという、コヒマル海岸にも行きました。



「老人と海」を中学生の時に読んだ時、私はちっとも好きになれませんでした。
何ケ月も不漁だった老人が海に出て、大きなカジキを3日かかって仕留めるが、鮫の群れに追いかけられ、港に辿り着いた時には骨しか残っていなかった。
こんな空しいストーリーの、何処が面白いの?と思っていました。

数十年経って今回読み直してみても、基本的に感想はそんなに変わらなくて自分にがっかりしましたが、老人が若い頃見たアフリカの光景を思い出すシーン、少年が老人を思いやる気持ちに胸を突かれました。
「少年がかたわらに坐って、その寝姿をじっと見守っている。
 老人はライオンの夢を見ていた。」
という、ラストの文が好きです。

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メキシコ・キューバ旅行⑧キューバの不思議

2019年12月09日 | メキシコ・キューバ旅行2019

キューバでお世話になったローカルガイドは、元気で明るいキューバ人のY嬢でした。
ハバナの大学で日本語を学んだという彼女、実に上手に日本語を話し、日本文化に詳しく、「日本が死ぬほど好き!」というのです。
キューバでは基本、個人の海外渡航は許されていないのだが、彼女は日本人の知り合い(以前のツアーガイドで知り合ったらしい)から「招待」され、去年、日本に初めて遊びに行き、何から何まで夢のようだったと。
その彼女に様々なことを質問すると、嫌がらずに丁寧に答えてくれました。



彼女によると、キューバの平均月収は50ドルだというのです。
食料は配給制だが量も種類も非常に少なく、例えばパンは一日一人一個、卵は1ヶ月に5個。
そのパンも、私たちがホテルで食べるようなふわふわの物ではなく、小さくて硬い。
スーパーに行っても棚はスカスカ、配給される食品も乏しく、本当に物が無いのだと。


これは旧市街の八百屋。奥の方に野菜がちょっぴり。

私が泊まったホテルは500室以上の立派な建物で、大きなプールやテニスコートもあり、部屋もゆったりとして、朝食はビュッフェスタイルのリッチなものでした。
ハバナ滞在中に行ったレストランも、ヘミングウェイが愛したフロリディータを始め、何処も中々立派なものでしたが、そのようなホテルも店も基本、外国人専用であるらしい。
街を疾走するピカピカのクラッシックカーも、外国人用の観光タクシー。
地元の人たちは…そもそも車なんて普通の人には買えないのだと、Y嬢の弁。



キューバでは教育費と医療費は無料。
それは素晴らしいが、一生懸命に勉強しても望むような就職先がない。
しかもどんな職業についても公務員であり、給与はたいして変わらないので勤労意欲が湧かない。
医療現場でも、薬や用具は慢性的に不足しているのだと。

普通の人はインターネットできるの?と聞くと
できるにはできるが、機器もネット料金も高いし、監視付き。
FaceBookはできるが、例えばお上の悪口など、言いたいことは言えないのだそうです。
大体、月収50ドルでスマホやPCをどうやって買うのだろうと思ってしまう。
彼女は人気ガイドとして成功者の部類のようで、スマホを使っていましたが。



日本の物質文明を知ってしまった彼女はしかし、日本にまた行くことが夢だけど、日本に住みたいとは思わない、やはり住むのはキューバがよいと。
様々な不満は「しょうがない」とあきらめて、キューバ人は家族や友人を愛して明るく生きるのだと。
確かに街を歩くと、あちらでもこちらでもラテンやジャズの音楽が聞こえ、人々は陽気に踊っている。
「ブエナ・ビスタ・ソシアルクラブ」のワンシーンのように、通りで、広場で、レストランで、本当に老いも若きも楽しそうに踊っているのです。
そんなに不自由な生活なのに、どうして?
私の胸の中には疑問符が渦巻くばかりだったのでした。



こちらのサイト「月額平均給与が30ドルのキューバ人はどうやって生きているのでしょう?」によれば、2016年のキューバの平均月収は30ドル。
この人はキューバで暮らし、旅行するのと生活するのがいかに違うかを、写真付きで説明してくれています。


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メキシコ・キューバ旅行⑦キューバって…?

2019年12月08日 | メキシコ・キューバ旅行2019
私が抱いていたキューバのイメージといったら
チェ・ゲバラ、カストロ、サルサ、葉巻、ラム酒、社会主義国といったところでしょうか。
1997年のキューバを舞台にした映画、ヴィム・ベンダースの「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」は、老ミュージシャンたちの生活を追ったようなドキュメンタリー仕立ての映画で、古ぼけた街並の昼下がりを廃車寸前のポンコツ車が走っているのが印象的でした。
映画「モーター・サイクル・ダイアリーズ」はチェ・ゲバラの半生を描いた青春ロードムービー。
これは結構面白かったので原作も読みましたが、チェ・ゲバラの若き頃の南米放浪記といったもので、キューバはそんなに出て来なかったのです。
最近観た「セルジオ&セルゲイ」は、ハバナの庶民がロシアの宇宙飛行士を無線で助けるというファンタジーで、貧しい暮らしも陰湿な公安係もユーモアではねのける逞しさに笑えました。



今回、例によって旅行の前にキューバにまつわる本を多少読みましたが
その生活は中々に不自由なものであるらしい。
食料品は未だに配給制、通貨は国民用と外国人観光客用とで違うのですと。
慢性的な外貨不足を抱えているため外貨流出を防ぐ目的で、現地人通貨と外国人通貨とを区別する二重通貨制を1994年に導入したのだそうです。
しかし慢性的に物不足、GDPは低く、その生活は決して豊かではない。



スペインの侵略によって16世紀に原住民はほぼ絶滅し、今暮らしているのは征服者や労働者として後からやってきた人々であり、スペイン系の白人、アフリカ系黒人、ムラート(黒人と白人の混血)、メスティーソ(白人と中米先住民の混血)等々。
そうした複雑な社会状況と悲しい歴史を抱えているというのに、しかしキューバの人々は陽気で明るいと、私が読んだ本は一様に言うのです。
確かに、英国の環境保護団体Friends of the Earthによる143か国を対象にした「幸福度指数(2009年)」で、キューバは世界第7位(日本は75位)であると。
そりゃ欝に悩むキューバ人って、あんまり想像できないなあ…




そんな状況なのに何故?
それを知りたい!というのが行く前の率直な思いでした。




(写真のピカピカのアメ車は、観光客用のタクシーでした)

参考にした本
「キューバへ行きたい」 板垣 真理子
「素顔のキューバ案内 」伊東 淳史
「キューバ」伊藤 千尋
「モーター・サイクル・ダイアリーズ」エルネスト・チェ・ゲバラ
「キューバでアミーゴ!」たかのてるこ
「表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬」若林 正恭

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メキシコ・キューバ旅行⑥スーツケースの行方

2019年12月07日 | メキシコ・キューバ旅行2019

地図で見ると、メキシコシティの右にカンクンが、更にその右にハバナがあります。
だからその順に行けば楽なのですが、カンクンとハバナの間に丁度の飛行機便がなかったらしい。
なので、成田→メキシコシティ→ハバナ→メキシコシティ→カンクン→メキシコシティ→成田と飛ぶことになり、今回の旅行では飛行機に6回乗ったことになります。
アメリカ資本の影響を受ける前のキューバを見てみたい、せっかく近くに行くのだから。
そう思ったのですが、やはり大変でした。


チェ・ゲバラ第一邸宅

三都市の間はそれぞれ3時間ほどなのですが、何しろ飛行機が時間通りに飛ばない。
搭乗手続きや入国手続きにやたら時間がかかり、出発が遅れるのは当たり前。
日本の航空会社のように、定刻通りに事が運ぶなんてあり得ないのです。


20mのキリスト像

メキシコシティからキューバに飛んで、小さなハバナ空港に着いたものの、
小さなターンテーブルから夫のスーツケースが中々現れない。
20人のツアー・メンバーのうち、荷物が出て来なかったのは夫とM氏。
かなり待たされて夫のはようやく出てきたのですが、M氏のは遂に出て来ませんでした。
しかも夫、スーツケースの中を一目見て、荒らされてる!と。



今回の旅行で、スーツケースに鍵はかけないようにと添乗員のS嬢から言い渡されていました。
下手に鍵をすると、空港で鍵ごと壊されてしまうからと。
だからスーツケースの中が掻き廻されていても驚くほどのことでもなかったのですが、M氏はその中に、現金5万円とクレジットカードと携帯電話を入れていたというのです。
スーツケースの中に貴重品は入れないというのは鉄則ですが、70代の男性M氏、いつもそのようにして40回以上海外旅行してきたというのにもビックリ!
それで今まではずっと無事だったのですって。
その後観た光景は美しかったが、とんでもないハバナ滞在の幕開けでした。


モロ要塞から見たハバナの旧市街の日没 


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