NY生まれの作家アーウィン・ショーの「夏服を着た女たち」という短編集の中に
「フランス風に」(in the French style)という一篇があります。
結婚は考えずに適当に彼女と付き合っていた男が、2ヶ月間海外赴任をしてパリに戻り、
いつものように彼女を呼び出す。
喜んで付き合ってくれると思っていた彼女はどこかよそよそしく、
他の男と婚約していた。
「二ヶ月は長すぎたかな?パリでは」と訊く男に
「いいえ、長すぎないわ。パリだって、よその街だって」と彼女は答える。
その一言で、二人の仲が完全に終わったことを男は悟るのです。
”べドーズは身をかがめて、彼女にキスした。
はじめは片方の頬に、それからもうひとつの頬に。
「さようなら」そう言いながら自分は微笑を浮かべていると思った。
「フランス風だ。」
(中略)シャンゼリゼを凱旋門の方にただ歩いて行った。
独りでいるのは厭な夜だったし、どこかにもぐりこんで電話をかけ、
誰かに夕食をつきあってもらおうと思った。
電話のある店の前を2,3軒通り過ぎながら、店の前に来ると迷ってしまって
中にははいらなかった。なぜなら、その夜、この街で彼が会いたいと思う相手は
一人もいなかったのだ。”
確かにフランス映画の中では、両の頬にチュッチュッと何度もキスしている。
別の本によると、フランスのキスというのは
ビズ(bise)、ビズー(bisou)、ターンドゥル・ビズー(tendres bisours)、
ベーゼ(baiser)、ターンドゥル・ベーゼ(tendres baisers)、カレス(caresse)などと
友人や家族とするごく軽いもの、ちょっと軽いもの、ちょっと熱いもの、本気で熱いものなどと
幾種類もあるらしい。
子どもの頃からそれだけキスを使い分ける文化の中で育ったら、
そりゃキスも上手くなるよねえ。
私は今までに一体どれだけ、パリを舞台にキスを交わすシーンを
映画の中で観てきたのだろう…?
前置きが長くなりましたが
明日から10日間ほど、夫とパリに行って来ます。
飛行機とホテルだけ予約してあり、後は自由にぶらぶらするつもりです。
それでは…
写真は「にゃらん」より http://www.narinari.com/Nd/20120718517.html
「フランス風に」(in the French style)という一篇があります。
結婚は考えずに適当に彼女と付き合っていた男が、2ヶ月間海外赴任をしてパリに戻り、
いつものように彼女を呼び出す。
喜んで付き合ってくれると思っていた彼女はどこかよそよそしく、
他の男と婚約していた。
「二ヶ月は長すぎたかな?パリでは」と訊く男に
「いいえ、長すぎないわ。パリだって、よその街だって」と彼女は答える。
その一言で、二人の仲が完全に終わったことを男は悟るのです。
”べドーズは身をかがめて、彼女にキスした。
はじめは片方の頬に、それからもうひとつの頬に。
「さようなら」そう言いながら自分は微笑を浮かべていると思った。
「フランス風だ。」
(中略)シャンゼリゼを凱旋門の方にただ歩いて行った。
独りでいるのは厭な夜だったし、どこかにもぐりこんで電話をかけ、
誰かに夕食をつきあってもらおうと思った。
電話のある店の前を2,3軒通り過ぎながら、店の前に来ると迷ってしまって
中にははいらなかった。なぜなら、その夜、この街で彼が会いたいと思う相手は
一人もいなかったのだ。”
確かにフランス映画の中では、両の頬にチュッチュッと何度もキスしている。
別の本によると、フランスのキスというのは
ビズ(bise)、ビズー(bisou)、ターンドゥル・ビズー(tendres bisours)、
ベーゼ(baiser)、ターンドゥル・ベーゼ(tendres baisers)、カレス(caresse)などと
友人や家族とするごく軽いもの、ちょっと軽いもの、ちょっと熱いもの、本気で熱いものなどと
幾種類もあるらしい。
子どもの頃からそれだけキスを使い分ける文化の中で育ったら、
そりゃキスも上手くなるよねえ。
私は今までに一体どれだけ、パリを舞台にキスを交わすシーンを
映画の中で観てきたのだろう…?
前置きが長くなりましたが
明日から10日間ほど、夫とパリに行って来ます。
飛行機とホテルだけ予約してあり、後は自由にぶらぶらするつもりです。
それでは…
写真は「にゃらん」より http://www.narinari.com/Nd/20120718517.html