「怖い絵」シリーズの中野京子氏の講演を聴いてきました。
今日のテーマは「シンデレラ」。
中野氏によると、シンデレラに似た話は世界に500以上もあるのだそうです。
その中でも有名な、ペロー童話とグリム童話とディズニー版アニメを比較検討。
ペロー版シンデレラ。
貴族の娘である主人公は母を亡くし、継母とその娘二人にいじめられ、
家事労働を押し付けられて「サンドリヨン」(灰っ子)と呼ばれる。
名付け親である仙女の助魔法でカボチャを馬車に変えて貰い、豪華なドレスを着せられ、
お城の舞踏会に行き、魔法が解ける12時前にガラスの靴を落として帰る。
王子はその靴を手掛かりにサンドリヨンを探し、めでたく結婚。
義姉たちを優しく許し、宮廷にも住まわせた。
グリム版。
金持ちの娘が母を亡くして、継母と継姉にいじめられるのは同じ。
シンデレラは父親からハシバミの枝を貰い、それを大事に育てる。
成長した木に白い小鳥が来るようになり、シンデレラが願うものを与えてくれるようになる。
お城の舞踏会のドレスも貰いガラスの靴も、白い小鳥に用意して貰う。
二晩続けてシンデレラはお城に行き、三晩目に王子は階段にタールを塗る。
タールに残されたガラスの靴を手掛かりにシンデレラを探し、めでたく結婚。
義姉たちは、白い小鳥に目をつつかれて盲目となってしまった。
ディズニー版のストーリーは基本、ペロー童話と同じですが
宮廷色をなくしたこと、シンデレラがより活動的な女性であること、
継母が徹底的に黒幕であることが違うのだそうです。
そしてシンデレラはブロンド美人、継母や継姉は赤毛や黒毛の醜女であるという
西洋における固定観念がくっきりと画像化されていると。
シンデレラ類似話の最古版が中国にあったということで
ガラスの靴が異様に小さいのは、シンデレラは纏足であったからという説もあるのだそうです。
講演会場でサインを頂くために、「シンデレラ」の本をそこで買いました。
古い絵本の挿絵などがふんだんに盛り込んであり、
急ぎ足で終わった講演の内容が、ゆっくり確認できたのはよかった。
でも一番驚いたのは
見た目は私とそれほど変わらない年齢じゃないかと思われた中野氏が
いまだに携帯を持っていないとおっしゃったことでしょうか。
「中野京子シンデレラ」
https://tinyurl.com/y842gta2