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平和な人権が尊重される社会を目指し、マスゴミに替わって不正、腐敗した社会を追求したい。

日本政治を背後から動かす米・財務・法務の三角形

2012-04-02 21:20:03 | 植草一秀氏の『知られざる真実』


日本政治を背後から動かす米・財務・法務の三角形




新年度を迎えたところで、政治課題を整理し、今後の政局を考えてみよう。
 
 問題は山積している。震災、原発事故からの復旧、復興すら十分に進展していない。本来、政府はまず全力をあげて復旧と復興に取り組むべきだが、野田佳彦氏は言葉ばかりで、心も力も伴っていない。
 
 言うだけ番長はここにもいた野田。
 
 政治課題の三大テーマは、
 
消費増税、TPP、原発再稼働
 
である。
 
 さらに重要テーマを挙げれば、普天間、東電処理になるだろう。



消費増税に関連して何が問題になっているのかといえば、
 
1.「シロアリ退治なき消費増税阻止」の公約違反が明白なこと
 
2.社会保障・税一体改革と言いながら、「単なる増税」になっていること
 
3.財政赤字拡大の大半が循環要因によっており、このような局面での緊縮財政は事態を一段と悪化させる可能性が高いこと
 
である。
 
 世論調査で国民は、野田政権の消費増税案に全面的に反対している。
 
「シロアリを退治しないで消費税を上げるのはおかしいんです」
 
と街頭で声を張り上げた映像を見た人も増えていると思われる。
 
 さらに、この映像を情報拡散する必要がある。



2010年4月に読売新聞が報じた民事法情報センターに絡む金銭スキャンダル。香川保一氏という理事長が、この法人から無利子無担保で1500万円を借り受けていたことが判明した。
 
 香川保一氏は法務省官房長を経て最高裁判事を歴任した法務高級官僚OBで、上記法人に天下りをしていた。
 
 さらに、この天下り法人はある法人に事務所を又貸ししていたことが判明した。又貸しした先は、香川保一法律事務所。つまり、この法人の理事長である香川氏が経営する法律事務所に又貸ししていたのだ。
 
 この不動産を賃借するには、高額の保証金と敷金が必要だが、この保証金と敷金は天下り法人が支払い、香川保一法律事務所は、保証金および敷金を1円も負担していなかった。
 
 また、この天下り法人は、住宅地図に住居表示番号を入れるデータの提供で巨額の収入を得ていた。公的なデータを、一民間企業に提供するだけで、巨額の収入になる構造に、不透明な点はないのか。
 
 そのようなデータであるなら、広く民間に公開すればよいだけの話ではないのか。
 
 特定の事業者と何らかの癒着関係になかったか、調査が求められる。
 
 いずれにせよ、無数に存在する天下り法人のひとつの、こうした不祥事が報道で取り上げられた。



別の次元の話ではあるが、問題が二つある。
 
 ひとつは、これが、天下り利権の氷山の一角であるということ。2万5000人の公務員OBが4500の天下り機関に天下りし、そこに12兆円の国費が流れ込んでいることが、民主党の調査で分かった。
 
 その本当に氷山の一角がこの民事法情報センターであり、このような、いかがわしい天下り法人が無数に存在するのだ。
 
 こうした利権を排除できるのは、増税の前しかない。これらを除去しない限り増税を認めないとの方針が明確に示されない限り、こうした天下り法人を除去することは、ほとんど不可能だ。
 
 これが、「シロアリ退治なき消費増税阻止」の理由なのだ。






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もうひとつは、この民事法情報センターのケースでは、2010年5月8日に、突然、この機関が解散された。これとともに、このスキャンダル追及の動きが消滅した。
 
 同時に進行したのが、東京地検特捜部と東京第五検察審査会との共謀による、小沢一郎民主党元代表に対する強制起訴強制誘導の動きだ。
 
 検察審査会の事務局は最高裁事務総局が担っており、地検特捜部、法務省、検察審査会は、それぞれ密着した関係にある。
 
 政権内の法曹に強い国会議員が裏工作をして、法務省・最高裁の巨大スキャンダルをもみ消すことと、小沢氏を検察審会制度を利用して起訴に持ち込むこととが、取引されたのではないかとの見方が浮上している。
 
 これは、平野貞夫元参院議員による見立てである。
 
 2010年6月には、民主党政権内部で、実質的なクーデターが発生した。小沢-鳩山ラインが崩され、民主党内の対米隷属グループが権力を強奪してしまったのだ。
 
 このとき、菅直人氏が異様な発言をした。「小沢氏はしばらく静かにしていた方がいい」
 
 これは、政権交代を牽引してきた最大の功労者に投げかける言葉でない。
 
 他方、アメリカはどのような態度を取ったのかというと、すでに、2月3日、カート・キャンベル国務次官補はソウルでキム・ソンファン外交安保首席秘書官と会談し、その後、秘密文書をワシントンに打電した。





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