安倍首相が「読んでいない」ポツダム宣言 現代語訳だとこうなる
2015年05月20日 ハフィントンポスト日本語版
http://m.huffpost.com/jp/entry/7341178
5月20日に行われた党首討論で、共産党の志位和夫委員長は安倍晋三首相に、ポ
ツダム宣言に関する認識を質問した。
志位氏は「過去に日本が行った戦争は、間違ったものという認識はあるか。70年
前に日本はポツダム宣言を受け入れた。ポツダム宣言では、日本が 行ったのは
間違った戦争だったと明確に記している。総理はこの認識を認めないのか」と聞
いた。これに対し、安倍首相は「ポツダム宣言は、つまびら かに読んではいな
い が、日本はポツダム宣言を受け入れ、戦争が終結した」と述べた。
ポツダム宣言は、1945年7月26日、ドイツのポツダムにおいて、アメリカ・イギ
リス・中 国(のちにソ連も参加)が発した対日共同宣言。日本に降伏を勧告
し、戦後の対日処理方針を表明したものだ。では、その内容は、一体どんなもの
だったのか。英語で書かれた文書を現代語訳したものを紹介しよう。(※外務省
の日本語訳はこちら)。
ポツダム宣言
我々、アメリカ合衆国大統領、中華民国主席とイギリス首相は、我々の数億の国
民を代表して協議した結果、この戦争終結の機会を日本に 与えることで意見が
一致した。
アメリカ、イギリス、そして中国の陸海空軍は、何度も陸軍、航空編隊の増強を
受けて巨大になっており、日本に対して最後の一撃を加え る体制が整ってい
る。この軍事力は、日本が抵抗をやめるまで同盟国によって維持できるものだ。
世界中の自由な人々は立ち上がった。それに対してドイツが採った無益かつ無意
味な抵抗の結果は、日本の人々に対しても極めて明快な例として 示されてい
る。現 在日本に向かって集中しつつある力は、ナチスの抵抗に対して用いられ
た力―全ドイツ民の生活、産業、国土を荒廃させるのに必要だった力― に比べる
と、測り 知れないほど大きいものだ。決意をもって、我々の軍事力全てを投入
すれば、日本軍は壊滅し、また、日本の国土は焦土と化すだろう。
日本が決断する時は来ている。知力を欠いた身勝手な軍国主義者によって制御さ
れ続け、滅亡の淵に至るのか。それとも、理性の道を選ぶ のか。
我々の条件は以下の通り。条件からの逸脱はないものする。代替条件はない。遅
延も一切認めない。
日本の人々をだまし、間違った方向に導き、世界征服に誘った影響勢力や権威・
権力は、排除されなければならない。無責任な軍国主義が 世界からなくなるま
では、平和、安全、正義の新秩序は実現不可能である。
そのような新秩序が確立されるまで、また日本の戦争遂行能力が壊滅したと明確
に証明できるまで、連合国軍が指定する日本領土内の諸地 点は、連合国軍がこ
れを占領するものとする。基本的目的の達成を担保するためである。
カイロ宣言の条項は履行されるべきものとし、また、日本の主権は本州、北海
道、九州、四国及びわれわれの決定する周辺小諸島に限定するものとす る。
日本の軍隊は、完全に武装解除されてから帰還を許し、平和で生産的な生活を営
む機会を与えることとする。
我々 は、日本を人種差別し、奴隷化するつもりもなければ国を絶滅させるつも
りもない。しかし、われわれの捕虜を虐待した者を含めて、全ての戦 争犯罪人
に対して は厳重なる処罰を行うものとする。日本政府は、日本の人々の間に民
主主義的風潮を強化しあるいは復活するにあたって、障害となるものは排 除す
る。言論、宗 教、思想の自由及び基本的人権の尊重が確立されなければならない。
日本は産業の維持を許される。そして経 済を持続し、正当な戦争賠償の取り立
てに充当する。しかし、戦争を目的とする軍備拡張のためのものではない。この
目的のため、原材料の入 手はこれを許され る。ただし、入手と支配とは区別す
る。世界貿易取引関係への日本の事実上の参加を許すものとする。
連合国占領軍は、その目的達成後そして日本人民の自由なる意志に従って、平和
的傾向を帯び、かつ責任ある政府が樹立される限りにおい て、直ちに日本より
撤退するものとする。
我々は日本政府に対し日本軍の無条件降伏の宣言を要求する。かつ、誠意を持っ
て実行されるよう、適切かつ 十二分な保証を求める。もし拒否すれば、日本は
即座にかつ徹底して撃滅される。