福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

10月福聚講参拝記録

2018-10-24 | 開催報告/巡礼記録
Tさんに定例会の記録を作っていただきました。
「10月福聚講参拝記録
天高く青空が澄み渡り、久々に、入道雲が姿を現した10月20日(土)、福聚講(高原曻講元)では、15時から護国寺で定例参拝を行いました。
この日護国寺境内は久しぶりの秋日和とあって、大きな樹々の葉は黄ばんだ衣に着替え、参詣に訪れた人もまばらで、行く秋を感じる寂寥感が漂っている気配を感じさせられました。 本堂も数人の参拝する人たちの姿が散見されるだけで、静寂な雰囲気に包まれています。私たちは、早速勤行が出来るよう、本堂の奥の納屋から、鉦や焼香の鉢、錦繍の座布団を持ち出して、秘仏のご本尊様の真ん前に勤行の祭壇を作ります。この作業には私たちの趣旨を、本堂を監督するお坊さんから認めて頂き、お坊さんも手伝って頂き感謝です。 継続は力といわれますが、私たち福聚講の護国寺参拝の勤行式は10年にも亘って行われていて、我々の知らないところでは、俳句の季題になっているかも知れません。実際、第三者の立場で私たちの勤行の光景を見ると、護国寺という大本山の本堂で、導師を立てて熱心に読経するという光景は、この猥雑極まる東京の大都会の中で、そんなに見受けられることではないのではないかと思います。一種の風物詩になっているかもしれません。
ところで、ここ数回前から、勤行式の項目の中に「御詠歌」が加わりました。また、一言地蔵巡拝と地蔵経・地蔵菩薩本願経属累人天品第十三のお経をお唱えし始めました。一言地蔵はたった一つだけ願掛けを聞いていただけます。講員Nさんの話では、この一言地蔵様には、多くの人が、「お蔭」を頂いて、有り難く、感謝されているそうです。東大に現役で合格した人・店が繁盛するようになった人等がいます。そのせいか、このお地蔵様が、安置されておられる、お堂には、生花やお香の煙が絶えることなく瑞々しい気配が漂っています。正面には、御大師様の大師堂があり、お大師様も、願い事を 祈る人の心を読んでおられるのでしょう。
次に、御詠歌について、エピソードを一つ。日にちは、忘れましたが、高原講元様から、講員Tに、直命があり、護国寺の勤行に、御詠歌
を披露されたい。とのことでした。Tは、高尾山薬王院の御詠歌講の一員で、目下、稽古修行中で、ほとんど、御詠歌の稽古は、全員の斉唱で行われ、個人の独唱は,ありません。このため、護国寺では、独唱になるので、高原講元様の命には、躊躇したのですが。日頃、「お蔭」を頂いているであろう仏さまに、詠唱が下手であろうと、感謝の心が、お伝えできれば良いのではないかとの思いで、恥ずかしながら、
清水の舞台から飛び降りることになった次第です。
私が御詠歌を学ぼうとした切掛けは、御詠歌は佛行修行のうちでも、信心のこころを歌に託して仏様にお供えするための。もっとも適した有り難い方法と思ったのです。私は、仏教を信仰するというのは「修行」をすることだと思っています。修行の方法も、いろいろあります。仏様=仏像の前に座って、お経をお唱えする。写経をする。写仏をする。極め付きは、瞑想・座禅をする。そして、体全体を使って、寺社巡拝をする。人によって、修行の仕方は、異なるでしよう。 御詠歌というのは、年配の方や、老齢のご婦人方が、寺社を巡拝するときにお唱えしながら巡礼するときに歌うものだと思っていました。
一種の、偏見ですね。いや、無知蒙昧の輩だったのですね。御詠歌とはそんなものでなくて、お経やその深遠な教えを、詩的な要素も含めながら分かり易い言葉と日本人であればだれでも歌える純日本調のメロデイでできています。誰でも親しみやすい、仏の修行には取っ付きやすいものなのです。最適です。
御詠歌は、からだ・唱えることば・自分の心、を一つにさせて仏さまにお唱えします。お唱えの声も大切ですが、鈴を鳴らし、鉦を撞木で打つ一連の所作の動作の表現も、重要な要素になっています。鈴鉦鳴らす所作、口で詠唱し、心に、ご本尊様を思い浮かべて、生きる喜びを表します。
この日は、詠題 相互合掌御和讃」をご披露させていただきました。
『如来(ほとけ)のみ手に導かれ
人とし生けるありがたさ
尊き身には曼荼羅の
相互生命(いのち)に合掌を
無数ウの縁にイ結ばれる
出会いの一期オともどもに
つくされ合いのオ精進は
相互心にイ合掌オを

共に学ぶウ御詠歌に
信心深めヱ歩みゆく
清き集いのオ同オ行オは
相互功徳にイ合掌オを 』

非常に分かり易い文言です、信仰を持つ人たちの、お互いの尽くされ合いの精進は、清き集いの同行の相互功徳に、思わず合掌せざを得なくなります。福聚講の現状は、まさにこの通りだと思います。
16時、一連の勤行式は、無事、終えることが出来ました。 手際よく、勤行の祭壇の跡かたずけをして、元通りにします。 本堂から、外に出ると、爽やかな秋風が、肌に触れましたが、一言地蔵様に地蔵経一巻を挙げ、護国寺の大通りの歩道のゴミ拾いをして、いつものように、喫茶店で、休憩。スマホに詳しい講員Sさんの、天気が悪くなりつつある、雨が降るという忠告で、急ぎ解散しました。
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