梅原猛は「あの世と日本人 浄土思想の諸相」で
「『先祖の話・柳田国男』(注)は終戦直後、日本人のアイデンティティの喪失に 深い不安を感じた柳田にとって「日本人のアイデンティ ティーは先祖崇拝であった。先祖崇拝を失ったら、もう日本人は日本人でなくなる、という警告としてこの本は書かれたのである。」
と言いました。
注「先祖の話」柳田國男」(昭和21年4月)
正月の十六日を以て先祖を拝むにとしている . . . 本文を読む
一期大要秘密集・・15
九に没後追修の用心。
守護国界陀羅尼経の意、若し人、命終して當に地獄の中に堕すべきは十五の相あり。
経に云く、「一には、自の夫妻・男女・眷属において悪眼をもって瞻視す。二には、その両手を挙げて虚空を捫摹す。三には、善知識の教に相随順せず。四には、非号啼泣嗚咽して涙を流す。五には、大小便利を覚せず知ぜず。六には、目を閉じて開かず。七には、常に頭面を覆う。八には、側ち臥して飲噉 . . . 本文を読む
華厳経巻七賢首菩薩第八の二
「・・(菩薩は)
童子の身にて正定に入り、壮年の身に於いて三昧より起つことを現じ、壮年の身にて正受に入り老年の身に於いて三昧より起つことを現ず。・・・
一切の毛孔にて正受に入り、一毛端の頭にて三昧より起ち、一毛端の頭にて正受に入り、一切の毛端にて三昧より起つ、一切の毛端にて正受に入り一微塵の中にて三昧より起つ。・・・」
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延命地藏和讃
歸命頂禮地藏尊 釋迦の付属を憶念し 惡趣に 出現し 給て 衆生の 苦患を導けり
等覺 無垢の大士たち 其數あまた在ましませど
大慈 大悲の 深きこと 地藏菩薩に 如くはなし
無始より 我等ら 流轉して いつか 生死を 離るべき
六趣輪廻のあり様は 車の廻るが如くなり
一念まよひし始めより 無明の暗き闇にいり
長夜の眠り深ければ 夢に驚くこともなし
退没五衰の悲みも 生老病死の . . . 本文を読む
・五来重「先祖供養と墓」「日本の宗教は、霊魂の宗教です。日本の宗教はまず死者の霊から出発して、それが清められて祖霊になり、全く浄化されて神になるという、死霊・祖霊・神の宗教です。また、自然崇拝の宗教です。山河草木鳥虫動物は、すべて魂を持っていると考えますので、日本人はそういうものを供養するという考え方があります。虫供養や牛馬供養があったり、木を供養したりするのは、一種のアニミズムですが、日本人 . . . 本文を読む
(不貪欲戒の効果その三)
「三には福徳自在なり。心の欲する所に随ふなれば物みな備わるがゆえに」
「四には王位自在なり。珍奇好物みな奉献するがゆえに」(前の世に不貪欲戒を以て財産に愛着することがなかったから今の世に於いては珍しいものを万民が王様のように献納してくる)
「五には得るところのもの、元求めし所に百倍殊勝なり。昔時において慳疾せざるがゆえに。」(・・前の世において慳貪嫉妬ということがなく平等 . . . 本文を読む
一期大要秘密集・・14
八に、決定往生の用心(この用心、最も大要なり。極悪の人往生を得)。
是れ則ち最後臨終の用心なり。知識五人を召して、猶能く事を約束すべし。もし別願あって好んで端座せば意楽に任ずべし。唯し如来既に頭北面西にして涅槃に入り給ふ。釈種の軌儀良に之を仰ぐべし。我も頭北面西に臥さん。(鹿の屈して臥すが如く左の膝を少し促めよ。鹿の字、恐らくは獅子の音語)。眼を本尊に懸けて合掌して五色を取 . . . 本文を読む
華厳経巻七賢首菩薩第八の二
「・・(菩薩は)一切の衆生を度せんがための故に大光明を放って思議し難し、此の光明を以て群生を救う。
放つところの光明を善現と名ずく。若し衆生有りてこの光に遭はば彼は果報を獲ること量りあることなく、之に因りて無上道を究竟せん。・・
又、光明を放つあり、済度と名ずく、彼の光、一切の衆を覚悟し、當に無上の菩提心をおこして欲海の諸の群生を度脱せしむべし。・・
又、光明を放つあり . . . 本文を読む
一期大要秘密集・・13
第七に、極楽を観念する用心。
獅子三蔵の意の云く、顕教に云ふ極楽とはこれより西方十万億土を過ぎて佛土あるなり。仏とはこれ弥陀、宝蔵比丘の証果なり。密教の云ふ、十方極楽は皆これ一仏の土、一切如来は皆これ一仏の身なり。娑婆に殊んじては更に極楽を観ずることなし。何ぞ必ず十万億土を隔てん。大日を離れて別に弥陀あrず、又何ぞ宝蔵唱覚の弥陀ならんや。密厳浄土は大日の宮位、極楽世界は弥陀 . . . 本文を読む
(貪欲を離るれば五種の自在を称儒することを得る)といったが
「何等をか五となす。一には三業清浄なり。諸根具足するがゆえに。」(三業とは身の行い、口の行い、心の働きの事。・・前の世と、この世に於いて不貪欲戒を持った功徳に依って眼も明らかに色を見、耳も確かに声を聴き、鼻も能く香を嗅ぎ、舌も正しくものを味わい、身も健康にして寒暑を知り、意も善悪正邪を弁明して、六根具足し、自在に活動することを得るから三業 . . . 本文を読む
お彼岸も終わりに近づいています。日本人はお彼岸にはお墓参りをします。これは先祖を敬う日本人としてのアイデンティティーであると柳田國男等が述べています(後述)。
日本人の精神的骨格が溶解してしまって、峻烈な国際環境下でくらげの如く浮遊している今、日本及び日本人のアイデンティティーを先祖供養により再度構築すべき時に来ています。またこの先祖供養は神仏一体で行われてきたものです。
ラフカデオハーン「神 . . . 本文を読む
今日は十斎日で六歳日です。十斎日とは月の一日・八日(六斉日でもあります)・十四日(六斉日でもあります)・十五日(六斉日でもあります)・十八日・二十三日(六斉日でもあります)・二十四・二十八日・二十九日(六斉日でもあります)・三十日(六斉日でもあります)をいいます(根拠は下の地蔵経にあります)。この日に八斎戒(不殺生、 不倫盗、 不淫、. 不妄語、 不飲酒、 不聴歌舞、 不坐広床戒、 非時食戒)を守 . . . 本文を読む
華厳経巻六賢首菩薩品第八の一「・・菩薩は・・一念の頃に於いて、十方に遊び、十方に示現すること満月の如く、無量の方便を以て衆生を化す。
彼の十方世界の中に於いて、念々に示現して仏道を成じ、正法輪を転じて涅槃に入り、舎利を分かちて衆生の為にすることを現ず。或は声聞・縁覚の道を現じ、成仏して普く荘厳することを示現し、無量劫に衆生を度し、三乗門を以て広く開化することを現ず。或は男女の種々の形・人・天・竜神 . . . 本文を読む