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江戸時代、武士の生活④ 身分費用

2011年02月06日 09時43分05秒 | 江戸時代とは・・・・・

武士は、その身分としての格式を保つために支出を強いられる費用があります。
召使いを雇う費用、 儀礼行事を執り行う費用、 先祖・神仏を祀る費用、 等・・・・

これは、強制的・慣習的・文化的強制によって支出を強いられる費用で、この費用を支出しないと、江戸時代の武士社会から、はじき出され生きていけなくなります。

多くは、現在では無駄と思われるものですが、その身分であることにより不可避的に生じる費用なのです。

「武士の家計簿」の著者は、これを「身分費用」という概念でとらえています。
逆に、その身分であることにより得られる収入や利益もあり、これを「身分利益」と言っています。

この「身分費用」が、武士を困窮化させた最たるもので、武士の身分としての収入より、身分費用の方がはるかに多くなりました。

というのも、幕末に近づくに従って武士身分の俸禄が”半知”とか”借上”とか言って俸禄カットされて身分収入が激減します。
身分費用は、武士という面目を保持するために、そして家の格式保持のために削るわけにはいかないのです。

 
           
   昨年、個展出品作を連載しています。(江戸時代シリーズ)  少し季節外れですが「柿」F6

 

武士の家計簿」によれば、総支出費用の約3分の1にあたるそうです。
なかでも、儀礼行事の交際費用が多いようです。

武士の儀礼行事は、年間22種類もの年中行事があり、これを盛大にすることが、身分の証しなのです。
そして日頃から親戚関係を濃密に保っておくのが、武士の身分保持に重要なのです。