電車の運転には、主にマスターコントローラー(マスコン)とブレーキの両ハンドルのみです。
マスコンとは、車のアクセルに相当するもので、マスコンハンドルを手前に引くと、アクセルを踏んでる状態になって電車は加速する。
自動車はアクセルやブレーキを足で踏みますが、電車の場合はすべて手で操作しています。
在来線の場合は左手でマスコンハンドルを、右手でブレーキハンドル操作するように配置されています。
しかし、新幹線の場合はマスコンが右、ブレーキハンドルが左と、在来線とは全く逆に配置されています。
同じ配置にして統一した方が、使いやすいように思うのですが、これには理由があるのです。
新幹線 500系 運転台 新幹線500系
在来線の場合は、駅間が短いためにストップとスタートが多く、運転手は列車を止める動作が忙しい。
止まる時、右手のブレーキハンドルを所定の位置まで回せばいいのだが、ブレーキをいきなり目いっぱい回してしまうと急ブレーキがかかってしまうため、ブレーキをきつくしたり緩めたりしながら、スムーズに停車させるのです。
阪急 3000系 運転台 阪急 3000系車両
在来線では、この微妙な作業が多いために、利き手にあたる右側にブレーキハンドルを配置いています。
”電車でゴー”というゲームがありますが、このブレーキ操作が上手くしなくては、ホームの定位置に止めることが出来ません。
電車を上手く止めるには、このブレーキ操作が上手くなくてはダメなのです。
新幹線の場合は、停車駅が少なく駅の間隔が長いために、発車後は、速度調整が主な仕事となります。
そのため、マスコンを利き手である右側に配置してあるのです。
阪急 9000系 運転台 阪急 9000系
最近では、一つのハンドルで運転する電車も増えてきています。
その場合は、そのハンドルを手前に引くと加速し、前方に追い出せばブレーキがかかるようになっています。
これにも理由があります。
運転手が、何らかの病気等で意識をなくした場合、前方に倒れる可能性が高いことから、前方に押すことでブレーキがかかるようにシステムを決めたと言われています。