徒然なるまま”僕の趣味と遊ぶ”

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江戸時代、武士の生活⑤ 交際費

2011年02月08日 08時58分20秒 | 江戸時代とは・・・・・

武士の格式を保持するための”身分費用”の内、交際費と雇い人への給金の費用が多くを占めています。

まず、交際費の多くは、親類縁者への儀礼行事の費用です。
百姓町人にも年中行事や儀式もあったのですが、武士の場合は、年中行事や儀礼を盛大にに行うことが身分の証しであり、社会的に、そうしなければ不都合が生じるのです。

武士の付き合いは、親類や同僚、上司、部下や雇い人などに、歴代の当主がしてきたと同じようにしなくてはなりません。
端的に言って、ええかっこをしたのです。

農民がムラや本家・分家の関係のなかで生きてきたように、武士も「親族の世界」に生きてきたのです。
むしろ農民より親類関係は強かったのです。

武士は、日頃から親類関係を濃密に保っておく必要があったのです。
「親族の世界」は、婚姻や養子を通じて生じる縁戚関係によって形成されることが多いのです。

普通の武士の日常生活は、嫁、養子のやりとりで形成される「血の濃い親族」のほうが重要なのです。
武士が親族関係を重視する理由は多くあります。
まず、親族関係にはお金で繋がっているからです。
武士の金融は親類関係に大きく依存していました。
内情を知った者同士であればこそ金融取引のリスクは小さくなるからです。

 
    個展出品作     ”はな” F6号   

また、武家社会では、情報や教育の面でも親族は重要でした。
親族関係は、同じ格式俸禄の似通ったもの同志で形成されています。

当時の平均寿命は短く、当主が早死にすることが多く、残された遺児が家督を継ぐために、その教育やしきたりを伝授するのは、親戚であり、たとえ成人していても親族の助言や後見は重要で、その家の存続にはかかせないものなのです。

まして、男子が生まれなかったとすれば、養子をとらなくてはならず、その養子をとるにしても親族の同意が必要なのです。
親族は運命共同体であり、コミュニケーションは欠かせなかったのです。

これらのことを見越して、常日頃から親族を大事にすると同時に、親族に多額の交際費が使われたのです。

交際費と同時に多額の費用は、これも身分を保つために雇い入れた家来や下女の給金です。
これについては、後日に・・・・・


江戸時代、武士の生活④ 身分費用

2011年02月06日 09時43分05秒 | 江戸時代とは・・・・・

武士は、その身分としての格式を保つために支出を強いられる費用があります。
召使いを雇う費用、 儀礼行事を執り行う費用、 先祖・神仏を祀る費用、 等・・・・

これは、強制的・慣習的・文化的強制によって支出を強いられる費用で、この費用を支出しないと、江戸時代の武士社会から、はじき出され生きていけなくなります。

多くは、現在では無駄と思われるものですが、その身分であることにより不可避的に生じる費用なのです。

「武士の家計簿」の著者は、これを「身分費用」という概念でとらえています。
逆に、その身分であることにより得られる収入や利益もあり、これを「身分利益」と言っています。

この「身分費用」が、武士を困窮化させた最たるもので、武士の身分としての収入より、身分費用の方がはるかに多くなりました。

というのも、幕末に近づくに従って武士身分の俸禄が”半知”とか”借上”とか言って俸禄カットされて身分収入が激減します。
身分費用は、武士という面目を保持するために、そして家の格式保持のために削るわけにはいかないのです。

 
           
   昨年、個展出品作を連載しています。(江戸時代シリーズ)  少し季節外れですが「柿」F6

 

武士の家計簿」によれば、総支出費用の約3分の1にあたるそうです。
なかでも、儀礼行事の交際費用が多いようです。

武士の儀礼行事は、年間22種類もの年中行事があり、これを盛大にすることが、身分の証しなのです。
そして日頃から親戚関係を濃密に保っておくのが、武士の身分保持に重要なのです。


節分と豆まき

2011年02月03日 11時01分50秒 | 今日は、何の日

字のごとく「季節を分ける」ことから節分と言われています。
現在では、節分と言えば立春の前日だけを指すようになりましたが、本来は、季節の始まりを示す立春、立夏、立秋、立冬の前日は、いずれも節分なのです。

それでは、なぜ立春の前日の節分だけが現在も残っているのでしょうか?
旧暦では、この日は、元日で「春節」といい、年の始まりなのです。
”立つ”と言うのは、”始まり”の意で、「立春」は、年の始まりなのです。

つまり、旧暦では、春の節分は、1年の節分のなかでも重要な位置を占めたのです。

           

なぜ、”豆まき”をするのでしょうか?
穀物や果実には「邪気を払う霊力」があると考えられており、豆を蒔くことで豆の霊力により邪気を祓い、福を呼び込むと考えられていました。

節分には、イワシの頭を門に置きますが、これは、イワシの頭の悪臭で、邪気が家に入るのを防ぐという意味があるそうです。

恵方については、当ブログの2010年2月3日と4日付けでも書いていますので、興味のある方は、ご覧下さい。

http://blog.goo.ne.jp/ganbaro433/e/5443f3e79c86ee935aa1424ec1a9f6b9


節分に「恵方を向いて太巻きを食べる」というのは、関西が発祥の地で、海苔屋の宣伝から始まったのは有名ですが、最近は関西のみならず、各地に広がっているようです。
ちなみに、今年の恵方は「南南東」です。