【miRNA バイオマーキングと癌撲滅】
三重大医学部の研究グループは3日、米国のベーラーメディカルセンター(テキサス州)と共同で、血液
検査で大腸がんや大腸ポリープの患者を高い確率で判別できることを突き止めたと発表。研究結果は米国
の雑誌「ジャーナル・オブ・ナショナル・キャンサー・インスティテュート」に掲載された。同センター
が実用化を目指しており、三重大は「検査法が確立すれば、より早く大腸がん患者を診断できる」として
いる。グループの問山裕二・三重大助教(大腸外科)によると、大腸がん検診では便に混じる血液を調べ
る「便潜血検査」が行われるが、精度が問題となっていた。グループは、血液に含まれる遺伝物質のうち、
大腸がん組織から多く分泌される「マイクロRNA―21」に着目。健常者、大腸がん、大腸ポリープ患
者の計約300人について、この物質の血液中の量を比較した結果、がん患者は健常者の約5倍、ポリープ
患者は約3倍に上った。データ解析で、がん患者は92%以上、ポリープ患者は82%以上の確率で判別でき
ることも分かったとのことだ。
※様々な癌におけるmiR-21の重要性が明らかになってきており、大腸癌(CRC)ではFOLFOX奏効性にまで関
与することが分かってきた。Baylor Universityの Goelらは、186名を対象として、そのバイオマーカー価
値を検証した。血清miR-21がCRCの早期発見・予後予測の有望なバイオマーカーであることが明らかになっ
た。従前の方向性を確認して前向き試験を促す結果だが、単一miRNAよりもmiRNAシグナチャーの方がマー
カーとして有用である可能性もある。
血液1滴から、癌の診断、治療経過、薬の効果、予後などすべてわかる時代と、このブログ掲載したが翻
訳プロセスによりタンパク質が産生される。つまり、RNA は長きにわたってゲノムとタンパク質を仲介す
るメッセンジャーとして研究されてきた。しかし近年、全く新しいカテゴリーの多くのRNA分子、例えば
メッセンジャーRNA(mRNA) などはゲノムから転写され、翻訳RNAが見つかったが、それがmiRNA である。
ヒトやハエ、線虫などの左右相称動物ではこのmiRNA は進化の過程を通じて比較的よく保存されているが、
こうした左右相称動物の出現以前に分岐したイソギンチャクや海綿動物といった比較的単純な構造の動物
でも同様な低分子RNAが存在する。miRNA もゲノムから転写されるが、mRNA のようにタンパク質に翻訳さ
れることはなく、18~25ヌクレオチドの小さなRNA 配列であるmiRNAは、主に翻訳阻害とmRNAの切断(分解)
という2つのプロセスで標的となる複数の遺伝子を制御していることが明らかになってきた。ヒトでは700
を超えるmiRNA が同定され(おそらくは今後1,000を超えると予測)すべてのヒト遺伝子のうち1/3 もが、
これらのmiRNA によって制御を受けるとされている。したがって、もしこのmiRNA に何らかの異変が起き
れば、それがわれわれの疾患と深く関係することは容易に想像できる。癌の進展や悪性度と密接に関連す
るmiRNA の特徴的な変動でありこれらのmiRNA をバイオマーカーとして追うことで、病態の把握や予後予
測に役立てようという動きがすでにはじまっている。癌幹細胞も正常幹細胞も、どちらも自己複製能を有
しながら、多能性を保ち,CD44,CD133 などの細胞表面のマーカーもある程度同じものを共通にもつなど、
きわめてその性質は似通っている。したがって、正常のES細胞や組織の幹細胞の自己複製能と分化能の制
御に働くmiRNA のネットワークを理解することは、癌幹細胞の新たな制御メカニズムの解明に貢献するだ
ろう。
miRNAは、線虫のヘテロクロニー遺伝子としてlin-4が1993 年に発見されたのがはじまり。当時lin-4 は、
線虫に特異的なsmall temporal RNA と考えられていたが、RNAi の発見をきっかけに、この分野の研究が
進み、実は同じような小さなRNA が多数存在することがわかる。現在では、例外はあれ,生物種を超えて
保存されていること、高等生物になるに従いmiRNAの数が大きく増加することが明らかとなっている。そ
して、2002 年くらいから、ヒトの疾患にも関連することが言われはじめ,実際に慢性リンパ性白血病に
関与するという研究成果が報告。癌遺伝子として機能するoncomiR と呼ばれるmiRNAを含め、ある癌にお
いては特徴的なmiRNA プロファイリングが報告されている。それらをバイオマーカーとして癌の診断や治
療選択が可能となるが、このような診断薬が昨年末にRosetta Genomics 社からはじめて出ました。また、
miRNAはエクソソームを使って血中に出ているという報告も多数あり、血液1滴から、癌の診断ができる
ようになるのだろう。miRNA 研究は宝の山で、癌をはじめ,再生・神経などのいろいろな分野ですでに
miRNA を念頭に置かれて研究を進められている。その際、どのような結果であってもmiRNAに関する情報
を共有することが非常に大事だ。情報を共有することで、miRNA 研究のすそ野が広がり新しい発想につな
がるだろう。
【緑茶の次は麩】
室町時代に中国から日本に伝わり、古くから食されてきた「麩(ふ)」。しかし、街で声を聞くと、その
多くが「みそ汁に入れるくらい」など食卓にのぼる機会がめっきり減ってきたが、1992年に緑茶生産量が
底を打ったように、いままた2013年、麩に注目した人々が、自らが考案・自作した「麩料理」を持ち寄る
パーティーが都内で行われていることを「あさイチ」で知る。参加者によると、麩は魅力たっぷりのミラ
クルフードだという。 イチおし”で、使わないなんてもったいない!麩が支持される納得の理由と、料
理の数々。さらには、肌と深い、麩に含まれる成分・アミノ酸「プロリン」のパワー。そして、基本を2
つ覚えるだけで誰でも麩マスターになれる料理のコツなど麩を使いこなす情報が紹介されていた。真野博
城西大学教授のによると、麩にはアミノ酸の一種「プロリン」が豊富に含まれ、乳製品や大豆などにも多
く含まているが、麩はプロリンを含む食品のトップクラス。プロリンとは、体内でコラーゲンの部品にな
る大切なアミノ酸。肌のもっちり効果が期待できるとか。これは食べなくても体内で作ることもできるが、
食べることでさらに効果が上がるという。
【プロリン含有量(百グラムあたり)】
焼き麩 3,800ミリグラム
豆 腐 390ミリグラム
ヨーグルト 350ミリグラム
どうして麩には「プロリン」が多い?
その理由は、麩の製造工程にあり、麩を作るにはまず原料である小麦粉に水を混ぜて生地にしたあと、そ
れを水で洗うが、何度も何度も洗っていくと、でんぷんが洗い流されて「グルテン」が残り、プロリンは
このグルテンの中に多く含まれているためだ。麩はこれに、再び小麦粉を混ぜて焼き上げていくが、大量
にグルテンを使うため、食品の中でも極めて高いプロリンの含有量を誇るという。プロリン(proline)は
アミノ酸の一つ。ピロリジン-2-カルボン酸のこと。スペルはprolineで、略号はProまたはP。環状アミノ
酸で、タンパク質を構成する。糖原性を持つ。唯一アミノ基を持たないアミノ酸。通常のアミノ酸に存在
するα位の炭素に存在するアミノ基はこのプロリンの場合のみイミノ基となっているために、本来はイミ
ノ酸と分類されるべきであり、厳密にはアミノ酸に含めるべきではないのではないかという議論がある。
表皮細胞増殖促進活性、コラーゲン合成促進活性、角質層保湿作用などの生理活性を示す。一度破壊され
たコラーゲンを修復する力をもつアミノ酸。体の結合組織、心筋の合成時の主な材料でもある。最近では、
アルドール反応の安全かつ効果的な触媒として注目されつつある。
お麩バーブ
http://www1.nhk.or.jp/asaichi/2013/07/08/01.html
梅雨明けで、熱中症の季節だ。そこで今日は、ジム上がりに「アセロラ」から「ソルディライチ」(キリ
ン)に切り替える(何れも自動販売機で150円/本)。これはお勧めだ。