極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

環境リスクを計算する米国

2013年07月17日 | 地球温暖化

 

 

 

  

米カリフォルニア州スタンフォード大学のケーティー・アルケマ(Katie Arkema)らの研究チームが、
地球温暖化による海面上昇が米国にもたらす危険性の研究結果を発表した。それによると1平方キロ
メートル当たりの人口、住宅不動産の価値、自然の防御能力、洪水の発生可能性などの要素を計算。
現状の海面水位と自然の防御能力のもとで、米沿岸部の16%が「高危険」地域と判定。この「高危険」
地域では高齢者25万人と貧困ライン以下で生活する3万世帯を含む130万人が暮らし、同地域の住宅不
動産価値は約30兆円にのぼる。さらに、この算定結果から「自然の防御能力」を取り除くと「高危険」
域に含まれる住民数と不動産価値はほぼ倍増する。現在、自然環境力で沿岸部の67%を保護できて
いる
が。生態系が失われることで、危険にさらされる沿岸部は倍増し、貧困世帯や高齢者や危険にさ
らさ
れる不動産の総額が倍増すると指摘する。さらに、地球温暖化による海面上昇で、危険にさらされ
る地域は増加。研究チームは、地球の平均地表気温が今世紀に2.0~5.4℃上昇するA2と呼ばれる一般
的な温暖化モデルで計算を行った結果、住民200万人、総額5000億ドル(約50兆円)の不動産が「高危
険」エリア─メキシコ湾から大西洋の沿岸部の大半と、サンフランシスコ湾(San Francisco Bay)の一
部を含む広範囲なものになった。ここから自然の防御が取り除かれた場合、内陸部まで「高危険」エ
リアが拡大し、該当地域はさらに倍近くに増える。米国の人口の多い上位25都市のうち、23都市は沿
岸部に位置している。今回の研究が政策決定者にどの地域が最も危険にさらされており、どの地域の
自然環境を保護しなければならないかの指針の提供が可能だとしている。

 

いままで地球温暖化対策や二酸化炭素排出量削減には消極的な米国がここにきて姿勢に変化を見せて
いる。
それもそうだろう異常気象が具体的にその猛威を、その被害をもろに被りつつあるのだから当
然といえば当然
だ。1973年にエコロジカルフットプリントが許容量を超えたときから、世界政治経済
の幻想的基軸が地下化石燃料本位制→先端技術本位制→環境リスク本位制に移行することをわたし(
たち)は想定し
ていたから、米国・中国・ロシアなどの覇権大国主義的国家行動は想定内であったに
しろ、事態の推
移に当たっては慎重な思いをもって静観してきたが、毎年集中豪雨に集落が壊滅的な
被害を被れば二度
と立ち上げれない状況を今後目の当たりにすることになる。そのことへの備えを欠
いた選挙中の政治家の薄ぺらな言葉は虚しいが、日本と異なり、一旦、目標が定まれば米国民や政治
家の復元力は想像を超えたものなるかもしれない、超えないかもしれない。

 

【腕時計になるスマートフォン】 

 

 

 

 
【15%超え色素増感型太陽電池時代】

スイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)の研究チームが、色素増感太陽電池でセル変換効率15%を
実現した。ペロブスカイト系色素を多孔性金属酸化膜内へ二段階に分けて蒸着させるプロセスを用い
ることで、セル性能のバラつきや安定性の低下が抑えられているという。2013年7月10日Nature に論
文が掲載された。同研究は、色素増感太陽電池の発明者 Michael Gratzelらによる。新たに開発され
た二段階蒸着法とは、第一段階で、溶液中のヨウ化鉛(PdI2)を多孔性酸化チタン膜内に導入。第二
段階で、これをペロブスカイト系色素の残りの構成要素(CH3NH3I)の溶液に曝すことにより、ペロブ
スカイト層を形成。これにより、二段階に分けた材料が瞬時に反応すし完全な光増感色素が得られる
という説明だ。
これまでペロブスカイト系色素を用いた色素増感太陽電池は、ペロブスカイト材料を
金属酸化膜へ直接蒸着する方法が一般的だったが、この製法では膜の形態やセル変換効率のバラつき
が大きく実用に適さないという問題があったが、今回、二段階に分けて蒸着することで膜の形態制御
性が向上し、性能のバラつきが抑えられた。
作製した色素増感太陽電池をAM1.5Gの標準擬似太陽光の
下で評価したところ、変換効率15%、フィルファクター(FF)0.73という値を得た。既存のアモルフ
ァスシリコン太陽電池に並ぶ変換効率を実現したことになる。



それと、NEDOは次世代太陽光発電システムの本命の一つとされる、有機系太陽電池の早期実用化を目
的とした実証試験を開始しする。有機系太陽電池は、大幅な低コスト化が期待されるだけでなく、少
ない光でも発電する等、従来の太陽電池に比べ様々な利点があることから、国内外で開発競争が行わ
れているが、色素増感太陽電池を用いた「デザインソーラーランタン」を京都市内に設置し、発電量
や耐久性の検証を開始。また、有機薄膜太陽電池を用いた「発電するサンシェード」を仙台市科学館
に設置し、太陽光発電と日射熱のカットによる省エネ効果の検証を年度内に開始する予定である等、
日本各地で新しい設置スタイルに繋がる様々な実証試験を展開すると発表している。「もはやバルク
ではなく量子ドット時代」といよいよ確信する次第。

 

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