離婁(りろう)篇 / 孟子
※ 亭主の虚栄: 斉の国のある男が、妻と妾を持っていっしょに暮ら
していた。外出のたびに、たらよく飲み食いして帰って来る。妻が
飲み食いの相手を聞くと、例外なく言言の人ばかり。そこで妻は妾
に言った。
「うちの人は外へ出るといつもたらふくご馳走になって帰ります。
しかも相手は富貫の方ばかり。でも、うちには名の聞こえたお方は
一人もお見えにならない。わたしあの人のあ亡こをつけてみますわ」
ある朝早く超きて、見え隠れにあとをつけたが、坑内どこまで行って
も、だれひとり亭主に話しかける者はない。最後に行きついたのが、
東の町はずれにある墓地である。亭主はそこで墓参じている人のとこ
ろへ行って、供物の残りをもらい食いし、それで足りないと、また別
のところへ行った。たらふく飲み良いしていたのは、これだったのだ。
妻は家に帰ると、妾に、「夫というものは、一生尊敬できる人であっ
てこそなのに、実はしかじかじか」と、一部始終を話し、庭で亭主を
ののしりながら二人して泣いた。
そんなこととはつゆ知らず、亭主は意気揚々と宗に帰って来ると、あ
い変わらず妻と妾に威張ってみせた。君子の立場からすれば、富貴栄
達を求めてあくせくする連中のやり口は、この亭主のようなもの。妻
や妾に見せたら、はずかしがって泣き出すにちがいない。
【省エネ・省資材篇:最新高品質化検査技術】
● 印刷法で製造したディスプレーなどの駆動回路の非破壊インライン検査
今月15日、産総研が独自に開発した薄膜トランジスタ(TFT)アレイ一括検査技術の測定感度と検査面積
を大幅に向上させるとともに、本技術を応用したストレージキャパシターの検査を可能にした。これは、大
面積化・省エネルギー化が可能な印刷法は、ディスプレーやタッチパネルなどの情報入出力機器の製造技術
として期待されている。しかし、数百万個のTFTとストレージキャパシターがアレイ状に配置された情報入
出力機器の駆動回路(アクティブバックプレーン)を短時間で検査することは難しく、高生産効率と高品質
を両立させる上での大きな課題となっていた。
Jan. 15, 2018
今回、TFTアレイの駆動状態を光学イメージ化して一括検査できる産総研独自のデバイス評価技術(ゲート
変調イメージング技術)を改良し、検査時間を10分以上から3分以内に短縮し、検査面積を1mm角から3cm
角に大幅に向上させた。これは、画素密度150 ppiのバックプレーンでは、TFT約30,000素子を3分以内に検
査することに相当。さらに、本技術を応用したストレージキャパシターの検査も可能となる。これにより、
膨大な数のTFTとストレージキャパシターを配置する大面積デバイスを非破壊インライン検査できるため、
印刷法による大面積デバイスの高品質化に貢献できる。
情報化社会の進展とともに、あらゆる生活シーンにエレクトロニクス技術が浸透していく中、情報入出力機器のさら
なる使用利便性の向上と多様化、製造技術の簡易化・低コスト化が求められている。これらを達成するキーテクノロ
ジーのひとつが、軽量で柔軟なプラスチックフィルム上に、省資源・省エネルギーの印刷技術を用いてデバイスを製
造する「プリンテッドエレクトロニクス」技術であり、現在、基礎から製品開発まで幅広いレベルでの研究開発が世界
的に進行している。
中でも、大面積の高精細ディスプレーを全印刷で製造する技術の開発は、プリンテッドエレクトロニクスの重要な課
題となっている。しかし、ディスプレーの各画素を制御する駆動回路(アクティブバックプレーン)は、通常、画素数に
対応した数百万個のTFTとストレージキャパシターで構成されるため、性能平準化に改善の余地を残す印刷法によ
る製造技術の確立は容易ではない。このため、液晶や有機EL素子などの表示素子(フロントプレーン)を載せる前
に、バックプレーンの動作を高速に非破壊検査することが求められるが、膨大な数のTFTとストレージキャパシター
を短時間で検査することは難しく、高生産効率と高品質を両立できるインライン検査技術の開発が喫緊の課題とな
っている。
Jan. 15, 2018
これによると、産総研は、プリンテッドエレクトロニクス技術の実用化を目指した研究開発の一環として、
印刷法によるアクティブバックプレーンの製造技術と、これに対応できる非破壊・高速のデバイス評価技
術の開発を進めてきた。特に、バックプレーン上のTFTアレイを高速に一括して検査するため、ゲート電圧
をかけることでTFTに生じる光透過率・反射率の微小変化を可視化するゲート変調イメージング技術の開発
を進めてきた。2014年には、5×5の小規模なTFTアレイの動作不良個所と性能分布を10分程度で可視化でき
た。今回、ゲート変調イメージング技術を改良して測定感度と検査面積の大幅向上に取り組むとともに、
この技術を応用したストレージキャパシターの検査に取り組んできた。
【研究概要】
上図1に、今回改良したゲート変調イメージング装置の概略を示す。TFTにゲート電圧をかけて、キャリア
を蓄積(TFTを駆動)すると、半導体層の光透過率・反射率がごくわずか(1万分の1程度)だけ変化する。
この装置では、アクティブバックプレーンの全てのTFTにゲート電圧をかけた状態(TFTを駆動した状態)と、
かけない状態(TFTを停止させた状態)の光学イメージをそれぞれ撮影し、画像演算により両者の差分イメ
ージを求めて微小な変化のイメージ(ゲート変調イメージ)を得る。正常動作するTFTだけがゲート変調イ
メージに現れるので、TFTの動作不良個所をイメージから一括して特定できる。
今回、ゲート変調イメージの演算とSN比向上のための積算を毎秒約1ギガバイトのデータ処理速度で光学
イメージの撮影と同時に実行できる高速の画像演算装置を新たに開発し、これを高解像度・高フレームレ
ートのCMOSカメラと組み合わせることで、ゲート変調イメージの解像度と単位時間当たりの積算回数を、
これまでの11万画素・毎秒15回から415万画素・毎秒45回へと大幅に向上させる。イメージのSN比は積算回
数の平方根に比例するので、単位時間当たりの積算回数の増加により測定感度が向上する。また、大幅な
高解像度化により、一括検査できる面積が大幅に増加する。今回、広視野光学系と高輝度LEDを組み合わせ
ることで、一括検査できる面積を従来の1 mm角から3 cm角に向上。これは、画素密度150 ppiのバックプレ
ーンの場合、TFT約30,000素子に相当する。
下図2にゲート変調イメージと、そのノイズの大きさの積算時間依存性を示す。2014年に開発したこれまで
の装置では、十分なSN比のゲート変調イメージを得るのに10分以上かかっていたのに対し、今回開発した
装置では3分以内に、これまでと同程度のSN比のイメージを得ることができた。
さらに、今回開発したゲート変調イメージング装置を用いて、各画素にひとつのTFTとひとつのストレージキ
ャパシターを配置したアクティブバックプレーン(画素密度150 ppi、全印刷により製造)の検査を行った
(下図3)。まず、アクティブバックプレーン(図3(a)、3(b))に液晶表示素子(フロントプレーン)を装
着して表示試験を行い、不良個所を大まかに特定した後に、フロントプレーンを取り除いて、ゲート変調イ
メージング装置により測定した。動作不良のTFTを特定する通常の測定モード(TFT欠陥検出モード)で測
定を行った結果を図3(c)に示す。図の四隅の影を除いた部分が、4 cm2の面積範囲(TFT15,000素子に相当)
について測定した結果に対応する。小さな赤い点のひとつひとつが正常動作するTFTに生じた光反射率変化
によるもので、色調が変化していない部分が動作不良のTFTに対応する。ゲート変調イメージング装置によ
り特定した不良個所は、表示試験により特定したものとよく対応していた。このように、広い範囲に含ま
れる多数のTFTを一括検査し、動作不良のTFTを特定することができる。また、さらに、ストレージキャパ
シタの絶縁不良を特定する測定モード(キャパシター欠陥検出モード)による検査結果を図3(d)に示す。
この測定モードでは、絶縁不良のキャパシターと同じ画素に配置されたTFTがゲート変調イメージに色調変
化を与えるため、絶縁不良個所を検出できる(図中の赤点)。今回開発した装置により、動作不良のTFT素
子だけでなく、絶縁不良のキャパシターについても、広い面積範囲を一括検査でき、ゲート変調イメージン
グ技術により一括検査できる面積は、カメラの解像度により決まる。今回開発した装置では、4,147,200画
素のCMOSカメラを用いており、検査面積が3 cm角のときの空間分解能は約10 µmとなる。これは画素密度
150 ppiのアクティブバックプレーンのTFTの寸法と同程度である。このため、検査面積が3 cm角を超える
と解像度が不足して個々のTFTを識別できなくなる(図4)。このように、今回開発したゲート変調イメー
ジング装置では、150 ppiのアクティブバックプレーンの場合には、最大3 cm角の範囲のTFT(とストレー
ジキャパシター)約30,000素子を3分以内に一括検査できる。
❏ 関聨特許事例: 特許6238389 有機TFTアレイ検査装置及びその方法
【概要】
TFTアレイの信号線Sをすべて接地させるとともに、ゲート線Gに適当な直流電圧を印加した状態の前後
でTFTアレイを撮像し両イメージの差を取得する。ゲート電圧を加えてキャリアの蓄積されたTFT素子
では差イメージが現れ、一方で、信号線Sやゲート線Gで断線しあたTFT素子の有機半導体薄膜が不良の
とき、対応するTFT素子は、キャリアの蓄積がなく、差イメージが現れない。これによれば、上記したよ
うな断線などを検出できる。また、各TFT素子の出力特性のばらつきは、キャリアの蓄積量に反映される
ため、各TFT素子の差イメージの差として現れる。一方で、キャリアの蓄積による差イメージは繊細でそ
の判別は非常に困難である。
例えば、 液晶ディスプレイや有機ELディスプレイといった画像表示装置として、有機半導体を用いた薄
膜トランジスタアレイ(以下、「TFTアレイ」と称する。)が利用されている。かかるTFTアレイは、
画像表示装置の画素に対応させて有機TFT素子をマトリクス状に複数並べて回路構成される。ここで、ゲ
ート線Gや信号線Sの短絡や断線、又は、有機半導体薄膜の不良による欠陥が生じている場合には、対応す
る有機TFT素子が正常に動作せず画素の発光しない、いわゆる画素抜けの状態になってしまう。また、T
FTアレイを構成する各TFT素子に出力特性や応答速度のばらつきのある場合には、安定した動画表示が
できなくなる。
そこで、TFTアレイの断線欠陥や、各TFT素子の出力特性や応答速度のばらつきを検査することが必要
となる。かかる検査方法として、1つ1つの素子を電気的に測定する方法や、赤外線サーモグラフィーを用
いたイメージング法などが知られている。そこで、TFTアレイの断線欠陥や、各TFT素子の出力特性や
応答速度のばらつきを検査することが必要となる。かかる検査方法として、1つ1つの素子を電気的に測定
する方法や、赤外線サーモグラフィーを用いたイメージング法などが知られている。
以上のような状況を解決するため、有機TFT素子のチャネル層を与える有機半導体薄膜におけるキャリア
の蓄積の有無を光学的に測定し、TFTアレイ中の断線欠陥を検出、各TFT素子の出力特性、応答速度の
ばらつきを評価可能な検査装置及びその方法の提供である(下図参照)。そこで、有機TFT素子のチャネ
ル層を与える有機半導体薄膜におけるキャリアの蓄積の有無を光学的に測定する装置及びその方法である。
各有機TFTにおいてソースとドレインを短絡させこれとゲートとの間に所定周期で電圧をオン・オフさせ
るとともに、単色光を照射しながら所定周期に同期させて電圧の印加前後の撮像を行ってこの差イメージを
得ることを特徴とする。
【図1】TFTアレイの平面図
【図2】TFTアレイを示す回路図
【図3】CMSイメージング法の図
【図6】有機半導体膜における光透過率の変化率(-ΔT/T)の波長依存性を示すグラフ
【図7】回路図とその状態を示す図
【図9】本発明による装置を示す図
【符号の説明】
1 TFTアレイ 10 有機TFT素子 10a 有機半導体薄膜 12a ソース・ドレイン電極
12b ゲート電極 13 ゲート絶縁膜 15 光源 16 光ファイバ 17 色ガラスフィルタ
18 光学レンズ系 20 カメラ 21 バッファメモリ 22 コンピュータ
30 ファンクションジェネレータ
以上、産総研のこのような技術開発、わたし(たち)の電子器機デバイス(半導体/カラー撮像/受像装
置)事業開発経験から、250億円(100名)事業市場になるだろうと想定していたこともあり、これに太陽
光発電などの新エネルギー・新情報通信・新医療事業を加ええると1千億円事業にも手が届く様相にある。
画像解析上では正/逆フーリエ変換解析に特徴パラメータを利用したダミー関数付加解析法などの研究開
発が必要であるとその当時を振り返り思い返している。いずれにしろこの基礎技術研究は大切な礎となる。
これは面白い。
【電動スーパーカー抗争時代 フェラーリが参戦】
昨年11月、テスラは記録的な仕様を持つ次世代ロードスターのプロトタイプを発表により、スーパーカ
ー世界に激震を与えた。将来のスーパーカーの主導権を巡り、フェラーリが研究開発に乗り出す。それに
よると(上写真参照)。フィアット・クライスラーの最高経営責任者(セルジオ・マルキオンヌ:Sergio
Marchionne)氏は、 テスラを簡単にコピーできると、デトロイトオートショーでブルームバーグとのイン
タビューで述べている。あのフェラーリがいよいよ参戦?!これが事実なら、電動スパーカーの国際的な
レース競技が始まることになるだろうか。そう、自動車産業だけでなく、ネオマテリアル技術とオールエ
レクトロニクス関連各社の技術力競争時代でもある。これも面白い!
● 終活と就活
親戚関係や友人関係に新年早々、変化がありばたばたしていこともあり彼女が今朝面白いことを言ってい
たことを思い出した。「わたしたちは終活時代にあるのよ、その覚悟はあるの?」といささか毒がふくま
れているようではあるが、"エンディング・ノート"、"ターミナル・ケアー"、"ピン・コロ"などのカタカ
ナ語で象徴されるようなことで、それは半面、誰も否定できないが、"人生百歳時代"でもあり、元気な高
齢者が増加社会でもある。自分が納得できるものなら(これまでは考えられないようなことに)人生を語
りながら、さらにそれに磨きをかけ”新しい時間”へのオーダーメイドな仕事に赴く"再就活時代"の幕開
け時代ではないかと、彼女の言葉にインスパイアルし、NHKの試してガッテンの『葉酸(folic acid)パ
ワー』の放送を観ながら未知なる力で駆け抜けるのまた一興であると思い直す。
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