極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

エネルギーと環境 132

2025年02月08日 | ネオコンバ-テック

彦根市ひこにゃんイラスト に対する画像結果

彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる招き猫と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時代の
井伊軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と兜(
かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。

             融雪剤 に対する画像結果

【季語と短歌:2月8日】

           雪模強風の中一人撒く 
  
                  高山 宇 (赤鬼)

 

✳️ 光で環境規制物質PFASを分解・無害化
ウシオ電機は,世界的に新たな環境規制物質として注目されている,PFAS
(有機フッ素化合物)のうち,代表的な物質であるPFOS(ペルフルオロオ
クタンスルホン酸),PFOA(ペルフルオロオクタン酸)を,触媒や添加物
を使用せず光を用いて1リアクターで分解・無害化できる技術を開発した。
PFASは,人体への健康被害の実例が報告されて以来,欧米をはじめとして
排出規制が定着しつつあるが,その難分解性から除去・無害化手法の確立
が喫緊の課題となっている。PFASの分解方法は現在,活性炭で吸着後に焼
却する高温焼却処理が検討されているが,吸着した活性炭の輸送,焼却の
ための燃料やそのエネルギーの消費,さらには活性炭焼却由来のCO2や温
暖化係数の高いフッ素系温暖化ガスの大気放出が懸念されている。
【特長】
・常温常圧にて処理可能
・焼燃料・触媒・化学薬品添加物が不要で、光と電気エネルギーだけで分解
可能
・分解反応の過程 で想定外のフッ素化合物ができにくい
・短鎖PFAS分子の分解も可能
・分解後に残った最終的な物質(HF、H+、F - )は、水酸化カルシウムで
最終処理することでフッ化カルシウムとして固定安定化が可能(別用途へ
の再利用可能)
・PFAS濃縮技術との組み合わせにより高い分解効率を実現可能

なお、今後は実用化に向けさらに研究・開発を進め、2025年度に実証実験
を開始し、2027年の事業化を目指す。



 NIFSらナノ秒紫外レーザーでPVにナノ構造を形成

研究グループは,発振波長248nm,パルス幅20nsのKrFエキシマレーザー
を用いてシリコン太陽電池表面上に高密度に三角形ナノドット構造を形成
することに成功した。シリコン太陽電池の融解閾値0.47J/cm2以下のレー
ザーフルエンスでKrFエキシマレーザーを照射したところ,ナノドット構
造は,レーザーがシリコン太陽電池のピラミッド構造表面に対してS偏光
として照射される面のみに形成されることを発見。
形成されたナノドット
構造の大きさは先端が約20nmである三角形のナノドット構造であり,こ
の構造のサイズはレーザーの回折限界よりも小さいことがわかった。ナノ
ドット構造の密度はレーザー波長に関係しており,レーザー波長の2乗に反
比例しており,短波長レーザー照射が高密度化に有効であることを見出した。
ピラミッド構造のS偏光面のみにナノドット構造が形成されたシリコン太陽
電池の500nmでの反射率は約5%を達成した。顕微ラマン分光を用いてシリ
コン太陽電池の結晶性を評価したところ,ナノドット構造を形成させるこ
とによって表面に圧縮応力が発生していることがわかった。
さらにバンド
ギャップを評価したところ,シリコン太陽電池のバンドギャップエネルギ
ーがより高くなることがわかった。
【掲載誌】
・タイトル:High-density nanodot structures on silicon solar cell surfaces
irradiated by ultraviolet laser pulses below the melting threshold fluence
・掲載誌:J. Phys. D: Appl. Phys. 57 (2024) 385101
DOI:10.1088/1361-6463/ad58ec


図3 精密アラインメント機構を備えたダイヤモンド量子センサホルダ

✳️ 量子センサ向け大径ダイヤ基板を実現
文部科学省 光・量子飛躍フラッグシッププログラム(Q-LEAP)のグループ
は,異種基板上のヘテロエピ成長技術により,量子センサに適した(111)
結晶方位とコヒーレンス時間を備える“量子品質”の10mm径以上のダイヤ
モンド結晶基板の作製を実現した。
【展望】生体親和性と広いダイナミックレンジを有し、常温大気中で動作
するダイヤモンド量子センサで、直径10 mm以上の大面積のものが実現可
能となり、応用可能性が拡がるとともに、工業的量産性が向上。これによ
り、生体計測等の医療応用や、エネルギーデバイス応用等への適用が加速
することが期待されます。例えば現在は大病院でなければ受けられない高
度生体磁気計測が市中の医院でも受診可能となる、EV電池の利用効率を上
げ10%の重量削減が可能となることが想定される。



✳️ アルミニウムイオン電池の安定化に成功
北京の研究者のチームが、アルミニウムイオン電池の安定化に成功したと
発表。リチウムイオン電池は軽量で大容量の電力を蓄えることが可能なた
め、スマートフォンや電気自動車などの分野で幅広く活用されているが、
素材となるリチウムは高価で価格変動が激しいほか、リチウムイオン電池
には発火性の電解液が必要などの欠点がある。アルミニウムは地球の地殻で
3番目に多い元素で、価格がリチウムの約4分の1と安く、電池への利用可能
性を探る研究が行われてきた。これまでの研究では、イオン液体電解液が
陽極腐食を引き起こす問題や、腐食を避けるためにゲル状のゲルポリマー
電解液を使うと導電性が下がる問題が発生していた。
【掲載誌】
・Aluminum Batteries Outlive Lithium-Ion With a Pinch of Salt - IEEE Spectrum
https://spectrum.ieee.org/aluminum-batt
ery

【関連情報】
・世界初の充電可能な「鉄イオン電池」が開発される、高エネルギー効率で
リチウムイオン電池より安全
・A room temperature multivalent rechargeable iron ion battery with an
ether based electrolyte: a new type of post-lithium ion battery - Chemical
Communications (RSC Publishing)
https://pubs.rsc.org/en/journals/journal/cc


✳️  水素エネルギーの魅力と製造方法 ④
次世代エネルギーのいまと未来vol.1 カーボンニュートラル社会の実現に向けて、「次世代エネルギー部門」が始動:朝日新聞デジタル
【最新燃料電池技術特許⓷】
特開2024-1112 均一に分布した二酸化チタンを含む触媒の担体及び製造
方法 サゾル  ジャーマニー  ゲーエムベーハー

【特許請求の範囲】
【請求項1】  アルミナ担体(Al)に対し1~5重量%のTiO
で被覆したアルミナ担体を含み、
  前記TiOは、前記アルミナ担体に均一に分散されており、
  前記TiOが前記アルミナ担体上に均一に分散されることで、前記アル
ミナ担体上に表面被覆が形成され、当該表面被覆には、前記アルミナ担体の
内孔壁の表面の被覆が含まれ、前記アルミナ担体のバルク内の被覆は含ま
れない、焼成触媒の担体。
【請求項2】  前記焼成触媒の担体のTi:ALのX線光電子分光法によっ
て決定されるピーク面積比に関して、乳棒と乳鉢を用いて粉砕する前の場合
と、乳棒と乳鉢を用いて粉砕した後の場合との間の差は、非常に小さいか、
または負である、請求項1に記載の焼成触媒の担体。
【請求項3】  乳棒と乳鉢を用いて粉砕する前の前記焼成触媒の担体と、乳
棒と乳鉢を用いて粉砕した後の前記焼成触媒の担体と、のTi:ALのX
線光電子分光法によって決定されるピーク面積比の差が0.0067以下
である、請求項1に記載の焼成触媒の担体。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
  本発明は、均一に分布した二酸化チタンとアルミナとを少なくとも含む触
媒の担体の生成方法、及び当該方法によって調製した触媒の担体に関する。
【背景技術】  特許文献1には、含浸によって、触媒の担体の材料にチタン
化合物を導入する方法が記載されている。含浸に適した液媒体を用いて、
チタン化合物と触媒の担体の材料との間の接触をもたらすことができる。特
許文献1の実施例では、チタン化合物で修飾する触媒の担体を調製する間
に、触媒の担体の材料をチタン化合物と接触させる有機物の液媒体として、
エタノールの使用を開示している。また、特許文献1では、例示されていな
いが、などの無機物の液媒体を使用して、触媒の担体材料をチタン化合
物と接触させることができることを開示している。
 特許文献2には、カルボン酸とチタン化合物との性組成物を調製し、同
時に触媒の担体の材料に添加する方法、すなわち、触媒の担体材料に添加
するのを、チタン化合物とカルボン酸との混合物とする方法が開示されている。
  特許文献3には、修飾金属酸化物と、修飾金属酸化物が卑金属酸化物全体
に均一に分布された卑金属酸化物とを含む、均一で非晶質な触媒の担体が開
示されている。特許文献3には、修飾アルミナを製造するためにアルミナ塩
を原料として用いる沈殿工程が記載されている。
  先行技術の調製方法は合致しないものであるか、あるいはチタン化合物が
触媒の担体上に均一に分散されていない触媒が得られるかのいずれかである
したがって、上述の方法を改善する必要がある。
【先行技術文献】【特許文献】
【特許文献1】 国際公開第2014/020507号 (WO  2014/020507  A2)
【特許文献2】 国際公開第2013/114098号 (WO  2013/114098  A1)
【特許文献3】 米国特許出願公開第2005/0124490号明細書 (US  2005/0124490)

【発明の概要】
【課題を解決するための手段】  本願における第1態様として、触媒の担体
を調製する方法が提供され、当該方法は、
    i)pHが6~8であり、遷移アルミナ、ベーマイト、及びその混合物か
らなる群から選択され、好ましくは、γ-アルミナであるアルミナを含むア
ルミナ懸濁液を調製する工程と、
    ii)チタン化合物の溶液を調製する工程と、
    iii)アルミナ懸濁液のpHが4~5になるまでアルミナ懸濁液に酸
を添加して、酸修飾アルミナ懸濁液を形成する工程と、
    iv)酸修飾アルミナ懸濁液にチタン化合物を添加して、アルミナ/チ
タン化合物を形成する工程とを含む。
  当該方法は、アルミナ/チタン化合物の懸濁液に酸を添加して、酸修飾ア
ルミナ/チタン化合物の懸濁液を形成する工程を更に含むことができる。
  当該方法は、アルミナ/チタン化合物の懸濁液又は酸修飾アルミナ/チタ
ン化合物の懸濁液を加熱して、アルミナ/チタン化合物の加熱懸濁液又は
酸修飾アルミナ/チタン化合物の加熱懸濁液を形成する工程を更に含むこ
とができる。加熱は、30℃~70℃の温度範囲、典型的には約50℃で、
2~4時間なされる。
  当該方法は、アルミナ/チタン化合物の加熱懸濁液又は酸修飾アルミナ/
チタン化合物の加熱懸濁液を乾燥させる工程を含むことができる。
  当該方法は、チタン化合物の溶液を添加する前に、酸修飾アルミナ懸濁液
を乾燥させて、酸修飾アルミナの乾燥混合物を形成する工程を含むことがで
きる。
  本願の第1態様に対する第1選択肢によれば、触媒の担体を調製する方法
が提供され、当該方法は、
    i)pHが6~8であり、遷移アルミナ、ベーマイト、及びその混合物か
らなる群から選択され、好ましくは、γ-アルミナであるアルミナを含むア
ルミナ懸濁液を調製する工程と、
    ii)チタン化合物の溶液を調製する工程と、
    iii)アルミナ懸濁液のpHが4~5になるまでアルミナ懸濁液に酸を
添加して、酸修飾アルミナ懸濁液を形成する工程と、
    iv)酸修飾アルミナ懸濁液にチタン化合物の溶液を添加して、アルミナ
/チタン化合物の懸濁液を形成する工程と、
    v)アルミナ/チタン化合物の懸濁液を乾燥させて、アルミナ/チタン化
合物の乾燥混合物を形成する工程とを含む。
 本願の第1態様に対する第2選択肢によれば、触媒の担体を調製する方法が
提供され、当該方法は、
    i)pHが6~8であり、遷移アルミナ、ベーマイト、及びその混合物か
らなる群から選択され、好ましくは、γ-アルミナであるアルミナを含むア
ルミナ懸濁液を調製する工程と、
    ii)チタン化合物の溶液を調製する工程と、
    iii)アルミナ懸濁液のpHが4~5になるまでアルミナ懸濁液に酸
を添加して、酸修飾アルミナ懸濁液を形成する工程と、
    iv)酸修飾アルミナ懸濁液にチタン化合物の溶液を添加して、アルミ
ナ/チタン化合物の懸濁液を形成する工程と、
    v)アルミナ/チタン化合物の懸濁液に酸を添加して、酸修飾アルミナ
/チタン化合物の懸濁液を形成する工程と、
    vi)酸修飾アルミナ/チタン化合物の懸濁液を乾燥させて、pH修飾
アルミナ/チタン化合物の乾燥混合物を形成する工程とを含む。
【0014】  本願の第1態様に対する第1選択肢及び第2選択肢は、アル
ミナ/チタン化合物の懸濁液又は酸修飾アルミナ/チタン懸濁液を加熱する
工程を更に含むことができる。加熱は、30℃~70℃の温度範囲、典型的
には約50℃で、好ましくは2~4時間なされる。

  本願の第1態様の方法が、チタン化合物の溶液を添加する前に、酸修飾ア
ルミナ懸濁液を乾燥させる工程を含まない場合、アルミナ懸濁液に添加され
る酸は、好ましくはギ酸、乳酸、クエン酸、又はその混合物、より好ましく
は乳酸、クエン酸、又はその混合物、最も好ましくはクエン酸である。
  アルミナ懸濁液に添加される酸の割合は、酸修飾アルミナ懸濁液の5~30
重量%、好ましくは、酸修飾アルミナ懸濁液の5~20重量%にできる。
しかしながら、酸の添加量は、アルミナ懸濁液のpHを、6~8のpHか
ら、4~5のpHに低下させるのに十分な量でなければならないことは理
解されるであろう。

  本願の第1態様に対する第3選択肢によれば、触媒の担体を調製する方法
が提供され、当該方法は、
    i)pHが6~8であり、遷移アルミナ、ベーマイト、及びその混合物か
らなる群から選択され、好ましくは、γ-アルミナであるアルミナを含むア
ルミナ懸濁液を調製する工程と、
    ii)チタン化合物の溶液を調製する工程と、
    iii)アルミナ懸濁液のpHが4~5になるまでアルミナ懸濁液に酸を
添加して、酸修飾アルミナ懸濁液を形成する工程と、
    iv)酸修飾アルミナ懸濁液を乾燥させて、酸修飾アルミナの乾燥混合
物を形成する工程と、
    v)酸修飾アルミナの乾燥混合物にチタン化合物の溶液を添加して、ア
ルミナ/チタン化合物の懸濁液を形成する工程と、
    vi)アルミナ/チタン化合物の懸濁液を乾燥させて、乾燥アルミナ/
タン化合物混合物を形成する工程とを含む。

  本願の第1態様に対する第4選択肢によれば、触媒の担体を調製する方法
が提供され、当該方法は、
    i)pHが6~8であり、遷移アルミナ、ベーマイト、及びその混合物か
らなる群から選択され、好ましくは、γ-アルミナであるアルミナを含むア
ルミナ懸濁液を調製する工程と、
    ii)チタン化合物の溶液を調製する工程と、
    iii)アルミナ懸濁液のpHが4~5になるまでアルミナ懸濁液に酸を
添加して、酸修飾アルミナ懸濁液を形成する工程と、
    iv)酸修飾アルミナ懸濁液を乾燥させて、酸修飾アルミナの乾燥混合物
を形成する工程と、
    v)酸修飾アルミナの乾燥混合物にチタン化合物の溶液を添加して、ア
ルミナ/チタン化合物の懸濁液を形成する工程と、
    vi)アルミナ/チタン化合物の懸濁液に酸を添加して、酸修飾アルミナ
/チタン化合物の懸濁液を形成する工程と、
    vii)酸修飾アルミナ/チタン化合物の懸濁液を乾燥させて、酸修飾
アルミナ/チタン化合物の乾燥混合物を形成する工程とを含む。
  本願の第1態様に対する第3選択肢及び第4選択肢は、アルミナ/チタン化
合物の懸濁液又は酸修飾アルミナ/チタン化合物の懸濁液を加熱する工程を
更に含むことができる。加熱は、30℃~70℃の温度範囲、典型的には
約50℃で、好ましくは2~4時間なされる。
【0020】
  本願の第1態様の第4選択肢のvi)の工程で添加される酸の量は、アル
ミナ/チタン化合物の懸濁液のpHを4~5のpHに維持するのを保証する
のに十分な量であることは理解されるであろう。
  本願の第1態様の方法が、チタン化合物の溶液の添加前に酸修飾アルミナ
懸濁液を乾燥させる工程を含む場合、添加される酸は、好ましくは、ギ酸、
乳酸、クエン酸、又はその混合物を含むカルボン酸(少なくとも1つのカル
ボキシル基(C(=O)OH)を含有する有機化合物)である。
  アルミナ懸濁液に添加される酸の割合は、酸修飾アルミナ懸濁液の5~3
0重量%、好ましくは、酸修飾アルミナ懸濁液の5~20重量%である。し
かしながら、添加される酸の量は、アルミナ懸濁液のpHを、6~8のpH
から4~5のpHに低下させるのに十分な量でなければならないことは理解
されるであろう。

  本願の第1態様に対する第3選択肢及び第4選択肢のとおり、チタン化合
物の溶液を添加する前に酸修飾アルミナ懸濁液を乾燥させる(溶液滴下含浸
法(inpicient  wetness:IW)として公知)よりも、例
えば、本発明の第1態様の第1及び第2選択肢のとおり、チタン化合物の溶
液の添加前に酸修飾アルミナ懸濁液を乾燥させない方(平衡沈降濾過
(equilibrium  deposition  filtration:EDF)
として公知)が好ましい。
  本願の第1態様の方法(及び選択肢)は、乾燥アルミナ/チタン化合物混
合物又は酸修飾アルミナ/チタン化合物の乾燥混合物を焼成する最終工程
を含むことができる。焼成は、典型的には100℃~1000℃、好ましく
は400℃~600℃の温度で、それぞれ好ましくは2~5時間にわたっ
て実施され、焼成触媒の担体を生成する。

  遷移アルミナは、γ(ガンマ)-アルミナ、δ(デルタ)-アルミナ、θ(
シータ)-アルミナ、又はその混合物であることが好ましい。最も好ましく
は、遷移アルミナは、γ-アルミナである。
  アルミナ懸濁液は、好ましくは、遷移アルミナ、ベーマイト、及びその混
合物からなる群から選択されるアルミナ、好ましくはγ-アルミナを少なく
とも中に懸濁させることによって調製される。懸濁液におけるアルミナの
割合は、アルミナ懸濁液全体に対して5~60%であり、好ましくは、アル
ミナ懸濁液全体に対して40~50%である。
  好ましくは、アルミナ懸濁液中のアルミナは、遷移アルミナ、ベーマイト
及びその混合物からなる群から選択されるアルミナのみであり、好ましくは、
γ-アルミナのみである。
  チタン化合物の溶液は、チタン前駆物質を、少なくともに溶解させるこ
とによって調製される。シュウ酸チタンカリウム、シュウ酸チタンアンモ
ニウム、乳酸チタンアンモニウム、又はその混合物を含む溶性チタン前
駆物質を用いることができる。必要に応じて、少なくともの温度を90
℃まで上昇させて、溶解工程を加速することができる。溶液中のチタン前
駆物質の濃度は、可能な限り高く、少なくとも中のチタン前駆物質の溶解
度によってのみ制限すべきである。好ましいチタン液は、TiOとして算
出された1%から4%重量で生成された脱シュウ酸チタンカリウムの
液である。チタン溶液は、アルミナ懸濁液に添加する前に、約30分間磁気
撹拌できる。チタン溶液は、アルミナ懸濁液に添加される前に、任意の不純
物、例えばカリウムを除去するために、イオン交換カラムを通すのが好まし
い。したがって、チタン溶液は、アルミナ懸濁液に添加される前に、一定時
間、磁気撹拌し、(また、それとは別に)イオン交換カラムを通すのが好ま
しい。
  本願の技術分野で公知の任意の乾燥方法は、本発明の方法で利用できる。
乾燥は、典型的には、80℃~120℃の温度で0.5~5時間行われる。
  アルミナ/チタン化合物の懸濁液は、Alとして算出するアルミナ及
びTiOとして算出するチタン化合物の合計に対し、99~95重量%、
最も好ましくは97~99重量%の、Alとして算出するアルミナと、
好ましくは1~5重量%、最も好ましくは1~3重量%の、TiOとして
算出するチタン化合物とを含む。
  アルミナ/チタン化合物(酸/pH修飾アルミナ/チタン化合物を含む)
の乾燥混合物は、アルミナ/チタン化合物(酸/pH修飾アルミナ/チタン
化合物を含む)の乾燥混合物全体に対して、好ましくは99~95重量%、
最も好ましくは99~97重量%の、Alとして算出するアルミナと、
好ましくは1~5重量%、最も好ましくは1~3重量%の、TiOとして
算出するチタン化合物とを含む。
  本願の第2態様によれば、本発明の第1態様によって調製された触媒の担
体が提供される。
  本発明によれば、アルミナ担体(Al)に対して1~5重量%のT
iOで被覆されたアルミナ担体を含み、TiOは、アルミナ担体上に均
一に分散されている焼成触媒の担体が提供される。
  「被覆する/被覆された」とは、担体の材料に渡って形成された表面被覆
を意味し、担体の材料の内壁の表面の被覆を含む(担体のバルクの内部は
含まない)。
  当該触媒は、アルミナ担体(Al)に対して3~5重量%(焼成後に
測定)のTiOで被覆したアルミナ担体を含むことが好ましい。
  本発明の第1態様により調製された触媒の担体におけるTiOの重量%
は、触媒の担体の総重量を単位として表される。
  アルミナ懸濁液を最初に酸で処理する場合、アルミナ懸濁液をチタン化合
物の溶液と接触させる前に、アルミナ触媒の担体上でチタン化合物の均一な
分布の改善が実現されることが見出されたことは、最も驚くべきことである。
  本願の第4態様によれば、促進触媒の担体を調製する方法が提供され、当
該方法は、
    i)本発明の第1態様により触媒の担体を調製する工程と、
    ii)触媒の担体上及び/又は触媒の担体中に助触媒を導入することによ
って、促進触媒の担体を得る工程とを含む。
 助触媒は、例えば、マンガン酸化物、マンガン酸化物、及び/又はマン
ガンオキシ酸化物を含むマンガン化合物であることが好ましい。マンガン
は、チタン化合物の溶液と共に、すなわち、マンガン前駆物質、例えば酢酸
マンガンを、本発明の第1態様のii)工程のチタン化合物の溶液と混合す
ることによって、触媒の担体に添加してもよい。代替的には、焼成触媒の担
体は、マンガン前駆物質、例えば酢酸マンガンで含浸してもよい。
【0040】
  本願の第4態様は、焼成の最終工程を含むことができる。
 本発明により調製した触媒の担体又は促進触媒の担体は、Fischer
-Tropsch触媒、炭化素合成触媒、素化脱硫触媒、素化処理
触媒、及びNO酸化用の光触媒などに用いることができる。
  本発明は、添付の図面と以下の非限定的な実施例とにより、ここで更に詳
細に記載される。
【図面の簡単な説明】

【図1】比較例3の断面SEM画像であり、白い箇所がTiOの富化を表
している。

【図2】実施例3の断面SEMである。

【発明を実施するための形態】
【0044】[実験]
  用いられるチタン(IV)ビス(アンモニウムラクタト)ジヒドロキシド
(TALH)は、Tyzor(登録商標)LAとして同業者に知られてい
る1重量%(TiOとして算出)のTALHの溶液である。
【0045】  以下の実施例においては、触媒の担体においてTiOとし
て算出されるTiの重量%は、触媒の担体の総重量を単位として表される。
【0046】  X線光電子分光法(XPS)を以下の実施例で用いて、アル
ミナ表面上のTiO分布を決定した。XPSとは、1000部の範囲あた
りの部数で元素組成を測定する表面感度の定量分光技術である。XPSは
表面感度のみであるので、受領時のもの(現状の粒子)、及び、乳棒と乳
鉢とを用いて粉砕(粉砕)した後のものの両方でXPSによって分析し、元
素の比を報告した。乳棒と乳鉢を用いてちょうど十分な力を加えて粒子を分
解した粉砕工程では、(現状の粒子を測定したときの試料と)ほぼ同量の試
料を用いた。

  XPSスペクトルは、KRATOS  Axis  Ultra  DLDに記録し
、分析器はスペクトル探査については160eV、個々の部分については
20eVの固定パスエネルギーで動作させた。測定はAlKαの単色光源を
用いて行った。材料の性質上、取得中中に中和が必要であった。すべての
スペクトルは、284.6eVのC1sを用いてエネルギー補正した。全て
の試料は、モリブデン試料ホルダに遊離粉末として封入した。実施例におけ
る全ての担体の試料について、XPSによって決定されるようなピーク面積
比は、現状の粒子と破砕した試料との間の差の算出値と共に、

表1、2、及び3に提供される。この差が大きくなるにつれて、試料の均一
性が低下する。均一な試料は、非常に小さい値か負の値を示す。


[実施例-本発明の第1態様の第1選択肢及び第2選択肢]
  前述したように、本発明の第1態様の第1選択肢及び第2選択肢は、チタ
ン化合物の溶液の添加前に、酸修飾アルミナ懸濁液を乾燥させる工程(平
衡沈降濾過(以下、「EDF」)として公知)を含まない。
[比較例1:酸の添加のないTALHの平衡沈降濾過(以下、「EDF」と
する)]
  38.8gのPuralox  SCCa-150を46.5gのに懸濁し、
45.5重量%のAl懸濁液を得た。164gのTALH溶液
(1重量%のTiO)をアルミナ懸濁液に添加し、50℃で3時間加熱し、
濾過し、乾燥し、550℃で焼成した。得られた修飾担体は、1.1重量%
のTiO(修飾担体の総重量に基づく)が含まれていた。
【0050】
[比較例2-特許文献2(WO  2013/114098  A1)と同一工程
:クエン酸を事前混合した1工程のTALHのEDF]  38.6gの
Puralox  SCCa-150を46gの(45.5重量%の懸濁液
)に懸濁した。160gのTALHとクエン酸との混合溶液を懸濁液に添加
した(1重量%のTiO=11gのTALH、使用したTALHの量に対
する20重量%のクエン酸=2.2g)。混合物を加熱し、50℃で3時間
撹拌し、濾過し、乾燥し、550℃で焼成した。得られた修飾担体は、
1.7重量%のTiO(修飾担体の総重量に基づく)が含まれていた。

【0051】
[実施例1:クエン酸を含むTALHのEDF(AP15-171)]
38.8gのPuralox  SCCa-150を46.5gの中に懸濁
し、において45.5重量%のAl懸濁液を得た。11.2gの
40重量%のクエン酸溶液を懸濁液に添加して、懸濁液のpHを4に調整
し、酸修飾アルミナ懸濁液を生成した。次いで、164gの1重量%の
TiOのTALH溶液を酸修飾アルミナ懸濁液に添加し、クエン酸を
用いた4へのpH制御下で、アルミナ/チタン化合物の懸濁液を50℃で
3時間加熱し、濾過し、乾燥し、550℃で焼成した。得られた触媒の担
体には、2.2重量%のTiO(修飾担体の総重量に基づく)が含まれ
ていた。
【0052】
  実施例は、Ti化合物を添加する前にアルミナ懸濁液に酸を添加すると、
比較例1及び比較例2のように、酸処理なしの場合と比較した場合又はチ
タニア(TiO)と酸を事前混合した場合と比較した場合、アルミナ上の
TiO吸着が、かなり高くなることを示している。
  実施例1で調製したような現状の粒子及び触媒の担体の粉砕(破砕)試料
のTi:Al比は、ほぼ同じであることが見出された。したがって、チタニ
アの表面分布は、担体粒子の内表面及び外表面にわたって均一であると考え
られる。実施例1のようなTALHのEDFでの含浸の前にアルミナ担体を
酸で官能化すると、触媒の担体材料を酸で事前に処理することなく、同時に
チタン化合物とカルボン酸とを触媒の担体と接触させて、不均一なTi分布
が得られた比較例2と比較して、均一なTi分布が得られた(表1の実施
例1のXPSのTi:Alピーク比を参照)。
  担体修飾の結果によって、吸着の改善がpHの機能であること、及びアル
ミナの表面が酸によって官能化されるという事実が実証される。
  結果は、以下の表1に含まれる。
【0056】
表1
000002
【0057】[実施例-発明の第1態様の第3選択肢及び第4選択肢]
  本発明の第1態様の選択肢3及び4の前に記載されたように、チタン化合
物の溶液を添加する前に、酸修飾アルミナ懸濁液を乾燥させる工程(溶液滴
下含浸法(以下、「IW」)として公知)を含む。
【0058】[比較例3:酸の添加のないTALHのIW]
  13.7gのTALHをに溶解し、合成した21mLのTALH溶液
を得た。次いで、強力な混合中において、54.4gのPuralox  
SCCa-2/150懸濁液にTALH溶液を滴下した。大気圧下80℃で
を除去し、550℃で3時間焼成した。得られた担体は4.1重量%の
TiOを含んでいたが、TiOの分布は不均一であった(表2及び図1
参照)。
表2.
000003
【0059】
[比較例4:20重量%のクエン酸(TALHとの関係で表される)を用い
た1工程でのTALHのIW(事前混合)]
  11.3gのTALHをに溶解し、合成した18mLのTALH溶液を
得た。2.3gのクエン酸を固体としてTALH溶液に添加した。強力な混
合下で、38.8gのPuralox  SCCa-2/150懸濁液にこの溶
液を添加した。大気圧下80℃でを除去し、550℃で3時間焼成した。
得られた触媒の担体では、TiOの分布は不均一であった。

【0060】
[本発明の第4態様の例:Mn含浸の例]
[比較例5:酸添加前処理をしないTALHのIW、MnAcのIW]
  比較例3に記載したように触媒の担体を調製したが、焼成後に酢酸マンガ
ン(MnAc)を溶液滴下含浸法により添加した。

  26.9gのTALHを水に溶解し、合成した42mLのTALH水溶液
を得た。91.8gのPuralox  SCCa-150にこれを滴下し、
Krups撹拌機で混合させた。水を大気圧下120℃で除去し、550℃で
3時間焼成した。12.5gの酢酸マンガン四水和物(Mn(CHCOO)
・4HO)を42mLの水に溶解し、焼成粉末に滴下した。触媒の担体を
120℃で乾燥し、再び550℃で3時間焼成して、3.9重量%のTiO
及び4.7重量%のMnOを含む触媒を得た。


[比較例6:1工程での20重量%のクエン酸を用いたTALHのIW、
及びMnAcのIW]
  比較例4に記載したように触媒の担体を調製したが
乾燥後の第2溶液滴下含浸法工程において、酢酸マンガン(MnAc)を
添加した。

  22.8gのTALHを水に溶解し、合成した36mLのTALH水溶液
を得た。4.6gのクエン酸を固体としてTALH溶液に添加した。Krups
撹拌機で混合しながら、78gのPuralox  SCCa-2/150にこ
の溶液を滴下した。水を大気圧下120℃で除去した。10.6gの酢酸マ
ンガン四水和物を36mLの水に溶解し、この乾燥粉末に滴下し、大気圧1
20℃で乾燥し、空気中550℃で3時間焼成した。修飾担体は3.9重量
%のTiOと4.7重量%のMnOで構成された


[比較例7:1工程でのTALHのIW、及び20重量%のクエン酸を用い
たMnAcのIW]
  触媒の担体は、比較例4に記載されているように調製
したが、TALHのクエン酸でのIW中にMnAcを添加した。

【0071】
  22.8gのTALH、10.6gの酢酸マンガン、及び4.6gのクエン
酸を水に溶解し、36mLの水溶液を得た。Krups撹拌機で混合しなが
ら、78gのPuralox  SCCa-2/150にこの溶液を滴下した。
水を120℃の大気圧下で除去し、粉末を空気中550℃で3時間焼成した。
修飾担体は、3.9重量%のTiOと4.7重量%のMnOから成るも
のであった。

[実施例6:5重量%のクエン酸で前処理したTALH、及びMnAcの
IWの2工程]
  触媒の担体は、実施例3に記載のように調製したが、TA
LHのクエン酸での溶液滴下含浸法の間にMnAcを添加した。

  73.9gのPuralox  SCCa-2/150  34mLに、5重量
のクエン酸溶液を添加し、混合させた。混合物を大気圧下80℃で乾燥さ
せた。21.5gのTALH及び10gの酢酸マンガン(II)四水和物
(Mn(CHCOO)・4HO)を水に溶解し、34mLのTALH
/Mn酢酸水溶液を得た。
  第1工程で調製したように、乾燥させ、酸処理
したPuraloxに、TALH/MnAc水溶液を第2工程の含浸で添加
し、80℃で乾燥させて水分を除去し、550℃で3時間焼成して、
4.1重量%のTiO及び4.7重量%のMnOの修飾担体を得た。乾
燥中の大きな酸損失を防止するために、80℃で乾燥を行った。


【0075】[実施例7:TALHのEDF、5重量%のクエン酸、及び酢
酸MnのIWの2工程]

  触媒の担体は、実施例1に記載されているように調製したが、焼成後の溶
液滴下含浸法性によりMnAcを添加した。

  85.8gのPuralox  SCCa-2/150を102mLの水と混
合することによって水懸濁液中のAlを調製し、懸濁液を40重量%
クエン酸溶液によってpHを4に調整した。その後、950gの1重量%の
TiOのTALH水溶液を懸濁液に添加し、クエン酸を用いた4へのpH
制御下で、50℃に3時間加熱した。懸濁液を濾過し、乾燥し、550℃で
焼成した。焼成後、12.4gの酢酸マンガン四水和物を43mLの水に溶
解し、粉末に滴下し、120℃で乾燥させ、550℃で3時間焼成した。


  比較例5及び実施例6についてのXPSピーク比の結果は、溶液滴下含浸
ルートを介して調製されたTi及びMn修飾試料の表3に含まれ、チタニア
は主に担体の内面上に位置し、一方、マンガンは担体の内面及び外面上に均
一に位置することを示す。

  結果は、以下の表3に含まれる。
【0079】【表3】

000004
                       この項了


        心に響く楽曲     『夜永唄  神はサイコロを振らない

                 作詞/作曲:柳田周作
                 ジャンル:J-POP 2019年7月

2015年に結成。バンド名の由来は現代物理学の父、アルベルト・アインシ
ュタイン
の言葉による。アインシュタインは、「そこには必ず物理の法則が
あり、決定されるべき数式がある」との立場から、〝神″をその比喩として
用いた。「型にはまらない、誰にも出せない音を生み出し続ける」という、
自らが定めた絶対的な〝法則″。それをもって自分自身が司る道を自分自身
で切り開いていく、との意を込めて命名された。


今日の言葉:「(マスク氏を)クビにしろ」

 

          春が来ても、鳥たちは姿を消し鳴き声も聞こえない。
                   春だというのに自然は沈黙している。

                            レイチェル・カーソン 『沈黙の春』

 

                                                                                 

 

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