A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

The Birthday TOUR 2017 “NOMAD”@横浜 Bay Hall 2017.5.27(sat)

2017年05月30日 00時49分00秒 | ロッケンロール万歳!


The Birthdayが前作『BLOOD AND LOVE CIRCUS』以来、約1年7ヶ月ぶりとなる通算9枚目のオリジナル・アルバム『NOMAD』をリリース。アルバムを引っさげての全国ツアーの初日が横浜Bay Hallで開催された。<遊牧民>というロマンティックで詩的な名前を冠されたアルバムは「夢とバッハとカフェインと」「抱きしめたい」の2作のシングル曲を始め、詩の世界はこれまで以上にイマジネーション豊かで、より「聴かせる」ことに集中したミッドテンポの曲調が印象的。その中にデビュー当時から核にある荒々しいガレージロックの魂(ソウル)が内包され、凄みすら感じさせるジャケットに相応しい男気溢れる作品である。



みなとみらい線横浜・中華街駅からBay Hallへ向かう途中のドンキホーテがあった辺りが再開発で何も無くなり景色が一変していた。しかしながらBay Hallの周辺は記憶にあるままの風景で何となく安心する。完全ソールドアウトの会場内はメンバーと同世代か上の年配ロックファンと20代の現役ロックファンが入り交じり、特に女子の姿が目立つ。ロケンローに世代や性別の違いがないのは周知の事実だが、自分の目で確かめることで、自分の中のロケンローの火が再燃するのを感じる。前年の“シャム猫の絶叫” TOUR 2016もこの会場からスタートした。クハラカズユキは昔横浜に住んでいたというし、ロケンローの八百万の神のひとりはこの地の生まれに違いない。



前述したようにアルバム全体じっくり聴かせるナンバーが中心という印象を持っていたが、CDとライヴは全く別もの。オープニングの「24時」から本編ラストの「抱きしめたい」まで、ぐいぐい腰から下がグラインドするような、ロケンローの妖しいノリ(グルーヴなどという陳腐な言葉は使わない)に、知らず知らずに両足を踏み締めて、頭の中では言葉の重みを噛み締めてした。それにも関わらず気持ちは軽く空の彼方に舞い上がるのは、The Birthdayの音楽が魂のダンスを誘発するからに違いない。チバユウスケのハウリングシャウトと、クハラカズユキのドリルビート、フジイケンジのサーベルギター、そして柱の影で殆ど姿が見えなかったがヒライハルキのバイブレーションベース。四つの肉体の軋轢が擦り合って絞り出される果実こそがThe Birthdayのエッセンス、即ちロケンローなのである。終演後地下鉄駅を目指して上気した顔で、遊牧民の足取りで横浜通りを歩く散切り頭を絞って滲み出て来た翠(みどり)の液体がオレのすべてなのかもしれない。つまりロケンロージュースである。

The Birthday 9th Album「NOMAD」アルバムダイジェスト



遊牧民
流浪の民とは
違う筈

The Birthday 9th Album「NOMAD」初回限定盤Blu-ray&DVDダイジェスト

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【Disc Review】ロックの自意識拡張の試み『サーストン・ムーア/ロックンロール・コンシャスネス』

2017年05月09日 01時46分45秒 | ロッケンロール万歳!


ロックンロールの自意識/無意識拡張の試み

サーストン・ムーア3年ぶり5作目のソロ・アルバム。『ロックンロールの意識』というタイトルを聴いた時は丁度チャック・ベリーが亡くなった後だったので、スリーコードの3分間のR&Rに回帰したのかと想像していたが、完成したアルバムは長尺ナンバー全5曲、ドローン、パンク、シューゲ、オルタナ。エクスペリメンタルといったソニック・ユース以来のサーストンのトレードマークをごった煮にした異形のロックアルバムとなった。熱に感応して色づいたジャケット写真ではにかむような笑みを浮かべたサーストンの自信のほどが伺える。前作『ザ・ベスト・デイ』(2015)からのバンドメンバー、デビー・グッギ(B/マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン、プライマル・スクリーム)、ジェイムス・エドワーズ(G/ノウト、グアポ)、スティーヴ・シェリー(Dr/ソニック・ユース、サン・キル・ムーン)が参加しており、2年間のワールドツアーで固めた信頼感が音に表れている。

天使や神秘主義や癒しの力をテーマにした独創的な歌詞は、詩人の例ディオ・ラディユーとの共作。物憂げなサーストンの歌声と哀感が溢れ出るメロディーラインが美しい「スモーク・オブ・ドリームス(夢たちの煙)」、ソニック・ユースmeetsマイ・ブラッディ・ヴァレンタイン風の「カスプ(先端)」など聴き所多数。ジェイムスの伸びのあるギタープレイが印象的。ソニック・ユースのファンならばニヤリとしそうな美味しいフレーズも満タン。聴き終える頃には頬が火照り、ジャケットに似た色彩に染まっているかもしれない。

Thurston Moore「Smoke Of Dreams」


実験を
ロックンロールに
してしまえ



Thurston Moore(サーストン・ムーア)
Rock N Roll Consciousness(ロックンロール・コンシャスネス)
Ecstatic Peace library/ Hostess HSU-10122

<トラックリスト>
1. Exalted
2. Cusp
3. Turn On
4. Smoke Of Dreams
5. Aphrodite

日本盤ボーナストラック
6. Cease Fire
7. Mx Liberty

■ショート・バイオ
ニルヴァーナやダイナソーJrと並びUSオルタナ黄金時代を代表するバンド、ソニック・ユースのフロントマンとして83~11年の間に通算16枚の公式スタジオ・アルバムを発表。ソロで4枚のスタジオ・アルバムと多数のセッション/実験作を発表。12年11月に開催した第3回ホステス・クラブ・ウィークエンダーではヘッドライナーを務めた。13年に新バンド、チェルシー・ライト・ムーヴィングを結成しアルバムを発表。14年10月にはソロ4枚目となるアルバム『ザ・ベスト・デイ』を、17年4月にはソロ5作目となる『Rock N Roll Consciousness』をリリース。
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酔どれロッケンローラーの帰還〜ジョー・ドッグ&ザ・デスペラードズ(ex.ドッグス・ダムール)

2017年02月06日 00時32分07秒 | ロッケンロール万歳!


ガンズ・アンド・ローゼズがの来日が話題になった。アクセル・ローズの変貌ぶりが話題になり、BABY METALがサポートだというのでちょっと気になったが、当時も今もガンズに特別な思い入れは無い。当時バッドボーイズロック、スリージーロックと呼ばれたバンドの中でガンズよりも筆者が好きだったのはサザンロックのブラック・クロウズやイギリスのクワイアボーズやワイルドハーツ、そして同じくロンドンのドッグス・ダムールだった。
時代を超えた酔いどれロックンローラー、ザ・ドッグス・ダムール

ドッグス・ダムールは91年に一旦解散、その後ソロ活動を続けるヴォーカルのタイラの元で何度か再活動を行い、2013年にオリジナル・メンバーで再結成ライヴも行った(DVDとしてもリリースされた)。その後タイラ以外の3人でジョー・ドッグ&ザ・デスペラードス(ならず者たち)/Jo Dog & The Desperadosを結成し、昨年12月に1stシングル「プリーチャーズ・ブルース」が配信リリースされた。メンバーは元ドッグスのジョー・ドッグ(g)、スティーヴ・ジェームス(vo,b)、バン(ds)の3人に加え、キーボード奏者ヘンリー・トゥインチが参加している。トゥインチは93年のドッグスのアルバム『許されざる恥辱/More Unchartered Heights Of Disgrace』にゲスト参加して以来、タイラのソロ作品でコラボしてきた所縁のミュージシャンである。ドッグス時代もブルース好きを公言していたジョーの嗜好に相応しいマイナー調のブルースロック。若い時は甘いルックスで女子ファンの人気を集めていたスティーヴ・ジェームスがいぶし銀のような味のある歌声を聞かせる。PVにプロレスラーが登場するのは「時々以前より強くなって帰ってくる」という歌詞の内容であろう。

PREACHER'S BLUES


間もなく2ndシングル「EVERY STAR」がリリースされる予定だが、予告編としてジョーのインスト・ナンバー「BOOT STOMP」が公開された。ドブロギターのブルースである。

Boot Stomp


一方ヴォーカルのタイラはドッグス・ダムールを名乗って昨年12月2クリスマス・ライヴをシェフィールドとマンチェスターで開催し、ドッグス・ダムールとソロ時代の曲を披露した。両者がそれぞれ活動する状況は、恐らく「けんか別れ」ではなく「のれん分け」に近いと信じたい。

Tyla's Dogs D'Amour: No Gypsy Blood


デジロックやダンスロックばかりの現代ロックシーンには、彼らのような悪ガキロックが必要だ。願わくばドッグス・ダムールとデスペラードのダブルヘッドライナーで来日公演を企画してもらえないだろうか。

愛のイヌ
ならず者たち
ロッケンロー

Victims Of Success / Drunk Like Me [Live In Japan 1991] ~ The Dogs D'Amour
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ザ・クロマニヨンズ@TOKYO DOME CITY HALL 2017.1.24 (tue)

2017年01月27日 02時01分24秒 | ロッケンロール万歳!


ザ・クロマニヨンズ TOUR BIMBOROLL 2016-2017
2017年1月24日 (火) 18:15/19:00
@TOKYO DOME CITY HALL (東京都)



でんぱ組.incの古川未鈴は武道館公演で「でんぱ組.incを諦めません」と語り8500人の観客(ファン)に感動を与えたが、オレとしては「ロケンローをあきらめられない」と宣言するしかない。地下音楽や地下ジャズや地下アイドルにゾッコンに見えるが、心の種子を覆う表皮を一枚一枚剥がして行って最後に残る林檎の芯には<ROCK'N'ROLL>と刻印されているに違いない。いや、この日のTokyo Dome City Hallで<BIMBOROLL>と遺伝子が組み換えられたかもしれない。それほどまでに強烈で濃厚で凝縮された90分だった。
最高のライヴレポートはコチラ⇒ザ・クロマニヨンズ TOUR ACE ROCKER 2012@渋谷公会堂 2012.5.23 (wed)



彼らはこの90分のロケンローを10年間楽しみ続けている。ヒロトとマーシーに至ってはTHE BLUE HEARTS〜THE HIGH-LOWS〜ザ・クロマニヨンズと30年も続けている。オレが初めてTHE HIGH-LOWSのライヴを観たのは確か1997年か98年だから、オレも20年間続けている訳だ。計算すると90分×年2回×20年=3600分つまり2.5日間ロケンロー以外に何もない瞬間(とき)を過ごしたことになる。二日半のロケンロー 長すぎるか 短すぎるか オレの心の転がりかた次第さ。生きる歓びとスリルを最も実感できる現場は此処しかないと悟りを開いたのも束の間、帰りの電車で推しのアイドル=えいたそ☆成瀬瑛美の生誕イベントに想いを馳せるオレの煩悩人生に涅槃の境地はまだ見えない。

ザ・クロマニヨンズ / ペテン師ロック (2016.9.16)


セトリ
1. おれ今日バイク
2. 光線銃
3. マキシマム
4. デトマソパンテーラを見た
5. ハードロック
6. もれている
7. モーリー
8. グリセリン・クイーン
9. ダイナマイト・ブルース
10. ナイアガラ
11. 焼芋
12. ピート
13. 誰がために
14. ペテン師ロック
15. エルビス(仮)
16. 突撃ロック
17. エイトビート
18. 雷雨決行
19. ギリギリガガンガン
20. 大体そう
アンコール:
21. 笹塚夜定食
22. 紙飛行機
23. ナンバーワン野郎!



ロッケンロー
目指せラモーンズ
ナンバーワン

ラモーンズ(1974年 - 1996年)活動22年 オリジナルアルバム14枚 総ライヴ回数2,263回 List of Ramones concerts

ヒロト&マーシー (1985年 - ) 活動32年 ツアー公演数1,456回

THE BLUE HEARTS(1985年 - 1995年)活動10年 オリジナルアルバム8枚 ツアー公演数357回
1987年 10月1日、初の全国ツアー「ドブネズミツアー」スタート(全40公演)。
1988年 10月3日 「TOUR'88 PRETTY PINEAPPLE アンコール パイナップルの逆襲」(全国40公演)スタート。
1989年 9月6日7日 京都会館 第一ホール 「ON TOUR 1989-1990全国版」スタート(全国56公演)。
1990年 11月7日・8日 横浜アリーナ「EAST WASTE TOUR'90」スタート(全国19+2公演)。
1991年 3月22日 九州厚生年金会館「全日本EAST WASTE TOUR'91」(全国34公演)スタート。
1991年 12月14日 グリーンホール相模大野「HIGH KICK TOUR」(全国40公演)スタート。
1992年 11月25日 平塚市民ホール「PKO(PUNCH KNOCK OUT)TOUR」スタート(全国33公演)。
1993年 3月30日 四日市市文化ホール「STICK OUT TOUR」(全国32公演)スタート。
1993年 10月27日 千葉市文化会館「凸凹TOUR」前半戦(全国29公演)スタート。
1994年 4月5日 茨城県民文化センター「凸凹TOUR」後半戦(全国31ヶ所32公演)スタート。

THE HIGH-LOWS(1995年 - 2005年)活動10年 オリジナルアルバム8枚 ツアー公演数562回
1995年 12月12日-12月27日 !TOUR (全国6大都市で公演)
1996年 3月31日 – 7月21日 THE HIGH-LOWS TOUR '96「KING BISCUIT TIME」(全国34ヶ所36公演)
1996年 10月13日 – 11月10日 ザ・ハイロウズのゆきゆきて女子大 ㊙女だらけのハリケーン!!(女子大学園祭ツアー6公演)
1997年 3月22日 – 7月11日 Tigermobile Tour (全国40ヶ所48公演)
1997年 7月26日 FUJI ROCK FESTIVAL '97
1998年 5月28日 – 10月30日 THE HIGH-LOWS TOUR メイン☆ロブスター '98(全国44ヶ所58公演)
1998年 11月2日- 11月22日 THE HIGH-LOWS TOUR メイン☆ロブスター合コン '98(全国5公演)
1999年 4月1日 – 12月24日 THE HIGH-LOWS TOUR BAUMKUCHEN '99(全国61ヶ所78公演)
2000年 5月9日 – 8月22日 THE HIGH-LOWS TOUR 2000 Steamin'(全国7ヶ所7公演)
2000年 6月9日 – 12月24日 THE HIGH-LOWS TOUR 2000 Relaxin'(全国64ヶ所83公演)
2000年 8月23日&26日 that summer feeling(野音2ヶ所2公演)
2001年 9月6日 -翌年8月22日 THE HIGH-LOWS TOUR 2001-2002 WELCOME TO THE HOTEL TIKI-POTO(全国69ヶ所80公演)
2002年 7月28日 FUJI ROCK FESTIVAL '02
2002年 10月26日 -翌年7月13日 THE HIGH-LOWS TOUR 2002-2003 angel beetle(全国65ヶ所75公演)
2004年 9月1日 -翌年5月22日 The★MUSTANG 04-05(全国66ヵ所76公演)

ザ・クロマニヨンズ(2006年 -)活動11年目 オリジナルアルバム11枚 ツアー公演数537回(更新中)
2006年9月20日 -12月24日 初の全国ツアー「ザ・クロマニヨンズ 出現!! ツアー」(全国33公演)開催。
2007年 9月19日 -翌年1月18日 ツアー「TOUR CAVE PARTY'07-'08」(全国43公演)開催。
2008年 10月29日 -翌年2月13日 ツアー「FIRE AGE'08-'09」(全国43公演)開催。
2009年 11月11日 -翌年3月21日 ツアー「TOUR MONDO ROCCIA'09-'10」(全国49公演)開催。
2010年 11月21日 -翌年4月23日 ツアー「ザ・クロマニヨンズ2010-2011 ウンボボ月へ行く」(全国59公演)開催。
2012年 2月9日 -6月30日 ツアー「ザ・クロマニヨンズ TOUR ACE ROCKER 2012」(全国57公演)開催。
2013年 2月20日 -11月2日 ツアー「ザ・クロマニヨンズ ツアー 2013 イエティ 対 クロマニヨン」(全国67公演)開催。
2014年 10月10日 -翌年3月21日 ツアー「ザ・クロマニヨンズ TOUR ガンボ インフェルノ 2014-2015」(全国60公演)開催。
2015年 11月7日 -翌年4月30日 ツアー「ザ・クロマニヨンズ TOUR JUNGLE 9 2015-2016」(全国70公演)開催。
2016年 11月17日 –翌年4月22日   ツアー「ザ・クロマニヨンズ TOUR BIMBOROLL 2016-2017」(全国56公演)
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【2017年:パンクロック40周年記念盤】セックス・ピストルズ『勝手にしやがれ』/ザ・クラッシュ『白い暴動』

2017年01月02日 11時43分14秒 | ロッケンロール万歳!


セックス・ピストルズがデビューした1976年を起点に、昨年は「パンクロック40周年」として様々なイベントやリリースがあったが、個人的な実感としては1977年がパンク体験の年であり、2017年の今年こそ「40thアニヴァーサリー」だと感じる。実際に日本や世界各国で「パンクロック」が広く認知されたのは有力バンドのアルバム・リリースが集中した1977年だったのではないだろうか。1977年3月に父親の転勤で石川県金沢市から東京都練馬区へ引っ越した14歳の筆者は、すでに洋楽ポップス/ロックに目覚め、ジョン・デンバー、ビーチ・ボーイズを手始めにキッスやエアロスミスを愛好し、ジェネシスなどプログレやジョニー・ウィンターなどブルースロックに興味が広がっていた。ラジオでセックス・ピストルズやクラッシュなどパンクロックが流れることはあったが、聴いて直ぐに興味を持ったわけではない。しかし音楽雑誌に載ったパンクバンドの写真のかっこよさ(ヤバさ)に痺れてしまったのである。



手元に1977年12月30日放送のNHK-FM「渋谷陽一のヤングジョッキー」年末特番のエアチェック・カセットがある。AIWAのラジカセで録音したもので、当然ながらナレーション部分はカットして曲だけを録音した。この番組が日本でパンク/ニューウェイヴをまとめて特集した初めてのラジオ番組だったかもしれない。しかしながら1978年早々にジョニー・ロットンがセックス・ピストルズから脱退(実質的に解散表明)したことで、パンクは死んだという印象を与えた。つまり初期パンクバンドが多数デビュー・アルバムを発表した1977年がパンクムーヴメントの絶頂期だったと言えるだろう。

1977/12/31 特集:ロック・ニュー・ウェイブ 大貫憲章、岡田英昭
1 Sex Pistols Holidays In The Sun
2 Patti Smith Ask The Angels
3 The Who My Genaration
4 Stooges No Fun
5 Patti Smith My Genaration
6 Televison Venus
7 Detectors Search & Destroy
8 Damned New Rose
9 Clash White Riot
10 Richard Hell Blank Generation
11 Wayne County Max's Kansas City 1976
12 The Jam Here Comes The Weekend
13 Generation X Your Generation
14 X-Ray Specks Oh Bondage Up Yours
15 Strunglers Something Better Change
16 Blondy In The Flech
17 Cherry Vanila The Punk
18 Ramones Thinner Is A Punk Rocker
19 Dead Boys Down In Flame
20 Boomtown Rats Lookin' After No.1
21 Advererts Bored Teen Ager

●セックス・ピストルズ『勝手にしやがれ』
Sex Pistols "Never Mind The Bollocks Here's The Sex Pistols"

¥1950/1977.12.11/吉祥寺Record Plant


吉祥寺には輸入レコード店が数軒あったが、南口のビルの1,2階のレコードプラントは1階国内盤、2階輸入盤の最大規模だった。ピストルズを含め国内盤ではなく輸入盤を購入したのは、値段が安かったのが大きな理由だが、外国への憧れと舶来品の優越感があったのだと思う。セックス・ピストルズのデビュー・アルバムは輸入盤が入荷するのを何度も店に通って確認して購入した。日本盤(とイギリス盤)と違ってピンクのジャケットだったのが何だか嬉しかった。気がついたら既にロック歴40年を越えてしまったが、個人的にこのアルバムに勝る衝撃作は思いつかない。シンプルかつポップなロックンロールの美学をここまで過激に表現できたのは、バンド/マネージャー/プロデューサー/デザイナー/レコード会社/プレス/メディア/リスナーの欲求が最高潮に達した成果と言っていいだろう。社会現象となった作品だが、それとは関係なく人生が変わるほどの影響を受けたアルバムである。

Sex Pistols - Live In Stockholm, Sweden July 28th, 1977


●ザ・クラッシュ『白い暴動』
The Clash "The Clash"

¥2500/1977.12.25/購買店不明


父親からの誕生プレゼント。クリスマスが誕生日なのでサンタクロースのように枕元に置いておく習慣があった。もちろんサンタが実在しないことは知っていた。前年のプレゼントは「ロックのレコード」とだけリクエストしたらベイ・シティ・ローラーズでがっかりしたので、この年は欲しいレコードのリストを渡しておいた。受験生だったので父が奮発したのかジョニー・ウィンター『狂乱のライヴ』とクラッシュのデビュー・アルバムの2枚をもらった。その日は模擬試験だったが家へ帰って聴く楽しみだけを考えていた。母親がクラッシュを聴いて「思ったよりも聴き易いわね」と言った。帯の文句を読んでどんな過激な音楽かと思ったのだろう。実際最初に聴いた時は、ピストルズに比べてスカスカの音で普通のロックンロールやレゲエもあって肩すかしの気がしたが、ジョー・ストラマーの怒りに満ちた歌声にパンク魂を感じた。当時の日記に「ピストルズはドロドロの赤い血を吐くが、クラッシュは白い毒の粉をまき散らす」と書いてある。

The Clash - Live in Munich (1977)


40年
共に過ごした
レコード盤



これらのレコードも40周年




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The Birthday "シャム猫の絶叫"TOUR 2016 Final@豊洲PIT 2016.12.4 (sun)+女子コラボのススメ

2016年12月06日 22時36分07秒 | ロッケンロール万歳!


The Birthday
『SCREAMING OF SIAMESE CAT』
TOUR 2016 Final

12/4(日) @東京・豊洲PIT
Open 17:00 / Start 18:00

2016年の第四四半期下半期は地下音楽とアイドルに明け暮れた感があるが、いつも心の奥に灯し続けたのはロケンローへの愛であった。地下音楽への入り口はパンクロックだったし、地下アイドルの核心にはロケンロー現場のカオスがある。しかし今の時代ロケンローだけで生きて行くのは楽じゃない。EDMやデジロックに浮気したまま戻れなくなるケースも少なくない。とことん死ぬまでロケンローを貫くぜ!なんて時代錯誤の極みかもしれない。バカにするならすればいい。オレはオレの道を行く、と宣言したかどうかは知らないが、オレ的ロケンロー三羽烏のザ・クロマニヨンズ、浅井健一、そしてThe Birthdayはブレずに己のRAOD TO R&Rを生き続ける。

The Birthday – LIVE DVD / Bu-ray「LIVE AT NIPPON BUDOKAN 2015“GOLD TRASH”」ダイジェスト


中でも目に見える風速No.1のThe Birthday初の豊洲PIT公演。何かと話題の豊洲のPITはでんぱ組が出演したカオスフェス2016以来2度目。ソールドアウトの場内はサングラスが曇るほどの熱気が渦巻く。開演を待つ間BGMの古いブルースロックを聴きながら、ずいぶんデカイ箱のような気がしたが、客電が消えてメンバーが登場すると意外に近くて臨場感がビシバシ伝わってきた。3000人キャパの大規模PITがロケンローのMOSHPITに変貌を遂げ白熱の照明に燃えて萌えた。

The Birthday - 夢とバッハとカフェインと (Music Video)


ひたすらロケンローに打ち込むことで最大限のエンターテインメントを生み出す4人の無愛想な佇まいは、決して機嫌が悪い訳でも強面を気取っている訳でもなく、人一倍ロマンチストで人一倍センシティヴで人一倍寂しがりやのくせに、赤の他人と過ごすよりひとりの時間を好む孤独なロッカーの気質が反映されているに過ぎない。この日のセトリは中間部にミッドテンポの”聴かせる”ナンバーを散りばめて、猪突猛進ばかりがロケンローの掟ではないことを宣言した。個人的にはライティング全開で観客を日の出流(イズル)天国へ導いた「ひかり」に続いて、黄色い檸檬を齧りながらブルーの夢の残像を惜しむ「LEMON」からの、感傷を100%愛の色に塗り変える「愛でぬりつぶせ」への流れに感涙・号泣した。現代大衆音楽界最高の浪漫詩人・チバユウスケの心髄に触れた一夜だった。



硬派一辺倒で私生活を全く余り見せないロケンローラーが多い中でも、宮沢りえと共演したヒロト&マーシー、椎名林檎やUAと共演した浅井健一に比べ、女子関係の話題(コラボ)が少ないチバユウスケだが、チャンスがあれば女子コラでその有り余る才能をフルボディの血飛沫へと開花させていただきたい。そんな願いを込めてチバ氏へのおすすめ女子動画を掲載する。シャム猫ファイナル公演のセトリ順に紹介するので、楽しかったライヴの思い出を辿りながら、同時に最新女子情報が分かるという二度おいしいお得企画。関係者の方がいたらご伝言願います。



The Birthday 2016/12/4 @TOYOSU PIT
SET LIST
1. ディグゼロ
じゅじゅ/零


2. I KNOW
PassCode/Now I Know


3. FULLBODYのBLOOD
リリックホリック歌劇団/Awaking Blood


4. グロリア
BELLRING少女ハート/憂鬱のグロリア


5. ホロスコープ
ヤなことそっとミュート/ホロスコープ


6. 星の首飾り
BiSH/星が瞬く夜に


7. 夢とバッハとカフェインと
ゆるめるモ!/夢なんて


8. 気が知れない
ゆくえしれずつれづれ/ポストカタストロフ


9. STRIPPER
SNH48/愛のストリッパー


10. LUCCA
NECRONOMIDOL/LAMINA MALEDICTUM


11. ひかり
Negicco/光のシュプール


12. LEMON
でんぱ組.inc/檸檬色


13. 愛でぬりつぶせ
夢幻レジーナ/愛しかあげない


14. 誰かが
おやすみホログラム/誰かの庭


15. BABY YOU CAN
BABYMETAL/BABYMETAL DEATH


16. OUTLAW II
Malcolm Mask McLaren/そるじゃー


17. PARTY PEOPLE
アップアップガールズ(仮)/パーリーピーポーエイリアン


18. ハレルヤ
sherbet /ハレルヤ!!!!!!!!


Encore
19. くそったれの世界
BiS/CHANGE The WORLD


20. 声
Perfume/VOICE


Encore 2
21. 涙がこぼれそう
バンドじゃないもん!/NaMiDa


バースデイ
ロッケンロールで
おめでとう

でんぱ組.inc【えいたそ誕生日】
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【鰺tationの世界】危険信号/スカイズ/PANORAMA/屍/廃墟/それゆけ鰺tation #地下音楽への招待・外伝

2016年11月28日 02時25分16秒 | ロッケンロール万歳!


3年前から執筆していた書籍『地下音楽への招待』(LOFTBOOKS)が出版され、その関係で80年代前半の自分の音楽活動を振り返る機会が多い。当時は学生時代だが、本の性質上、学外での活動、主に『ぎゃてい』や『荻窪グッドマン』での地下音楽/フリーミュージックのことが中心になる。今の自分にとってそういった音楽が糧になったのは確かだが、大学のサークルでやっていたロックバンドも人生を形成する重要なレイヤーであることは間違いない。などと気張る必要もない。ただ単に当時のカセットを聴いてみたら悪くない、というよりかなり良かった、というのが正直な気持ち。
『鰺tation(アジテーション)』というバンド名は高3の時知り合ったドラマーの昔のバンドからパクった。メンバーチェンジは多少あったが、Bokko(vo)、Ozzy(b)、Purple(ds)、筆者(g)が基本形。1982年5月〜1986年5月の4年間活動した。最初は海外パンク/ニューウェーヴのコピーをやっていたが、1983年頃からオリジナル曲を書き始め、1984年以降は全曲オリジナルに。パワーポップやポジティヴパンク風のギターバンドだったが、次第にネオサイケ色が強くなりダークなサウンドになっていった。

危険信号

Science 科学の力で
Fiction 作り出した Dream

最後の叫びの 和音に合わせて
空気の動脈  ビートをきざむ

Science Fiction Dream
空気を ぬりつぶせ

System 組織の力で
Fiction はぐくみ出された Dream

凍った笑いの 旋律鳴らして
濾過した光で リズムを組み立てる

Science Fiction Dream
光を ぬりつぶせ

Silence 沈黙の谷間で
Fiction 破壊された Dream

壊れたテレビの 音色はじけて
宇宙の調和で  楽器を奏でる

Science Fiction Dream
宇宙を ぬりつぶせ
(1984.11.24)


スカイズ

水爆の宴がおわり
大地が冷えてゆく

風の中の少女が歌うたう
いつもの悲しみに
ラララ...

蟲たちの動きがとまり
死の灰が舞い降りる

土の中の亡霊がすすり泣く
いつもの悲しみに
ラララ...
(1984.11.24)


PANORAMA

ここから見渡す 戦場のパノラマ
最後の兵士も 倒れてしまった

太陽を 撃ち落とせ 
月面を 突き破れ

いびつにゆがんだ 地球のパノラマ
不毛の大地の 化石があるだけ

太陽を 朽ち落とせ 
月面を 空き破れ

遥かに見上げる 宇宙のパノラマ
星座の姿も 変わってしまった

太陽を 抜き落とせ
月面を 漉き破れ

無限に広がる 心のパノラマ
虚ろな夢にも 未来は見えない

太陽を 引き落とせ
月面を 浮き破れ
(1984.6.17)




引き裂かれた赤ん坊の足 あなたにあげるわ
死体置き場に行きましょうね 二人だけのパーティよ
萎れたバラは美しいねと あなたはポツリ言うでしょ
そして私は群がる蟻を 指先で潰して遊ぶ

だけどやっぱりあなたには 恋の言葉は似合わない
いつものように そっけない あなたの方が感じるわ

目をつぶると浮かんでくるの 楽しかった愛の日々
私が甘いムードに酔って うっとりしてるその間に
あなたはナイフ取り出して 私の背中に一突き
本当に愛しているんだなんて 決まり文句をつぶやく

だけどやっぱりあなたには 恋の言葉は似合わない
いつものように そっけない あなたの方が感じるわ

死体に群がる蠅に向かって 呪いの言葉吐きかける
やがてあなたは私の背中に 電気のコードを差し込む
100万ボルトの愛の電流 流し込むのね
すると私は人形のように そっと冷たく微笑む

だけどやっぱりあなたには 恋の言葉は似合わない
いつものように そっけない あなたの方が感じるわ
(1984.4.28)


廃墟

何もない 砂漠の谷間に ひとり
遠い声 枯れ果てた空 見上げ

呪われた城壁が暗闇から浮かび上がる
形の無い死の臭いが襲いかかる Nameless City

死に絶えた 神殿の中に ひとり
祈る声 朽ち果てた壁に 響く

血塗られた石像が暗闇に潜んでいる
音も無く滅亡が忍び寄る Nameless City
(1985.4.1)


それゆけ鰺tation

いばらの道を踏み越えて 
私はここへやってきた

孤独を愛する ひとりの少年が
ビルの上から ひらりと身を投げる

あなたを救う四人の戦士
それゆけ鰺tation

迫る嵐を切り裂いて
私はここへやってきた

世界制覇を企む 悪の音楽は
街中にあふれて 人の心を惑わす

あなたを救う四人の戦士
それゆけ鰺tation

沈む夕日を背に受けて
私はここに立っている

時間は息を切らして 全力で駆け抜ける
今しか出来ない 今しか歌えない

あなたを救う四人の戦士
それゆけ鰺tation
平和を願う四人の戦士
それゆけ鰺tation 
(1984.5.27)


鰺tation「スカイズ」


厳寒の
物理倉庫で
リハーサル




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【21世紀のサイケデリック寺院】来年3月噴火決定!〜テンプルズ、2ndアルバム『ヴォルケーノ』

2016年11月10日 00時49分52秒 | ロッケンロール万歳!


TOY(トーイ)と同時期にUKロックシーンに彗星の如く登場し、イギリスばかりか日本、ヨーロッパでも人気を博したサイケデリック・バンド『テンプルズ』が、この度新作情報を公開した。『ヴォルケーノ』と大されたファン待望のセカンド・アルバムは来年3月3日(金)の海外リリースを予定しており、バンドによるセルフ・プロデュースで、ミックスを手がけたのはかのデヴィッド・レンチ(カリブー、オーウェン・パレット、 FKAツイッグス、ブロック・パーティー他)とのこと。
【21世紀のサイケデリック玩具】UKロックに透明な一撃〜トーイ『クリア・ショット』

そして、1stシングル「Certainty」のミュージック・ビデオがあわせて公開となった。今作は、Jポップ・アーティストのビデオをイメージして制作されたというカラフルな仕上がりになっている。

Temples - Certainty


同ビデオについて監督を務めたAlden Volney氏(ジェイミー・エックス・エック ス、ヴィレジャーズ、ボビー・ウーマック、ニック・マルヴェイ)は次のように コメントしている。

「このビデオは、僕が子供の頃から繰り返し見ている、プラスチック製の海についての夢が元となってできたんだ。バンドがエキセントリックで予測不能なJ-ポップにインスパイアされた様なビデオを作りたいと言った時、僕の頭にあったカラフルなパレットや日本的美的感覚というのを入れ込むべきだと思ったんだ。例えるなら、日本の100円ショップに長居してしまった時のような感覚をもたらすような作品に仕上がっているよ」。

なお、同楽曲のプロデュースを手がけたフロントマンのジェームスは以前こう話している。「この曲のメロディを作っているとき、初期のディズニーのような不気味なヴァイブ、遊び心があってハーモニーを取り入れた、それでいてダークなひねりがあるようなものを心がけたんだ。そうするにあたって、レイヤリングと同じく、まばらであることも大事だった。ヴァースはベースが作り出す激しい振動、そしてそれを反映したリリック、それからメロディも相応しいアンビアンスと組み合わさっている必要があったんだ。サビはその反対のアプローチで次から次へとレイヤーを重ね、音を分厚くした。MOOGのベースシンセと通常のベースの音がブレンドされていて、1曲を通してサウンドが切り替わっているのがわかる と思う。あと、ギターはシンセを、シンセはギターを反映しているんだ」。

2016年8月に開催されたHOSTESS CLUB ALL-NIGHTERに出演し、日本のファンの前で「Certainty」をいち早くパフォーマンスしていたテンプルズ。是非アルバム・リリース後には再来日して、より多くの新曲をライヴで聴かせてくれることに期待したい。

■リリース情報
アーティスト: Temples(テンプルズ)
タイトル:Volcano(ヴォルケーノ)
海外発売日:2017年3月3日(金)
レーベル: Heavenly Recordings / Hostess



<トラックリスト>
1. Certainty 確実
2. All Join In 全部参加
3. (I Wanna Be Your) Mirror (あなたの)鏡(になりたい)
4. Oh The Saviour ああ、救世主さま
5. Born Into The Sunset 日没へと生まれて
6. How Would You Like To Go 君はどのように行きたいの
7. Open Air 外気
8. In My Pocket ポケットの中
9. Celebration 祝福
10. Mystery Of Pop ポップの謎
11. Roman God-Like Man ローマ神話の男
12. Strange Or Be Forgotten 奇妙だったり忘れたり

Temples (full concert) - Live @ Festival Musiques en Stock 2016


■バイオグラフィー
UKミッドランズ出身の4人組サイケデリック・ロックバンド。12年に発表した「シェルター・ソング」が反響を呼び、NMEの"ベスト・ニュー・バンド・オブ・2013"リストに選出。ノエル・ギャラガーやジョニー・マーが彼らのライヴを絶賛し、ザ・ローリング・ストーンズのハイドパークでの公演のオープニング・アクトにも抜擢される。13年11月には日本独自盤EP『シェルター・ソングe.p.』をリリースし、直後にはHostess Club Weekenderにて初来日を果たし満員の観客を熱狂させるなど、アルバム・デビュー前からここ日本でも期待の新人として注目される。14年2月デビュー・アルバム『サン・ストラクチャーズ』をリリース。リリース日にタワレコ全店チャート1位(Pop/ Rock)を獲得、さらに5月に行なわれた東京での単独公演のチケットは即完売となる。7月のフジロック'14で再来日を果たすと、そのサイケ・サウンドを体感しようと押しかけたロック・ファンでレッドマーキーは超満員となった。そして11月には『サン・ストラクチャーズ』のデラックス盤もリリースされ、翌年2月のHostess Club Weekenderへ出演。16年8月、HOSTESS CLUB ALL-NIGHTERで再来日。17年3月、セカンド・アルバム『ヴォルケーノ』のリリースが決定。

【メンバー】
ジェームス・バッグショー(Vocal / Guitar)、トーマス・エジソン・ワームスレイ (Bass / Backing Vocals) 、サム・トムズ (Drums)、アダム・スミス(Keyboard)
日本公式サイト

サイケ寺院
大先輩に
最敬礼

Acid Mothers Temple Boiler Room x NRMAL Live Set
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【霜月の夜のJ-ロック】きのこ帝国/ヤバイTシャツ屋さん/ザ・クロマニヨンズ/The Birthday/THE NOVEMBERS

2016年11月05日 01時11分58秒 | ロッケンロール万歳!


何月が好き?と訊かれたら10月と答える。神無月という字面と響きが好き。ブラッドベリの『10月はたそがれの月/October Country』が好き。でも翌月の11月も悪くない。十一は武士の士だし、「赤き血のイレブン」はかっこ良いし。「ノーベンバー」は一癖ありそう。最近地下音楽と地下アイドルしか聴いていないと思われているかもしれないが、元々の出自はジョニー・ウィンターとパンクロック。11月の頭に出たJ-ロックの新譜に冷たい心がホットに蕩ける。"霜が瞬く夜"の火照る気持ちが伝わるだろうか。

●きのこ帝国『愛のゆくえ』


メジャー・デビュー・アルバム『猫とアレルギー』から1年。配信シングル「クライベイビー」「夏の影」「愛のゆくえ」(映画 『湯を沸かすほどの熱い愛』主題歌)を含む、メジャー・セカンド・アルバム。“東京”から“クロノスタシス”に歩みを進めたように、また一歩新たな扉を開けた、新境地の楽曲が並ぶ傑作。

一番驚いたのがきのこ帝国のメジャー第二弾。1曲目の「愛のゆくえ」のシバくようなシューゲサウンドのど真ん中に、微動だにせず毅然として立つ佐藤千亜妃の囁き成分過多のヴォーカルに、身体の芯が凍り付くような脈動に震えた。この歌声は致命的にヤヴァい。前作に見られたビートナンバーは影を潜め、思索的なアンビエント感を湛えた豊穣の海が広がる。人を狂わす魔性の歌....相対性理論と対バンするべきだ。

きのこ帝国 - 愛のゆくえ Teaser



●ヤバイTシャツ屋さん『We love Tank-top』


2013年結成、2015年になり本格的に活動を開始。以降、“出れんのサマソニ!?2015”始め数々のオーディションライヴで賞を獲得、サーキットイベントでは軒並み入場規制という驚異の急成長を遂げている、予想の斜め上をいくメロコア界の異端児“ヤバイTシャツ屋さん”がなんとメジャーデビュー!

名前はネクロ魔のメンバーからも聞いていたが、正直最近流行のダンスロック芸人バンドのひとつと思い込んでいた。ところがどっこい芸人気質はあるものの、音の本質はロッケンロー。メロディックハードコアの行き過ぎた進化形として未聞のエキセントリクシティーを達成している。畳み掛ける男女ヴォーカルの掛け合いが、恋なんかしてる暇がないネット世代の電撃的恋愛小説を鳥獣戯画化する。

ヤバイTシャツ屋さん - 「あつまれ!パーティーピーポー」Music Video[メジャー版]



●ザ・クロマニヨンズ『BIMBOROLL』


ザ・クロマニヨンズ、通算10枚目のオリジナル・アルバム。通算15枚目のシングル「ペテン師ロック」他、収録。

デビュー10年目の10枚目。金太郎飴ロケンローがスピード感はそのままに、聴き手/演じ手の距離と密度を変えながら「ペテン師」のように騙くらかす。何を感じても何を思っても内と外に放出し続けるからストレスフリーでダンスOK。頭に「ネ」を付けて"ネ"クロ魔ニヨンズと呼べば、急激に距離が縮まる気がする。

ザ・クロマニヨンズ / ペテン師ロック (2016.9.16)



●The Birthday『夢とバッハとカフェインと』


結成10周年を迎えた2015年、2ヶ月連続シングル、ベスト・アルバム、通算8枚目のアルバムのリリース、そして3度目となる日本武道館公演と、怒涛の活動を行ってきたThe Birthday。新たな10年をスタートさせる、約1年5ヶ月ぶりのシングルリリースが決定。

実は結成はクロ魔ニヨンズより1年先輩。「ヲタんじょう日」を名乗るロケンロー暗黒団が、次のディケイドに突入した。タイトルを『夢と葉っぱとコカインと』と読み違えて、遂にチバが覚醒したと昂奮した。「ロケンローこそ最良のドラッグだから、大麻もシャブも必要ないぜ」と伝導して欲しい。

The Birthday - 夢とバッハとカフェインと (Music Video)


十一の月
十字架背負って
何処へ行く

●THE NOVEMBERS『ハレルヤ』


MAGNIPH/Hostessからのアルバムリリース第1弾として、2016年11周年を迎え、11月11日にはStudio Coast公演も発表されたTHE NOVEMBERSの6作目となるアルバムをリリース!バンドによるセルフ・プロデュースで制作され、バンドの世界観を余すところなく表現した作品に仕上がっている。

実はThe Birthdayと同期の2005年に結成され、11/11には11周年&リリースツアー最終日となるワンマン公演を新木場スタジオコーストで行うノーベンバーズがぶち上げたのが「1000年」。千年紀の祝賀会はネクロ魔柿崎李咲生誕イベントと被ってしまい悩ましい限り。

▲THE NOVEMBERS 「1000年」▲
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【21世紀のサイケデリック玩具】UKロックに透明な一撃〜トーイ『クリア・ショット』

2016年10月27日 09時32分49秒 | ロッケンロール万歳!


浮き世で逢えなかったシド・バレットとホルガー・シューカイがあの世で出会い、禁断の恋の末に産み落されたサイケデリックな嫡子、その名もTOY(トーイ)。3年ぶりの3rdアルバムは『透明な一撃(クリア・ショット)』と名付けられ、21世紀の迷えるサイケデリアたちを鬱蒼とした音楽瞑想の森の奥へ誘(いざな)い、朦朧とした意識状態、夢眠(ゆめみ)るだけの非現実感、逃避的な冥界願望を、クモの子を散らすように霧散させ、道なき道を駆け抜ける旅先案内黙示録である。

意識の隙間に浸透する陰影豊かなヴォーカル、脳幹にセロトニンを注入するコーラス、平常心を掻きむしるハンマーギター、精神世界を裏返すファーフィサオルガン、魂と共鳴する遠雷ファズベース、時間軸を拡張するダウナードラム。永遠に続くかのようで、一瞬で過ぎ去る幻の聴取体験によりエトスとパトスとロゴスは渾然一体となり、森羅万象を統合した超人格が聴き手の身体に移植された夢を眠(み)せる。

Dream Pop / Shoegazer / Psychedelic / Minmal Wave / German Trance / New Age / Electric Pop / Alternativ / Field Recording / Library Music / Strange Thing To Come / Britpop / Singer Songwriter / Heavy Doom 。。。
思いつくままに書き連ねた音楽スタイルは21世紀同時代音楽を語る上では些か役不足の感は否めない。すべて遺棄してここは透明な一撃を喧伝しよう。合い言葉はTOY CLEAR SHOT

TOY - I'm Still Believing [Official Music Video]


■リリース情報
アーティスト:TOY(トーイ)
タイトル: Clear Shot(クリア・ショット)
レーベル:Heavenly/MAGNIPH/Hostess
品番:HSE-3690
発売日:2016年10月28日(金)
価格:2,400円+税



<トラックリスト>
1. Clear Shot 透明な一撃
2. Another Dimension 別次元
3. Fast Silver 速い銀
4. I'm Still Believing まだ信じている
5. Clouds That Cover The Sun 太陽を覆う雲
6. Jungle Games 密林遊戯
7. Dream Orchestrator 夢の管弦楽作曲家
8. We Will Disperse 我らは消滅する
9. Spirits Don't Lie 精霊は嘘をつかない
10. Cinema 映画
(日本盤ボーナストラック)
11. Spellbound 呪縛
12. News From Nowhere どこでにない場所からのニュース
13. Poor Jack 惨めなジャック
14. Love seeker 愛の捜索者

TOY - Fast Silver (Official Audio)


■ショート・バイオ
2010年に結成されたロンドンを拠点に活動する5人組ロックバンド。アルバム・デビュー前からNMEの「今聴くべき100のバンド」に選出。ザ・ホラーズのスパイダー・ウエッブもバンドを絶賛し彼らのUKツアー・サポートにトーイを起用した。2012年のデビュー作『トーイ』はNMEで8/10のレビューを獲得する等称賛された。サマーソニック2012で初来日を果たす。英ロックバンドのトラヴィスは自身の楽曲「ムーヴィング」で「今日は高速道路でトーイを聴かなきゃ」と歌っておりミュージシャンからも熱い支持を集めている。2013年、セカンド・アルバム『ジョイン・ザ・ドッツ』をリリースし、2014年にはHostess Club Weekenderで2度目の来日を果たす。2015年には紅一点のメンバーであったAlejandra Diezが脱退し、その後Max Oscarnoldが加入。2016年10月、新メンバーを迎えて初となるニュー・アルバム『クリア・ショット』をリリース。
【UKサイケにご用心】 閲覧注意!!!! TOYとテンプルズのヤヴァすぎるミュージックビデオ

玩具なら
逝く時に往く
絶頂感


全曲試聴サイト

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