A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

【PUNK LIVES! 2019】ラフィンノーズ/スタークラブ/ロリータ18号/ライダーズ/ニューロティカ/コックニー・リジェクツetc.+爆裂女子 零ちゃん卒業へ向けて

2019年09月16日 12時23分14秒 | ロッケンロール万歳!


[PUNK LIVES! 2019]
〜10th ANNIVERSARY〜

9/8(日)新木場STUDIO COAST
前売¥5,800(スタンディング・税込み・ドリンク代別途)
OPEN 10:00 / START 11:00

[出演]
ANGER FLARES / BEYOND HATE / BRAHMAN / THE CHINA WIFE MOTORS / COCKNEY REJECTS (UK) / FIVE NO RISK / THE DISASTER POINTS / FUNGUS / GBH (UK) / GOOD4NOTHING / HAT TRICKERS/ JUNIOR/ KiM / LAUGHIN' NOSE / locofrank / MONOEYES / THE PRISONER / RADIOTS / THE RYDERS / SA / THE STAR CLUB / RAISE A FLAG / Resolute Immortal Partizan / VIBRATE TWO FINGERS / 九狼吽 / the原爆オナニーズ / ニューロティカ / 壬生狼 / 雷矢 / ロリータ18号



パンクとは何か?という問いは生命とは何か?宇宙とは何か?万物とは何か?という問いと同様にこれまで数多くの人達が頭を悩ませて来た究極の疑問のひとつに違いない。ダグラス・アダムスの『銀河ヒッチハイク・ガイド』によると生命と宇宙と万物の答えは「42」であった。しかしパンクとは何か?という疑問の答えはパンク勃発から43年経った今でも未だハッキリしてはいない。

●原爆オナニーズ


拙著『地下音楽への招待』(ロフトブックス)の帯には「パンクよりも自由な世界へ」と書かれている。これは筆者ではなく編集担当の加藤彰氏が考えた文句だが、世界的なパンクムーヴメントの影に隠れるように70年代後半から80年代前半の日本で密かに興った特異な音楽現象=地下音楽を表すのに誠に分かり易いキャッチコピーであることは確かだ。しかしよく考えるとパンクは自由な世界を求める現象だったのだろうか?

●THE PRISONER


元々パンクロックとは60年代アメリカを中心にビートルズやローリング・ストーンズに憧れたテーィンエイジャーが結成したガレージバンドを表す言葉だった。両親や学校への反抗心、日常生活への欲求不満をロックビートに乗せて歌う衝動的なロックンロールは、雁字搦めの社会からの自由を求める動きだったと言えるだろう。

●JUNIOR


70年代後半にニューヨークとロンドンで勃発したパンクムーヴメントも、商業化したロックビジネスから、自分たちの手にロックを取り戻す試みであり、保守的な社会への反抗であった。その意味で自由を取り戻す運動ではあったが、すぐに新たな流行のひとつとして資本主義システムの中に取り込まれていった。

●RADIOTS


その一方で東京や大阪の小さなライヴハウスやカフェやイベントスペースで他人とは異なる表現活動を実践していた地下音楽家は、圧倒的少数派(マイナー)故に資本主義に塗れることもなく、売れる売れないという商業ベースではなく、Do It Yourselfの精神を保ちつづけて、自分のやりたいようにやれる自由を求めつづけたのである。

●THE STAR CLUB


筆者がパンクロックにハマったのは1977年中学3年の時ラジオや雑誌を通してだった。キッスやエアロスミスといったハードロックだけでは満足できず、プログレやブルースなど別のスタイルに興味を持ちはじめた14歳の筆者の目には、髪をツンツンに立て破れたTシャツを着て鋭い目つきでこちらを睨みつけるパンクロッカーは衝撃的なカッコ良さだった。ギターソロのない2,3分のシンプルなロックンロールは弾丸のように心臓ではなく心に刺さった。

●THE RYDERS


日本でも東京ロッカーズをはじめとするパンク/ニューウェイヴ系のバンドが紹介されはじめ1979年には吉祥寺マイナーや荻窪ロフト等でフリクション、ミラーズ、SYZE、BOYS BOYSなど個性的なバンドを観た。同年高校の同級生とGLANDESというパンクバンドを結成し学園祭に出演した。セックス・ピストルズ、クラッシュ、ジェネレーションX、ジャムに加えてアナーキーやSEX(SYZE)のカヴァーで、エンディングでヴォーカリストがマイクスタンドを破壊するパフォーマンスが大受けだった。

●BRAHMAN


一浪して大学へ入学した82年には好みはポストパンクやオルタネイティブロックに移っていて、真っ当なパンクロックを聴くことは減った。学園祭でオールナイトのハードコアパンクイベントが開催されたが、続々集まってきた革ジャンモヒカンのパンクス集団が怖くなり観るのは断念した。しかしラフィン・ノーズやウィラード、ばちかぶり等は学園祭やライヴハウスに観に行った。特にばちかぶりの変拍子のハードコアサウンドと田口トモロウの目を見開いた異形にはリアルパンクのスリルを感じた。86年就職したころブルーハーツのデビューアルバムを聴いてパンクの血が騒いだ。

●GOOD4NOTHING


しかし90年代に入ると洋楽ロック、特にオリジナルサイケやブリットポップ一本やりになり、パンクロックを聴くことは殆どなくなった。グリーンデイやランシドなどのパンク・リバイバルやハイスタンダードなどのメロコアにも興味は惹かれなかった。自分の中ではパンクは死語に近いイメージになっていった気がする。

●HAT TRICKERS


2000年4月に渋谷On Air Eastで開催されたJapan Puck Rock Festival 2000というイベントに友人に誘われて観に行った。ライダーズ、コブラ、アナーキー、スタークラブ、ラフィンノーズといった80年代日本のパンクバンドが集結し、会場には色とりどりのモヒカンやスパイキーヘアが鋲付きの革ジャンで多数集結していて、82年のオールナイトハードコアライヴで見た光景を思い出させた。懐かしさと共にシンプルでポップなパンクサウンドが新鮮で十代に戻った気がした。中古盤屋で日本のパンクのCDを買い集めたが、興味は再びノイズ/アヴァンギャルドに移り、パンクのCDは棚の奥に締まって聴くことは無くなった。

●ロリータ18号


ノイズや地下音楽のライヴに通ううち、新宿ロフトの企画で原爆オナニーズ、スターリン(遠藤ミチロウ)、非常階段の合体ユニット原爆スター階段や、パンタとアナーキーの合体ライヴを観たり、ガールズガレージバンドの対バンでロリータ18号を観たりすることはあり、時折パンク熱が高まりかけることはあったが、燃え上がることはなく無難な日々が続いた。

●COCKNEY REJECTS


2012年7月に初めて観たでんぱ組のライヴでのハードコアやスラッシュメタルを彷彿させるヲタクの盛り上がりに驚愕し、BiSのハードパンクサウンドに心酔。2015年頃から通いはじめた地下アイドルのライヴ現場は目黒鹿鳴館、新宿ロフト、高円寺2万電圧といった、かつてパンクやメタルを観たライヴハウス。メタルやパンク、オルタナやプログレなど様々な音楽要素を持ったアイドルがカオスを楽しむ饗宴は混沌の80年代の天国注射の昼や愛欲人民十時劇場といった地下ベントを思わせた。

●ニューロティカ


その中でも世界で一番激しいアイドル・偶想Dropを前身とし、2018年1月にデビューした爆裂女子-Burst Girl-が筆者の第3次パンクロック熱の起爆剤だった。石井聰亙監督の映画『爆裂都市 Burst City』に因んで命名され、同映画の主題歌バトル・ロッカーズ「セル・ナンバー8」のカヴァーをはじめ、オリジナル・パンクロックの要素の強いシンプルかつポップなパンクナンバーは、40年前と同じく弾丸のように心臓ではなく心に刺さった。その勢いでガーゼやスタークラブ、復活した亜無亜危異といったパンクのライヴへ通いはじめた。

●LAUGHIN' NOSE


そして2019年9月8日台風が近づく中『PUNK LIVES 2019』という昼から夜まで11時間に及ぶパンクロックフェスに参戦した。以前は激しすぎて立ち入れなかった最前エリアでステージダイブを避けながら腕を振り上げてモッシュする自分の体力に我ながら感心する。これも爆裂女子の激しすぎるライヴで鍛えられたお陰である。なによりも年齢も性別も経歴も思想も異なる人達がすべてを忘れて音楽を楽しむ環境に身を置くことの出来る喜び。パンクとは何か、という問い自体が意味をなさない、人間の根源的な欲求を発散できる場所、それがパンクロックに違いない。

●ANGER FLARES


パンクには
感謝の気持ち
忘れない

それを教えてくれた爆裂女子の中心メンバーしばくぞ零ちゃんが、本日卒業ライヴを行う。これから会場の目黒鹿鳴館へ向かう直前に、感謝を籠めた本ブログをアップできて感無量である。今日は自分が一番楽しむことにしよう。

●爆裂女子


爆裂女子-BURST GIRL-/ナンシー【OFFICIAL MUSIC VIDEO】














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