A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

灰野敬二+太田惠資@下北沢Lady Jane 2019.9.15 sun

2019年09月18日 00時29分39秒 | 灰野敬二さんのこと


立待の月聴覚の月

start 7:30 pm 2 stages
charge:¥3,300(予約¥2,800)+ Drink Fee

灰野敬二 (g, polygonola)
太田惠資 (vln, voice)

西瓜を眺めていた櫻井博士が生んだポリゴノーラという、音階を持って倍音を奏でる手強い多角形楽器に挑む、悲しみのヴァイオリニストであり妖かしのヴォイスも油断大敵なのだ。



灰野がここ5年くらい特にアコースティック寄りのライヴで好んで使う創作打楽器がポリゴノーラ。広島大学の櫻井直樹教授が、スイカを叩いた時の音をヒントに発明した楽器である。数ヶ月前NHK「ためしてガッテン」の「おいしいスイカの選び方」特集で、突然灰野のライヴ動画がオンエアされてSNSで話題になったが、それがスイカから生まれた楽器ポリゴノーラの紹介のひとつだった。過去ブログを遡ったところ、筆者がこの楽器を初めて観たのは、2014年10月19日渋谷ラストワルツでの灰野敬二と狩俣道夫のデュオライヴだった。そのときはガムランのような民俗音楽用の楽器だと思ったが、同年12月6日下北沢Lady Janeでの灰野と太田惠資のデュオライヴでは、当時「OTO」と呼ばれていたポリゴノーラがメインの楽器として使われた。金属を叩く音にも関わらずメタルの冷たさではなく有機的な円やかさを帯びた音響が厄払いの火打石のように思えた、とある。


朝生愛, 樋口寿人@八丁堀七針/灰野敬二、太田惠資@下北沢Lady Jane 2014.12.6(sat)

それから5年近く経ち、五角形や六角形や吊り下げ型までポリゴノーラの種類が増え、同時に灰野の編み出した演奏法もバラエティが増えた。様々なポリゴノーラから紡ぎ出されるバイオニック・サウンドが、太田のエスノ風味のバイオリンプレイと絶妙にミックス/リエゾンし、どこの国にもない不思議な民俗音楽を産み出す。この日はさらに、中近東テイストのフレーズを奏でるバイオリンに、灰野がチャルメラで絡む展開があり、見事なまでに不可知な邪宗無国籍エスノ空間を産み出し、下北沢をアラビアンナイトの千一夜物語にワープさせるマインド辺境の旅へ誘ってくれた。



変化し続ける街の様相を横目に、40年前と殆ど変わらぬ豊穣な空間を保ち続けるLady Janeに座って、新しくも懐かしいスイカから生まれた不思議な楽器の音色を聴いていると、音楽も政治も人生もすべて人間の営みの自然な滋養の基として味わうべきだと心の底から叫びたくなる。そんな衝動を心の底に秘めて、二人の音楽の達人による極上の音楽体験を味わい尽くした日曜日の夜であった。

西瓜とは
違った音の
ポリゴノーラ

【灰野敬二ライヴ情報】
9月23日(月祭)東京・秋葉原CLUB GOODMAN
RICHARD PINHAS LAST JAPAN TOUR

open18:30 start19:00
adv.¥3300 door¥3800 (+drink order)
出演:RICHARD PINHAS/灰野敬二/吉田達也/武田理沙




10月18日(土) 福岡UTERO
GOUACHE fukuoka mens & meld presents
『不失者ライブ』

OPEN/START 18:00/19:00
ADV/DOOR 4,000/4,500 (ドリンク別)

不失者(灰野敬二、ナスノミツル、RyosukeKiyasu)
ドンマツオ(ズボンズ)
Nyantora(ナカコー)+duenn

TICKET予約:
twitter @meld_fuk
instagram @meld_fuk
のそれぞれのDM
または
gouache.nakamura@gmail.com




10月27日(日) 東京・渋谷 宇田川町空き地
DANCE TRUCK TOKYO : 2019

2019年10月26日(土)・27日(日)
18:00-20:00
入場無料(事前予約不要)
*灰野敬二は10月27日(日)に出演

ACT出演:Abe"M"ARIA、五十嵐結也、川村美紀子、きたまり、しでかすおともだち、白井剛/Dill、灰野敬二、東野祥子、メガネ(座)、森下真樹/森下スタンド、山川冬樹、ロクディム


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