A Challenge To Fate

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『世界はもう終わってるって、知らなかった?』~サン・ラ生誕100周年は世紀の終焉か?

2014年05月24日 01時07分00秒 | 素晴らしき変態音楽


サン・ラ生誕100周年、サン・ラ・アーケストラの来日公演が決定!

ジャズ、ブルース、ラテン、ファンク、ディスコ、電子音楽など多種多彩な要素を取り込み、ワン&オンリーの世界を創出した“音の錬金術師”サン・ラ(Sun Ra)。その生誕100年を記念し、稀代の音楽集団サン・ラ・アーケストラ featuring マエストロ・マーシャル・アレンの来日公演が決定しました。公演は7月4日(金)と5日(土)の2日間。開場は東京・ブルーノート東京です。

サン・ラは1930年代からピアニスト / 作編曲家 / バンド・リーダーとして活動を始め、50年代に“サン・ラ・アーケストラ”を結成。「スペース・イズ・ザ・プレイス」、「ニュークリア・ウォー」など数々の名曲を発表し、ジョン・コルトレーンからソニック・ユースまで、多くのアーティストを触発してきました。サン・ラは93年に他界したものの、その後もアーケストラはサックス奏者マーシャル・アレン(57年加入)を中心に活動を継続しています。永遠に輝き続けるコズミック(宇宙的)サウンドを、真夏のクラブで体感してください!



2014年7月4日(金) / 5日(土)
東京 南青山 BLUE NOTE TOKYO
1st 開場 17:30 / 開演 19:00(4日)
2nd 開場 20:45 / 開演 21:30(4日)
1st 開場 16:00 / 開演 17:00(5日)
2nd 開場 19:00 / 開演 20:00(5日)
チャージ 7,800円(税込 / 飲食代別途)
※ご予約・お問い合わせ: ブルーノート東京 03-5485-0088⇒コチラ

サン・ラ Sun Ra


今年2014年は、スティーヴ・レイシー生誕80周年&没後10周年、ブルーノート75周年、頭脳警察結成45周年、非常階段&グンジョーガクレヨン結成35周年といった混沌アニバーサリー・イヤーにあたるが、カオス度を一際高めるのが、サン・ラ生誕100周年であることは世の常識であろう。

そもそも「自分は地球人ではなく、土星から来た別世界人だ」と言い張り、宇宙旅行のような奇異な生活を送り、天啓のようなメッセージを放ち続けたサン・ラに誕生日があることに驚きだが、妄言奇言大法螺吹きも男女の愛の結晶として母親から生まれたことは間違いない。モノの本によれば、1914年5月22日アラバマ州バーミンガム生まれ、本名はハーマン・プール・ブラウント Herman Poole Blount, 法定ネームはル・ソニア・ラ Le Sony'r Ra。1934年高校時代の生物の教師エセル・ハーパーのバンドに加わり、ミュージシャン・ユニオンに加入したのがプロ活動の最初だと云うから、今年はプロ・デビュー80周年でもある。1936年か37年にサン・ラは全身が光に包まれる神秘体験をしたと語っている。

「身体全体が別のモノに変わった。僕は人間という形を捨てて空高く昇っていって土星に降り立った。片耳片目にアンテナが生えた土星人が”世界は完全なカオスに突入しようとしている。君は音楽を通して話しなさい。人々は君の音楽に耳を傾けるだろう”と教えてくれた。」



以来何度も土星と交信し、常人の理解を超えた言動が増える。50年代にジョン・ギルモア(ts)、マーシャル・アレン(as)等とアーケストラを結成し、1957年自主レーベル「エル・サターン・レコード」を設立し、次々とレコードをリリースする。そのペースは年間数十枚、ステージでは日本で夏に怪談話するようにUFOの話をして、自身は勿論、メンバーにまでドラッグを禁止させていたり常にモラルを説いていたという。宇宙の謎の探求は勿論、黒人文化や世界平和についても深遠な思考を巡らせたサン・ラの太陽中心世界については、バイオ本『サン・ラー伝 : 土星から来た大音楽家』 ジョン・F.スウェッド:著 湯浅学:監修 湯浅恵子:訳 河出書房新社, 2004.7を参照されたい。

ちなみにSUN RAの日本語表記は1993年に亡くなるまでは「サン・ラ」だったが、90年代半ばから「サン・ラー」と音引きになったと記憶している。しかし最近は再び「ラ」に戻ったようだ。ビル・ブルーフォードの例もあるので、英語のカタカナ表記はあまり気にしない方が良い。



その他のサン・ラ生誕100周年記念事業
★サン・ラの生誕100年を記念し、アルバムのリイシュー・プロジェクトが iTunes にてスタート。⇒コチラ
★サン・ラ(Sun Ra)生誕100年記念 Mr. Beatnickによる2時間のトリビュート・ミックスが公開⇒コチラ
★同じく、フィラデルフィアのDJ King Brittによる「Space Is The Place」リミックスが公開⇒コチラ

マーシャル・アレン Marshall Allen


来日するのは、世界の音楽界ご長寿番付第2位(当ブログ調査)のマーシャル・アレン率いるアーケストラ。世界の音楽界を陰で牛耳る謎のファミリー「アレン一族」の長でもあるマーシャルは来日する7月には90歳。昨年来日ドタキャンしたオーネット・コールマン(84)や現在入院中のポール・マック(71)の例を見るまでもなく高齢ミュージシャンには健康上の不安が付き纏う。一度は中止になったが、表彰式の為に来日を果たしたセシル・テイラー(85)の例もあるので、過度の心配は無用だが、無理は禁物、用心に越したことはない。実際you me & usで来日予定だったアレン一族の三男デヴィッド・アレン(76)は病気の為来日キャンセルした。辞める勇気も必要であることを強調しておきたい。

公式HPのニュースによると夏のヨーロッパ・ツアーは22人のミュージシャン&2人のダンサーの拡大版で「サン・ラ100周年ドリーム・アーケストラ」と称するらしいが、来日ラインナップは通常(縮小)版の模様。



マーシャル・アレン関連記事
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サン・ラ来る
惨落ル
三裸狂フ

どんな香り?サン・ラの香水が発売


ジャズ・アーティストのサン・ラをイメージした香水をアメリカのレコード・レーベルが発売した。ニューヨークのインディ・レーベルNorton Recordsが発表したもので、ビターオレンジブロッサムの最高品質のネロリ精油から作られたSATURNIAと、「記憶とミステリーの蜃気楼を呼び起こす」PROPHETIKAと2種類の香りがあり、価格は13ドル(1,320円)となっている。これはサン・ラの詩作・エッセイ集『PROPHETIKA』(全3巻)の出版を記念したもの。
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