11月20日(水) 高円寺ShowBoat
砲弾爆発合奏団 presents EXPLOSION GIG vol.3
急に寒さが増した水曜日、Cannonball Explosion Ensemble主催イベント「EXPLOSION GIG(爆裂ギグ)」が開催された。あいにくの冷たい雨模様の天気だったが、出演バンド3組それぞれ個性的でホットなパフォーマンスを繰り広げた。ShowBoatのベテラン・サウンドエンジニアが「こんなにフリーな演奏のPAを担当するのは初めての経験で面白かった」と感想を語るほどの自由で創造的なイベント空間は、東京ネオ・アンダーグラウンドの豊饒な魅力を象徴していた。
●MUSQIS
メンバーのうち数人とは個別で会ったり共演してきたが、MUSQISとして観るのは2018年9月以来6年ぶり。不定形楽団と自称するだけあってライヴごとにメンバーの入れ替わりがあるが今回はコアメンバー6人による演奏。ドラムが指揮者のように前面に配置されたセッティングが独特。ダンスを誘発する強烈なグルーヴを持つ高速の変拍子に乗って、管楽器&電子楽器が重層的に織りなすカンタベリーロック風のアンサンブルは、真の意味のプログレッシヴ・ミュージック。
●Cannonball Explosion Ensemble
2023年4月のMACHINEGUN EXPLOSION ENSENBLEとしての初ライヴから2年半、毎回何も決めごとナシのぶっつけ即興演奏だが、回を追うごとにお互いの手の内がわかってきたようでいて、やるたびに新たな驚きを感じる。それが固定メンバーによる即興演奏の歓びに違いない。今回は南部君のドラムの激しいプレイが際立ったスピード感のあるスリリングな展開になった。暴走しつつ最後は情感豊かなテナーの咽び泣きでエンディング。爆発の果ての哀愁こそ我らの神髄だろう。
●los doroncos
EXPLOSION GIGで初のヴォーカル入りロックバンド。とはいえ裸のラリーズのベーシストだったどろんこさんを筆頭にメンバー全員ロックからインプロまでこなす強者揃いのドロンコス。シンプルなコード進行でじわじわ展開するサイケロックは、即興ジャズやアヴァンギャルドに負けない自由な感性が溢れている。ツイン・ギターの絶妙な絡み合いと、平易な言葉の深みを暴くユニークな歌詞が醸し出す、夢見るようなトリップ感に浸った。
●Explosion Session
EXPLOSION GIG恒例の爆裂セッション。参加メンバーはLos Doroncosのどろんこ(g)、らりは(g)、MUSQISの野口英律(ds)、安藤裕子(ss)、桑原渉(tp)、Cannonball~のルイス稲毛(b)、剛田武(vn)。コード感のあるゆったりしたビートで展開する即興演奏は、単なるジャムセッションではなく、フリーでサイケデリックでプログレッシヴな今回のイベントを象徴する大団円だった。バンドやジャンルを越えた交流から新しい音楽表現を生み出すことがEXPLOSION GIGの醍醐味なのである。
次回のEXPLOSION GIGは2025年春頃に予定しています。
主催イベント以外にもCANNONBALL EXPLOSION ENSEMBLEの活動を広げていきたいと考えているので、お誘い等いただければ幸いです。
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