2014年10月22日遂に惑星直列以上の奇跡が起り、灰野敬二と非常階段の地下音楽界東西横綱が全国の優良CDショップ及びネットストアの一郭を占拠することとなった。しかも後述する通り両雄同舟は店頭&ウェブ上の二次元だけでなく、三次元のリアル邂逅も実現する。両者が出会ってから参拾余年が過ぎて、いずれも現役バリバリどころか新たな次元にRev-Upする新局面を迎えた今、再び出会う表現行為の極北は、お前のそのクソッタレの世界への福音であろうか。
●非常階段『咲いた花がひとつになればよい』結成35周年記念LIVE (DVD)
2014年8月29日(金)初台The DOORSにて開催された結成35周年・発売記念ライヴ「咲いた花がひとつになればよい」の記録DVD。初音階段&非常階段、ゲストに戸川純、PANTA、坂田明が出演。そのライヴのハイライトにリハやレコーディング風景などを収録。コンサート収録というよりドキュメンタリーっぽいクリアな映像がVシネマ(おもにレンタルビデオ市場で流通されることを前提とした、低予算・短期間で製作される映画の総称。ヤクザ物や金融など、アンダーグラウンドな世界を描いたものが多い)のように生々しい。筆者は当日最前列被り付きで観ていたので、パーツパーツは観えても会場全体の雰囲気は判らなかったので、二階席やステージ後方からのショットが嬉しい。PANTAや坂田の怪演も凄いのだが、注目すべきはマル非メンバー、特にJOJO広重の活き活きした表情に違いない。自分が音楽、というよりノイズを始めるきっかけとなった先達達と同じステージで記念すべき日を迎えることが出来る歓び。NOISE・ROCK・JAZZといったジャンルに関係なく広重の笑顔は充実した人生への感謝が滲み出ている。
<同時発売>
T.美川『私はノイズ』(2CD)
スター階段『京大西武講堂LIVE 1983.9.17』(CD)
Junko『Noise Of Voice』(5CD+1DVD)
●灰野敬二 experimental mixture『The Greatest Hits of the MUSIC』
3枚組の『in the world』に続く灰野敬二 experimental mixture(DJ Keiji Haino)のミックスCD第二弾。音楽のジャンルは勿論、人種・民族・言語・国境・性別など人類を区別(差別)するすべての障壁を無化するかのような2時間半の壮大な叙事詩だった『in the world』の世界のエッセンスを凝縮し、21篇の短編にまとめた簡潔な68分は、驚く程ポップで聴き易く、不思議な音が幾重にも重なり合うモワレ音響にWKTK(ワクテカ)している内に、あっという間に聴き終わってしまう。タイトル通り偉大な『音楽』の打点(ヒットポイント)の抽出作品。灰野の感性は、インタビューで語る通り、体験するものすべてに興味を持ちすべてを吸収する子供たちに通じている。情報量の圧縮度の高さは、21世紀の未来派芸術と呼んでもいいかもしれない。
⇒【インタビュー】僕は“音の触媒"なんだよ――灰野敬二、驚愕の“DJ"ミックス“experimental mixture"第2弾
<同時発売>
NAZORANAI なぞらない(Keiji Haino, Stephen O’Malley & Oren Ambarchi)『一番痛い時は 一度だけ それは もう 訪れているのかな... the most painful time happens only once has it arrived already..?』(2LP+CD)
Keiji Haino, Jim O'Rourke & Oren Ambarchi『ただ 美しく 溶けて しまいたいのに まだまだ満ち足りて いないから まだ見えていないはずの ものの ほうが 愛おしく 思えてしまう Only Wanting to melt Beautifully away is it a lack Of contentment that stirs affection For those Things Said to be as of yet unseen』(2LP+CD)
Zeitkratzer+Keiji Haino『Live at Jahrhunderthalle Bochum」(LP+CD)
両雄が
相まみえる日
何が起る
11月1日(土) 秋葉原Club Goodman
<Alchemy Records presents 「頂上決戦!激闘編」>
灰野敬二/JOJO広重/ドラびでお/七尾旅人
11月3日(月・祝) 秩父 番場町商店街
秩父4D
灰野敬二 x JOJO広重(非常階段)x 河端一(Acid Mothers Temple)
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