浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

財政赤字?それって何のこと

2015-12-22 10:32:12 | 政治
 「財政赤字?それって何のこと?」と、権力の周辺にいる人びとは思っているだろう。カネなんか、国民からどんどん巻き上げればいいんだ、と考えていることは、様々な政権関係者の言動を見れば明らかであろう。

 とはいえ、一般庶民は、細かいことなんか気にしない。財政赤字を大きく拡大し、実質的には何のプラスをもたらさなかった維新の橋下府政・市政であっても、多くの府民市民は橋下を支持し、橋下が去るときには涙を流している人もいたとか。

 昨日、「新・映像の世紀」をみた。ヒトラーの時代を映したフィルムが流されていた。多くのドイツ国民は、嬉々としてヒトラーを支持し、崇拝までしていた。よく「庶民はだまされた」のだというが、権力者はだまそうとしただろうが、庶民にとってはそんなことは関係ないのだ。庶民にとって、政治は遠い話なのだ。日常生活と大きく乖離したことにすぎない。

 庶民は、日常生活を生きるのである。その日常生活は日々死ぬまで延々と営まれるものであって、それこそ「切れ目」なく続くのである。その「切れ目」のない日常生活に少しの変化があっても、ほとんどの人は気がつかないし気にもしない。少しずつ増税されるなら、庶民は怒らない。とにかく急激な変化を避けながら徐々に変えていけばよいのだ。TPPも同じ。庶民は永遠に気付かない「茹でガエル」なのだ。

 東京オリンピック、当初は3000億円で運営される、なんて言っていたが、ここにきてものすごいお金がかかることが報じられ始めた。そうなることは予想されたことだ。何でもそう。公共事業を始めるときは最初は少額だが、最終的には莫大なカネがかかっている。庶民が気にするのは最初だけ。補正予算でどんどんふくれあがっても、それに気付くのは少数の人。

 権力につながる人びとは、それでどんどん肥え太る。しかし庶民は気付かない。

 さて、オリンピックに多額のカネがかかるという報道が増えてきた。しかし多額のカネが投じられて、オリンピックは準備され運営されるのだろう。財政赤字?国民から巻き上げればいいんだよ、という声が聞こえてくる。権力につながる人びとには、たとえ消費税をたくさん納めても、別途カネが入っていくことになっている。

 庶民は、こうして名だけの「主権者」、「主人公」のままで、日常生活を生きるのだ。

http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/172124/1

http://buzzap.jp/news/20151219-tokyo-olympic-2trillion-yen/
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