都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「ロスコ・ルーム」 川村記念美術館から
川村記念美術館
常設展示
「マーク・ロスコ -ロスコ・ルーム(7枚のシーグラム・ビル壁画)- 」

川村記念美術館の常設展示のハイライトは、マーク・ロスコ(1903-70)による7点の大きなカンヴァス画が並べられた「ロスコ・ルーム」ではないでしょうか。ニューヨークのレストラン「フォー・シーズンズ」のために制作されたというこの作品は、ロスコ本人の望みもあり、落ち着いた一展示室に集められています。もちろん、薄暗い照明の中で一人占めして鑑賞することも可能です。日本ではこの美術館だけというロスコの本格的なコレクション。これは実に貴重な空間です。
7枚とも黒みを帯びた赤い色が基調となっています。大きなカンヴァスの中には、窓枠か扉を思わせるような形があって、それが「別世界へとつながる入口のようでもあり、永遠に閉じられた窓」(川村記念美術館より。)とも見えるようです。展示室の中央に置かれた椅子に腰掛ければ、壁という壁の全てにかけられた一連の作品に囲まれます。私は、異次元や別世界への出入り口というよりも、むしろ壁からこれらの形や色が、鈍い音の連鎖とともに滲みだしてきて、部屋全体の空間を支配するか、もしくは浸食して来ているような気配を感じました。どちらかと言えば「永遠に閉じられた窓」に近い印象かもしれません。
私がこの「ロスコ・ルーム」と接したのは、今回(アルプ展)で二度目になりますが、昨年に初めてこの美術館に出向いた際に見た時は、不思議にもあまり印象に残りませんでした。しかし今度は違います。展示室に長時間居座って、その空間の余韻も深く味わってみる。監視員の方が座られている部屋の角の椅子にも座って、様々な角度で作品とじっくりと対面したいとも思いました。この部屋に長時間いれば、いつの間にかその色と形に支配されてしまった自分に気が付く。そんな雰囲気さえ漂っています。
マーク・ロスコはアメリカ抽象主義を代表する作家ですが、シュルレアリスムとの関連や、神話学的、または宗教的な主題との関係も指摘されるという幅広い表現の持ち主です。また、1996年には東京都現代美術館にて回顧展も開催されました。ただ残念ながら、それは私が美術に関心を持つ前のことだったので見ておりません。またどこかで展覧会を開催していただければとも思いました。
常設展示
「マーク・ロスコ -ロスコ・ルーム(7枚のシーグラム・ビル壁画)- 」

川村記念美術館の常設展示のハイライトは、マーク・ロスコ(1903-70)による7点の大きなカンヴァス画が並べられた「ロスコ・ルーム」ではないでしょうか。ニューヨークのレストラン「フォー・シーズンズ」のために制作されたというこの作品は、ロスコ本人の望みもあり、落ち着いた一展示室に集められています。もちろん、薄暗い照明の中で一人占めして鑑賞することも可能です。日本ではこの美術館だけというロスコの本格的なコレクション。これは実に貴重な空間です。
7枚とも黒みを帯びた赤い色が基調となっています。大きなカンヴァスの中には、窓枠か扉を思わせるような形があって、それが「別世界へとつながる入口のようでもあり、永遠に閉じられた窓」(川村記念美術館より。)とも見えるようです。展示室の中央に置かれた椅子に腰掛ければ、壁という壁の全てにかけられた一連の作品に囲まれます。私は、異次元や別世界への出入り口というよりも、むしろ壁からこれらの形や色が、鈍い音の連鎖とともに滲みだしてきて、部屋全体の空間を支配するか、もしくは浸食して来ているような気配を感じました。どちらかと言えば「永遠に閉じられた窓」に近い印象かもしれません。
私がこの「ロスコ・ルーム」と接したのは、今回(アルプ展)で二度目になりますが、昨年に初めてこの美術館に出向いた際に見た時は、不思議にもあまり印象に残りませんでした。しかし今度は違います。展示室に長時間居座って、その空間の余韻も深く味わってみる。監視員の方が座られている部屋の角の椅子にも座って、様々な角度で作品とじっくりと対面したいとも思いました。この部屋に長時間いれば、いつの間にかその色と形に支配されてしまった自分に気が付く。そんな雰囲気さえ漂っています。
マーク・ロスコはアメリカ抽象主義を代表する作家ですが、シュルレアリスムとの関連や、神話学的、または宗教的な主題との関係も指摘されるという幅広い表現の持ち主です。また、1996年には東京都現代美術館にて回顧展も開催されました。ただ残念ながら、それは私が美術に関心を持つ前のことだったので見ておりません。またどこかで展覧会を開催していただければとも思いました。
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