2022年11月に見たい展覧会【闇と光/パリ・オペラ座/加藤泉】

晩秋に入り、関東では朝晩を中心に冷え込むようになりました。



10月はいつものように都内近辺の展示を見ただけでなく、月の初めに青森へ行き、幾つかの美術館を巡りました。イロハニアートやPenオンラインにも展示やイベントをご紹介しましたが、改めてブログでもまとめたいと思います。

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それでは11月に気になる展示をリストアップしてみました。

展覧会

・『旅と想像/創造 いつかあなたの旅になる』 東京都庭園美術館(9/23~11/27)
・『アーツ・アンド・クラフツとデザイン ウィリアム・モリスからフランク・ロイド・ライトまで』 府中市美術館(9/23~12/4)
・『没後80年記念 竹内栖鳳』 山種美術館(10/6~12/4)
・『小江戸文化シリーズ5 小茂田青樹展』 川越市立美術館(10/22~12/4)
・『将軍家の襖絵 屏風絵でよみがえる室町の華』 根津美術館(11/3~12/4)
・『見るは触れる 日本の新進作家 vol.19』 東京都写真美術館(9/2~12/11)
・『加耶―古代東アジアを生きた、ある王国の歴史―』 国立歴史民俗博物館(10/4~12/11)
・『琳派の花園 あだち』 足立区立郷土博物館(10/9~12/11)
・『静嘉堂創設130周年・新美術館開館記念展Ⅰ響きあう名宝―曜変・琳派のかがやき―』 静嘉堂文庫美術館(10/1~12/18)
・『つながる琳派スピリット神坂雪佳』 パナソニック汐留美術館(10/29~12/18)
・『闇と光 ―清親・安治・柳村』 太田記念美術館(11/1~12/18)
・『生誕150年記念 板谷波山の陶芸』 泉屋博古館東京(11/3~12/18)
・『柴田是真と能楽 江戸庶民の視座』 国立能楽堂 資料展示室(10/29〜12/23)
・『ブラチスラバ世界絵本原画展 絵本でひらくアジアの扉―日本と韓国のいま』 千葉市美術館(11/12~12/25)
・『三浦太郎展 絵本とタブロー』 板橋区立美術館(2022/11/19~2023/1/9)
・『ポーラ美術館開館20周年記念展 ピカソ 青の時代を超えて』 ポーラ美術館(9/17~2023/1/15)
・『マン・レイのオブジェ 日々是好物|いとしきものたち』 DIC川村記念美術館(10/8~2023/1/15)
・『江口寿史イラストレーション展 彼女 ―世界の誰にも描けない君の絵を描いている』 千葉県立美術館(2022/10/29~2023/1/15)
・『おいしいボタニカル・アート 食を彩る植物のものがたり』 SOMPO美術館(11/5~2023/1/15)
・『ビーズ—つなぐ かざる みせる 国立民族学博物館コレクション』 渋谷区立松濤美術館(2022/11/15~2023/1/15)
・『野口里佳 不思議な力』 東京都写真美術館(10/7~2023/1/22)
・『ピカソとその時代 ベルリン国立ベルクグリューン美術館展』 国立西洋美術館(10/8~2023/1/22)
・『マン・レイと女性たち』 神奈川県立近代美術館 葉山館(10/22~2023/1/22)
・『桃源郷通行許可証』 埼玉県立近代美術館(10/22~2023/1/29)
・『ヴァロットン―黒と白 Félix Vallotton,noir et blanc』 三菱一号館美術館(10/29~2023/1/29)
・『中﨑透 フィクション・トラベラー』 水戸芸術館(2022/11/5~2023/1/29)
・『DOMANI・明日展 2022-23』 国立新美術館(2022/11/19~2023/1/29)
・『マリー・クワント展』 Bunkamura ザ・ミュージアム(2022/11/26~2023/1/29)
・『祈り・藤原新也』 世田谷美術館(11/26~2023/1/29)
・『月に吠えよ、萩原朔太郎展』 世田谷文学館(10/1~2023/2/5)
・『大竹伸朗展』 東京国立近代美術館(2022/11/1~2023/2/5)
・『パリ・オペラ座―響き合う芸術の殿堂』 アーティゾン美術館(2022/11/5~2023/2/5)
・『特別展 毒』 国立科学博物館(2022/11/1~2023/2/19)
・『ウェンデリン・ファン・オルデンボルフ 柔らかな舞台』 東京都現代美術館(2022/11/12~2023/2/19)
・『加藤泉―寄生するプラモデル』 ワタリウム美術館(2022/11/6~2023/3/12)

ギャラリー

・『Julian Opie「OP.VR@PARCO」』 PARCO MUSEUM TOKYO(10/21~11/14)
・『岡崎裕子 私を紡ぐもの』 小山登美夫ギャラリー六本木(11/5~11/19)
・『衣川明子、長谷川さち 川と子』 ANOMALY(10/29~11/26)
・『日本のアートディレクション展 2022』 ギンザ・グラフィック・ギャラリー、クリエイションギャラリーG8(11/1~11/30)
・『三輪美津子「Full House」』 SCAI THE BATHHOUSE(11/1~12/10)
・『髙畠依子 CAVE』 シュウゴアーツ(11/19~12/24)
・『訪問者 クリスチャン・ヒダカ&タケシ・ムラタ展』メゾンエルメス8階フォーラム(10/21~2023/1/31)
・『How is Life?―地球と生きるためのデザイン』 TOTOギャラリー・間(10/21~2023/3/19)

まずは日本美術からです。太田記念美術館にて『闇と光 ―清親・安治・柳村』が開かれます。



『闇と光 ―清親・安治・柳村』@太田記念美術館(11/1~12/18)


これは明治時代初期、小林清親が西洋から移入した油彩画や石版画、それに写真などの表現を木版画に取り込み、光や影の移ろう風景が描いた光線画に着目したもので、井上安治と小倉柳村の作品をあわせて約200点(展示替えあり)が公開されます。

近年、新版画の人気が高まり、各地で展覧会も続々行われていますが、光線画はその先駆けとも言われるだけに、改めて注目が集まるかもしれません。

続いてはオペラ座に着目した異色とも言える展覧会です。アーティゾン美術館にて『パリ・オペラ座―響き合う芸術の殿堂』が行われます。



『パリ・オペラ座―響き合う芸術の殿堂』@アーティゾン美術館(2022/11/5~2023/2/5)

展示では17世紀にさかのぼるパリ・オペラ座の歴史を辿りながら、特に19世紀から20世紀初頭の芸術的展開を紹介していて、フランス国立図書館の所蔵するオペラ、バレエ関係の資料約200点や、オルセー美術館のドガの『バレエの授業』といった作品が公開されます。


総合芸術とも呼ばれるオペラは、作曲家はもちろん、歌手やダンサー、また合唱団といった出演者、それに台本作家や演出家など多様な表現者が関わることで初めて上演が実現しますが、そうした幅広い芸術へのつながりを紐解く展覧会ともなりそうです。

ラストは現代美術です。ワタリウム美術館にて『加藤泉―寄生するプラモデル』が開催されます。



『加藤泉―寄生するプラモデル』@ワタリウム美術館(2022/11/6~2023/3/12)

2000年代より木彫作品を発表した加藤は、ソフトビニールや石、布、さらにはプラモデルなどを素材として制作を続け、国内外にて個展を開くなどして活動してきました。


そして加藤はコロナ禍の中、プラモデルを制作しつつ、木彫などの自らの作品に取り入れたとしています。そうしたプラモデルをコラージュした作品などを中心としたのが今回の個展で、さらに組立説明書などをコラージュしたユニークな作品も公開されます。加藤といえば、2019年の原美術館の個展の記憶も新しいところですが、また違った趣きの展示になるのかもしれません。

一部、内容が重なりますが、イロハニアートへも11月のおすすめの展覧会を寄稿しました。

11月おすすめ展覧会はこれ!【2022最新版】ボタニカル・アートからパリ・オペラ座、150年後の国宝まで | イロハニアート

それでは今月もよろしくお願いいたします。
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