『特別企画「未来の博物館」』 東京国立博物館 本館特別3室・特別5室、東洋館エントランス

東京国立博物館 本館特別3室・特別5室、東洋館エントランス
『特別企画「未来の博物館」』
2022/10/18~12/11



最先端のデジタル技術を用い、新たな日本美術の鑑賞体験を提供する『特別企画「未来の博物館」』が、東京国立博物館の本館特別3室、特別5室、および東洋館エントランスにて開かれています。



まず本館1階の特別5室では「時空をこえる8K」と題し、法隆寺の夢殿や国宝「洛中洛外図屏風(舟木本)」を高精細な映像で紹介していて、幅13メートルの大画面を用いた夢殿の映像では、実際に奈良の斑鳩へと訪ねたかのような臨場感を得ることができました。



このうち夢殿では、長く秘仏とされてきた夢殿本尊である救世観音を大きくアップし、通常見ることのできない細部までを明らかにしていて、仏像の精緻な意匠に見入りました。



それに救世観音の造仏当時のすがたを復元して見せる映像も興味深いのではないでしょうか。8Kや3DCG技術の映像は想像以上に鮮やかでした。



この夢殿に次が国宝「洛中洛外図屏風(舟木本)」の映像展示で、絵画を高精細映像として映しながら、「食と享楽」、「美と芸能」、「歴史と文化」といった各テーマのもと、料理研究家の土井善晴氏や落語家の林家正蔵氏などの6人のナビゲーターが見どころを紹介していました。



大きくクローズアップされた舟木本にも迫力がありましたが、各ナビゲーターのソフト語りによって、屏風の世界がより親しみやすく感じられたかもしれません。



これに続くのが、重要文化財の「遮光器土偶」や「能面 小面」といった3件の文化財を8Kモニターに映した「デジタル ハンズオン・ギャラリー」で、単に見るだけでなく、回転させたり、色を変えたりできるなど、通常とは異なった鑑賞体験をすることができました。



本館の特別3室では「四季をめぐる 高精細複製屏風」として、「花下遊楽図屏風」、「納涼図屏風」、「観楓図屏風」、「松林図屏風」の4件の国宝の複製屏風が公開されていて、四季の風景などがプロジェクションマッピングにて投影されていました。



ここでは1件1件の国宝屏風が順番にプロジェクションマッピングに映されていて、例えば「松林図屏風」では雪が舞い、「観楓図屏風」では鳥が羽ばたき水面が揺れる光景などを楽しむことができました。またぼんやりと月明かりに染まる「納涼図屏風」も情緒豊かに思えました。



3つ目の会場である東洋館エントランスでは「夢をかなえる8K」として、8Kの高精細画像を用いたオリジナルのアプリケーションと操作デバイスによる2つの展示が行われていました。



まず「ふれる・まわせる名茶碗」とは、「黒楽茶碗 銘 尼寺」や「志野茶碗 銘 振袖」などとかたちと重さも同じ茶碗型ハンズオンコントローラーを動かし、モニター上にて高精細画像を好きな角度から楽しむことができるもので、普段触れない茶碗の重さなどを確かめながら、連動して動くモニターの様子に目を引かれました。



また「みほとけ大調査」では、懐中電灯型の操作デバイスで仏像を照らすと、120インチモニター上の仏像の細部が浮かび上がる仕組みになっていて、「菩薩立像」などの部分を解説とともに鑑賞することができました。


いずれの新たな鑑賞体験をもたらしながら、実物を見る際に気づきを与えるようなコンテンツだったのではないでしょうか。随時、東博にて公開される本物とあわせて見るのも楽しいかもしれません。



総合文化展観覧料、及び特別展の観覧料(当日に限る)にて体験することができます。

12月11日まで開催されています。

『特別企画「未来の博物館」』 東京国立博物館 本館特別3室・特別5室、東洋館エントランス(@TNM_PR
会期:2022年10月18日(火) ~12月11日(日)
休館:月曜日
時間:9:30~17:00
 *入館は閉館の30分前まで。
料金:一般1000円、大学生500円、高校生以下無料。
 *総合文化展観覧料。開催中の特別展観覧料(観覧当日に限る)でも観覧可。
住所:台東区上野公園13-9
交通:JR線上野駅公園口・鶯谷駅南口より徒歩10分。東京メトロ銀座線・日比谷線上野駅、京成電鉄京成上野駅より徒歩15分。
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