都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
『リボーンアートフェスティバル 2021-22』 宮城県石巻市街地・牡鹿半島
東日本大震災の復興支援を機に構想され、2017年にスタートした『リボーンアートフェスティバル』の2021-22年度の後期展示が、宮城県の石巻市街地や牡鹿半島にて開催されています。
今回の『リボーンアートフェスティバル 2021-22』の主な会場は、石巻中心市街地、復興祈念公園周辺、渡波、桃浦・萩浜、および鮎川の5つで、各エリアにて常設作品に加えて新作が展示されていました。
まず石巻中心市街地では、旧鮮魚店や古い納屋、また銭湯やサウナの跡などにて展示が行われていて、旧つるの湯では笹岡由梨子が映像インスタレーションの『パンジー』を公開していました。石巻の人々への応援歌とされる合唱も楽しいかもしれません。
この中心市街地のインフォメーションがある旧観慶丸商店では、アーティストの川俣正が石巻タワーのプロジェクトの資料展とサンパウロビエンナーレへ出展した初期作品の模型などを公開していて、映像などと合わせて楽しむことができました。
1930年に石巻で初めての百貨店として建てられた旧観慶丸商店は、東日本大震災にて被害を受けたものの、災害復旧工事を経て、2017年に文化活動拠点施設として開館しました。
かつて震災の記録展示を行ってきた旧情報交流館では、有馬かおるが残された資料を活かした展示を行っていて、写真やドローイングなどを見ることができました。
復興の歩みをまとめた年表や震災の写真などを展示してきた旧交流館は、7年に渡って石巻市の復興・復旧事業やまちづくり情報を発信してきたものの、2022年の3月に閉館しました。
これに続く復興祈念公園エリアでは、公園北側のさわひらき、加藤泉、風間サチコらの展示が充実していて、そのうちのさわひらきは日本製紙旧社宅の建物を用い、独自のイマジネーションに満ちたインスタレーションを公開していました。
一方の復興祈念公園の中では、弓指寛治がこころの森ガーデンカフェとみやぎ東日本大震災津波伝承館を舞台に作品を制作していて、伝承館ではガラス張りの壁へ公園の未来を想像した景色を描きました。
弓指は祈念公園にて続く植樹にも参加していて、いずれ樹木で覆われる公園を絵画に表現しました。
この公園に近い南浜マリーナ隣の空き地に建てられた、川俣正の石巻タワーも見どころといえるかもしれません。高さは7.5メートル、らせん状のスロープを内部に備えていて、実際に登ることも可能でした。また日没後は太陽光発電により、街へと向かって明かりを灯すとのことでした。
またタワー横の硬く整地された土地を耕し、約40種類もの野菜を植えて畑を築いた保良雄も、未来へと生命を育もうとする取り組みとして興味深く思えました。
石巻中心市街地を離れ、2駅先に位置する渡波地区では、旧水産加工場を舞台に小谷元彦と保良雄が展示を行っていました。
そのうちの小谷は『リボーンアートフェスティバル 2021-22』のキービジュアルである『サーフ・エンジェル(仮設のモニュメント2)』を公開していて、サーフボードに乗りながら両手を広げて立つ天使のすがたを目の当たりにできました。
牡鹿半島の中の桃浦・荻浜エリアでは、『リボーンアートフェスティバル 2021-22』にて最も有名な作品と呼んで良い名和晃平の『White Deer』が海を背にして立っていて、神々しいまでの美しい光景に心を引かれました。
このほか、市街地エリアのプレナミヤギにおける渡邊慎二郎の映像インスタレーションも面白いかもしれません。今回は時間とスケジュールの都合上、雨宮庸介や目、それに鮎川エリアの作品を見ることができませんでしたが、それでも石巻の街や自然を取り込んだ展示に見入るものがありました。
WEBメディアイロハニアートにも『リボーンアートフェスティバル 2021-22』の様子について寄稿しました。
リボーンアートフェスティバル 2021-22の見どころを徹底レポート!エリアごとに紹介 | イロハニアート
ブログの内容と一部重なりますが、鮎川を除く4つのエリアより新作を中心に見どころを紹介しました。これからお出かけの際の参考にしていただければ嬉しいです。
『リボーンアートフェスティバル 2021-22』は10月2日まで開催されています。※写真はプレスツアー時に撮影しました。
『リボーンアートフェスティバル 2021-22』(@Reborn_Art_Fes)
開催地域:宮城県石巻市街地(石巻中心市街地、復興祈念公園周辺、渡波)、牡鹿半島(桃浦・荻浜、鮎川)
開催期間:2022年8月20日(土)~10月2日(日)
開催時間:10:00〜17:00(石巻市街地)、10:00〜16:00(牡鹿半島)
※土日祝日の牡鹿半島会場は17:00まで
休祭日: 9月7日(水)、9月14日(水)
料金:一般3500円、大学・高校生・専門学生2500円、宮城県民2000円、中学生以下無料
※リボーンアート・パスポート料金
今回の『リボーンアートフェスティバル 2021-22』の主な会場は、石巻中心市街地、復興祈念公園周辺、渡波、桃浦・萩浜、および鮎川の5つで、各エリアにて常設作品に加えて新作が展示されていました。
まず石巻中心市街地では、旧鮮魚店や古い納屋、また銭湯やサウナの跡などにて展示が行われていて、旧つるの湯では笹岡由梨子が映像インスタレーションの『パンジー』を公開していました。石巻の人々への応援歌とされる合唱も楽しいかもしれません。
この中心市街地のインフォメーションがある旧観慶丸商店では、アーティストの川俣正が石巻タワーのプロジェクトの資料展とサンパウロビエンナーレへ出展した初期作品の模型などを公開していて、映像などと合わせて楽しむことができました。
1930年に石巻で初めての百貨店として建てられた旧観慶丸商店は、東日本大震災にて被害を受けたものの、災害復旧工事を経て、2017年に文化活動拠点施設として開館しました。
かつて震災の記録展示を行ってきた旧情報交流館では、有馬かおるが残された資料を活かした展示を行っていて、写真やドローイングなどを見ることができました。
復興の歩みをまとめた年表や震災の写真などを展示してきた旧交流館は、7年に渡って石巻市の復興・復旧事業やまちづくり情報を発信してきたものの、2022年の3月に閉館しました。
これに続く復興祈念公園エリアでは、公園北側のさわひらき、加藤泉、風間サチコらの展示が充実していて、そのうちのさわひらきは日本製紙旧社宅の建物を用い、独自のイマジネーションに満ちたインスタレーションを公開していました。
一方の復興祈念公園の中では、弓指寛治がこころの森ガーデンカフェとみやぎ東日本大震災津波伝承館を舞台に作品を制作していて、伝承館ではガラス張りの壁へ公園の未来を想像した景色を描きました。
弓指は祈念公園にて続く植樹にも参加していて、いずれ樹木で覆われる公園を絵画に表現しました。
この公園に近い南浜マリーナ隣の空き地に建てられた、川俣正の石巻タワーも見どころといえるかもしれません。高さは7.5メートル、らせん状のスロープを内部に備えていて、実際に登ることも可能でした。また日没後は太陽光発電により、街へと向かって明かりを灯すとのことでした。
またタワー横の硬く整地された土地を耕し、約40種類もの野菜を植えて畑を築いた保良雄も、未来へと生命を育もうとする取り組みとして興味深く思えました。
石巻中心市街地を離れ、2駅先に位置する渡波地区では、旧水産加工場を舞台に小谷元彦と保良雄が展示を行っていました。
そのうちの小谷は『リボーンアートフェスティバル 2021-22』のキービジュアルである『サーフ・エンジェル(仮設のモニュメント2)』を公開していて、サーフボードに乗りながら両手を広げて立つ天使のすがたを目の当たりにできました。
牡鹿半島の中の桃浦・荻浜エリアでは、『リボーンアートフェスティバル 2021-22』にて最も有名な作品と呼んで良い名和晃平の『White Deer』が海を背にして立っていて、神々しいまでの美しい光景に心を引かれました。
このほか、市街地エリアのプレナミヤギにおける渡邊慎二郎の映像インスタレーションも面白いかもしれません。今回は時間とスケジュールの都合上、雨宮庸介や目、それに鮎川エリアの作品を見ることができませんでしたが、それでも石巻の街や自然を取り込んだ展示に見入るものがありました。
WEBメディアイロハニアートにも『リボーンアートフェスティバル 2021-22』の様子について寄稿しました。
リボーンアートフェスティバル 2021-22の見どころを徹底レポート!エリアごとに紹介 | イロハニアート
ブログの内容と一部重なりますが、鮎川を除く4つのエリアより新作を中心に見どころを紹介しました。これからお出かけの際の参考にしていただければ嬉しいです。
リボーン会場に着いたらまずはチェックインを✔️
— Reborn-Art Festival (@Reborn_Art_Fes) September 10, 2022
初めての方も2回目以降の方も👇
各エリアのインフォメーションでチェックイン
→パスポートを提示or購入
→リストバンドを手首に巻いて鑑賞へ!
ガイドブックを手に鑑賞をお楽しみください🖼 pic.twitter.com/lhuv2sou3Z
『リボーンアートフェスティバル 2021-22』は10月2日まで開催されています。※写真はプレスツアー時に撮影しました。
『リボーンアートフェスティバル 2021-22』(@Reborn_Art_Fes)
開催地域:宮城県石巻市街地(石巻中心市街地、復興祈念公園周辺、渡波)、牡鹿半島(桃浦・荻浜、鮎川)
開催期間:2022年8月20日(土)~10月2日(日)
開催時間:10:00〜17:00(石巻市街地)、10:00〜16:00(牡鹿半島)
※土日祝日の牡鹿半島会場は17:00まで
休祭日: 9月7日(水)、9月14日(水)
料金:一般3500円、大学・高校生・専門学生2500円、宮城県民2000円、中学生以下無料
※リボーンアート・パスポート料金
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