『北陸工芸の祭典 GO FOR KOGEI 2023』 富山県富山市富岩運河沿いの3エリア

富山県富山市富岩運河沿いの3エリア
『北陸工芸の祭典 GO FOR KOGEI 2023 物質的想像力と物語の縁起―マテリアル、データ、ファンタジー』
2023/9/15~10/29


上田バロン 展示作品

今日的な観点から工芸の魅力を発信する芸術祭、『北陸工芸の祭典 GO FOR KOGEI 2023』が、富山県富山市富岩運河沿いの3つのエリアにて開かれています。


富岩運河環水公園 奥は久保寛子の展示作品

そのうち最も富山駅に近いのが環水公園エリアで、ここでは環水公園と富山県美術館、そして同エリアの事実上の主会場である樂翠亭美術館にて展示が行われていました。


近藤高弘 展示作品

樂翠亭美術館で目を引くのは土を素材とした作品で、辻村塊の信楽壺がエントランスに並び、和室では自らを象ったという近藤高弘の坐像が物静かな佇まいを見せていました。


金理有 展示作品

また同館では付属する日本庭園にも作品が展開していて、土地と人の営みの関係をテーマに活動する野村由香が土を押し出すインスタレーションを制作していたほか、蔵の中では金理有による一つ目のオブジェが妖しい眼差しを覗かせていました。


中島閘門

この環水公園エリアから富岩運河を北上し、ちょうど富山湾と半分あたりの地点に位置するのが、中島閘門エリアでした。


横野明日香 展示作品

中島閘門とはパナマ運河方式で約2.5メートルの水位差を調整する現役の閘門で、展示は閘門横のスペースと操作場、また少し離れた場所にある通称「電タク」と呼ばれる建物にて行われていました。


定村瑤子 展示作品

かつてのタクシー会社の社屋であった「電タク」では、建物内部と屋外、さらにギャラリーにて主に絵画をメインとした作品が展示されていて、黒部ダムの風景を量感あふれた描写で表現した横野明日香や、かつての社長室の空間からインスピレーションを受けて絵画を描く定村瑤子の作品に見応えがありました。


葉山有樹 展示作品

3つのエリアで最も富山湾に近いのが、江戸時代には北前船の寄港地として栄え、現在も酒蔵などの古い街並みを残す岩瀬エリアでした。


コムロタカヒロ 展示作品

ここでは北前船の北陸五大船主であった馬場家や、酒蔵桝田酒造店といった8ヶ所の歴史的建造物などにて作品が展開していて、歴史ある街並みと工芸やアートが響き合う光景を見ることができました。


古川流雄 展示作品


Penオンラインでも『北陸工芸の祭典 GO FOR KOGEI 2023』の見どころについて寄稿しました。

遊覧船で巡る「水の都」富山の芸術祭、『北陸工芸の祭典 GO FOR KOGEI 2023』が開催中!|Pen Online


ささきなつみ 展示作品

いわゆる旧来の工芸の概念を拡張し、より現代アートに引き付けたような芸術祭といえるかもしれません。富山の運河沿いに開けた、思いの外に多様な作品に見入りました。


葉山有樹 展示作品

会期も残すところあと半月となりました。10月29日まで開催されています。

『北陸工芸の祭典 GO FOR KOGEI 2023 物質的想像力と物語の縁起―マテリアル、データ、ファンタジー』@goforkogei) 富山県富山市富岩運河沿いの3エリア
会期:2023年9月15日(金)–10月29日(日)
休場日:樂翠亭美術館(水曜)、富山県美術館(水曜、9月19日)、ほか会期中無休
時間:10:00~16:30
 *入場は16時まで
チケット(ガイドブック付き):一般2500円、高校生1500円。
 *会場購入・引換:樂翠亭美術館(水曜休)、電タク、桝田酒造店 満寿泉
場所:富山市奥田新町2-27(樂翠亭美術館)
交通:JR「富山駅」北口から徒歩8分、富山港線 「インテック本社前駅」から徒歩5分。(樂翠亭美術館)
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