東京都美術館にて『マティス展』が開かれています

20世紀を代表するフランスの芸術家、アンリ・マティスは、フォーヴィスムの画家として活躍すると、絵画のみならず、彫刻、切り紙絵、また建築プロジェクトといった幅広い分野に業績を残しました。


『赤いキュロットのオダリスク』 1921年秋 ポンピドゥー・センター/国立近代美術館

そのマティスの芸術の仕事を紹介するのが『マティス展 Henri Matisse: The Path to Color』で、展示の見どころや内容についてイロハニアートへ寄稿しました。

色彩に満ちた芸術の世界へようこそ。東京都美術館にて『マティス展』が開催中! | イロハニアート


『グルーゴー男爵夫人の肖像』 1924年 ポンピドゥー・センター/国立近代美術館

まず今回の展覧会の特徴は、マティスが芸術家としてたどった足跡をほぼ年代順にて追っていることで、第1章の「フォーヴィスムに向かって」(1895年〜1909年)から第8章「ヴァンス・ロザリオ礼拝堂」(1948年〜1951年)へと至る8つの章にて構成されていました。


『夢』 1935年5月 ポンピドゥー・センター/国立近代美術館

作品の多くは世界最大規模のマティスコレクションを誇るパリ、ポンピドゥー・センターのコレクションで、フォーヴィスムの夜明けを告げたとされる初期の傑作『豪奢、静寂、逸楽』が日本で初めて公開されました。


『黄色と青の室内』 1946年 ポンピドゥー・センター/国立近代美術館

第6章の「ニースからヴァンスへ」が1つのハイライトをなしていたかもしれません。1943年、マティスは第二次世界大戦によってニースから近郊の街のヴァンスへと移ると、「夢」荘に居を構え、のちに画文集『ジャズ』として出版される切り紙絵の連作を制作しました。


『赤の大きな室内』 1948年春 ポンピドゥー・センター/国立近代美術館

そして1946年には最後の油彩連作である、「夢」荘と庭を主題とした「ヴァンス室内画」を描きはじめていて、展示でもシリーズ1作の『黄色と青の室内』と最終作である『赤の大きな室内』をあわせて見ることができました。

このほか、最晩年にマティスが手がけたロザリオ礼拝堂のためのプロジェクトの資料やドローイングなども見どころといえるかもしれません。


『マティス展』会場風景

会場内の一部のフロアの撮影が可能でした。


日時指定予約制が導入されました。現在のところ当日券も販売されていますが、国内では20年ぶりの大規模回顧展ということもあり、今後、夏休みに向けて混雑してくるかもしれません。チケットの発売状況などは事前に公式アカウント(@matisse2023)にてご確認ください。

国内での巡回はありません。8月20日まで開催されています。

『マティス展 Henri Matisse: The Path to Color』@matisse2023) 東京都美術館@tobikan_jp
会期:2023年4月27日(木)~8月20日(日)
時間:9:30~17:30
 *金曜日は20時まで開館
 *入館は閉館の30分前まで。
休館:月曜日、7月18日(火)。ただし、5月1日(月)、 7月17日(月・祝)、 8月14日(月)は開室。
料金:一般2200円、大学生・専門学校生1300円、65歳以上1500円、高校生以下無料。
 *オンラインでの日時指定予約制。
住所:台東区上野公園8-36
交通:JR線上野駅公園口より徒歩7分。東京メトロ銀座線・日比谷線上野駅7番出口より徒歩10分。京成線上野駅より徒歩10分。
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